ヒューリステックとは、行動経済学や心理学で使われる用語です。
今回はこのヒューリステックについて、いくつかの質問を通して、実際に皆様にも体感していただきながら紹介していきます!
ヒューリステックとは?
我々は意思決定をしたり、何か物事を判断するときに、必ずしも一歩一歩、論理的に考えながら答えに到達しているわけではありません。
直観で素早く答えを出すことがあります。
これをヒューリステックと言います。
ヒューリステックは、短時間で、しかも苦労することなく答えを出すことができますが、思わむ間違えを犯してしまうことがあります。
そして、我々人間の脳は怠け者であるため、この労力が少なく、すぐに答えが導き出せるヒューリステックに頼ろうとします。
しかし、どのような間違えを犯してしまうかは予測がつきます。
これから、ヒューリステックスの中でも代表的な代表性ヒューリステックと利用可能性ヒューリステックについて紹介していきます!
代表性ヒューリステック
代表性ヒューリステックとは、典型的と思われるものを判断基準にして答えを出してしまう特性のことです。
代表性ヒューリステックについては、リンダさんの問題がとても有名です。
リンダさんは31歳の女性。独身で率直な性格で頭が良い。大学では哲学科を専攻していてたが、学生時代から人権や社会正義の問題に熱心に取り組んでおり、戦争反対のデモ活動にも参加していた。
次の選択肢を可能性に低いものから並べてください。
①リンダさんは、グローバル化に反対する活動家
②リンダさんは銀行員
③リンダさんは、銀行員でグローバル化に反対する活動家でもある
この質問を実際にされた人の多くは、②→①→③の順で、可能性が低いと答えたそうです。
ただの銀行員よりも、銀行員であり、グローバル化に反対する活動家でもある方が可能性高いと考えるのは、論理的には間違っています。
銀行員であり、グローバル化に反対する活動家は、銀行員の中に含まれている集団であり、全体的な総数でいえば、当然銀行家の方が多くなります。
数が多いということは、確率から考えて、③よりも②の方が可能性が高くなるはずです。
このように、最初の与えられたリンダさんの経歴を判断基準にしてしまった結果、論理的に間違った答えを出してしまいます。
これが代表性ヒューリステックです。
利用可能性ヒューリステック
利用可能性ヒューリステックとは、思いつきやすいことを判断基準にして答えを出してしまうことです。
こちらも、利用可能性ヒューリステックを実証する実験があります。
どちらの英単語が多いでしょうか?
①Rで始まる英単語
②3文字目がRの英単語
この質問を受けた大半の被験者は①と答えました。
実際には②の3文字目の英単語の方が多く存在しています。
これは、3文字目がRの英単語よりも、1文字目がRの英単語の方がすぐに思いつきやすいため、間違えの選択肢を選んでしまいます。
利用可能性ヒューリステックは主に、メディアの情報に影響されてしまい起こることが多いです。
遠い地域で地震が起こったとしても、地震保険や対策グッズの売り上げが上がったり、直近に飛行機の墜落事故を見てしまうと、飛行機に乗るのは危ないと感じてしまったり(実際には飛行機が墜落する確率は0.0009%と言われている)など、普段目にすることが多い情報に惑わされてしまいます。
今回の内容は以上です!
今回の内容は、ヒューリステックについてでした。
ヒューリステックとは直観で素早く答えを出すことでした。
そして、典型的と思われるものを判断基準にして答えを出してしまう「代表性ヒューリステック」、思いつきやすいことを判断基準にして答えを出してしまう「利用可能性ヒューリステック」について紹介してきました。
ヒューリステックの説明でも紹介した通り、脳は基本的には怠け者です。
楽をしたいので、直観で素早く答えが出そうとします。
その結果、思わなぬところで判断を誤ってしまうことがあります。
今回は、「代表性ヒューリステック」と「利用可能性ヒューリステック」について紹介してきましたが、他にも「サンクコストの過大視」や「アンカリング効果」など、様々な種類があります。
その他のヒューリステックや行動経済学に関することも紹介しているので、よろしければ他の記事も読んでいただけると嬉しいです!
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