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【要約&書評】戦略的暇―人生を変える「新しい休み方」

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今回は、森下彰大さん著の『戦略的暇』を紹介していきます!

皆さんには、常に疲労やストレスを感じる、心配事や不安が絶えないといった悩みはないでしょうか?

本書はそういった方に役立つ1冊です!

常に疲労やストレスを感じていたり、心配事や不安が絶えないのは、脳疲労が原因なのです!

そこで本書では、日本デジタルデトックス協会理事を務められている著者によって、脳疲労を取り除くための休息について解説されています。

この記事では、その本書の中から、現代人の脳は腐っている、戦略的暇とは?デジタルデトックスで脳疲労を癒そうの3つについて紹介していきます!

 

戦略的暇の要約

現代人の脳は腐っている!?

オックスフォード大学出版局は、2024年の流行語が「Brain Rot(脳腐れ)」であると発表したことをご存知でしょうか?

「Brain Rot(脳腐れ)」とは、SNSやインターネットコンテンツの過剰消費によって、引き起こされる精神的・知的な悪影響を指しています。

そして海外では、様々な国で、脳腐れ問題に対応するために、SNSの利用規制などの動きがあります。

日本でも、脳腐れという言葉は一般的に使われているわけではありませんが、多くの人が抱えている問題として、デジタル疲れが指摘されてきました。

現代人は、仕事でも余暇の時間でも、スマホやPCなどのデジタル機器を使い続ける生活を送っています。

実際にみなさんは、自分が1日にどれくらいの時間を、スマホの使用に充てているかを把握しているでしょうか?

スマホやPCの使用時間を計測するアプリである、レスキュー・タイムが、アプリ使用者のユーザー1万1千人を対象に行った調査によると、平日の1日の平均利用時間は、3時間15分という結果が出ました。

さらに、上位20%の使用者の場合は、4時間30分という結果が出ています。

この数字はあくまでも、レスキュー・タイムを利用している人の結果ですので、人によっては、3時間、4時間以上、毎日スマホを使用している人もいると思います。

そして、この数字はスマホの利用時間であり、社会人の場合は、仕事で使用するPCの利用時間も考える必要があります。

人によっては、仕事中はずっとPCを見続けているという方もいると思います。

私も本業の仕事では、ずっとPCを使用しておりますし、本業後にブログ記事の執筆や動画編集をする際には、PCを利用しています。

そのため、私の場合は、多い日でスマホを含めたデジタル機器の使用時間が、1日10~12時間になってしまう日もあります。

仮に1日のデジタル機器の利用時間が、休日も含めて、平均9時間ほどだと仮定すると、1年間で3285時間になります。

これを24時間で割ると、約136日になり、私は1年間のうち3分の1以上をデジタル機器の前で過ごしていることになります。

このように、自分のデジタル機器の使用時間を数値化してみると、「怖いな」「このままで本当に大丈夫なのかな?」と不安を感じました。

おそらく、私と同じように、自分がデジタル機器を使っている時間を可視化することで、不安や心配を感じる方は多くいるのではないかと思います。

ですが、デジタル機器の使用は、長時間だけが問題ではありません。

むしろ、デジタル機器は利用時間の長さよりも、断続的に使うことで、生活そのものがぶつ切りになってしまい、ながら状態になってしまうという問題点があるのです。

おそらく、仕事でもプライベートでも、頻繁にスマホをチェックしている、隙間時間があったら、スマホを触っているという方も多くいると思います。

実際に、アメリカの企業が行った調査によると、寝ている時間をのぞいて、人は平均5分おきにスマホをチェックしているという結果が出ました。

このように、スマホで断続的に情報を処理し続けてしまうと、脳が常に過労状態になってしまいます。

また、仕事だけでなく、余暇の時間まで、常にスマホを含めたデジタル機器に接している人が多く、デジタル疲れにより、さらに脳疲労を増幅させてしまっているのです。

その結果、本来の自分のパフォーマンスを出すことができなくなったり、心身の健康を損なうなど、様々な悪影響があります。

加えて、SNSやスマホの利用時間が長いほど、幸福度が下がるというデータも出ています。

だからこそ、本来の自分のパフォーマンスを発揮できるようになったり、幸せな人生を送るためには、今の常時デジタル機器と接している生活から脱却する必要があり、そのために効果的なのが、戦略的暇なのです。

 

戦略的暇とは?

本書では、戦略的暇とは、日常に良質な暇を取り入れ、現代社会のストレスから一時的に離れる時間を生み出し、人生の質をより良い方向に転換させるエネルギーを養うことであると書かれています。

現代人のデジタル疲れを癒すためには、暇な時間を作り、休息をとる必要があります。

休息といっても、ただベットやソファの上で、ダラダラすることを指しているわけではありません。

また、スマホを使って、SNSをダラダラみることは、休息にはなりません。

SNSやインターネットコンテンツを消費することによって、絶え間なく情報が頭に入ってきてしまいますし、中にはあなたをネガティブな気持ちにさせてしまうものあります。

そのため、余暇の時間にダラダラスマホを見て、横になるのは、身体を休ませているように思えて、実は休息になっておらず、良質な暇にはならないのです。

そこで良質な暇を取り入れるためには、パッシブ・レスト(心身の活動を最小限に抑える)と、アクティブ・レスト(心身の活動を伴う)の2つの種類の休息を活用することが大切です。

まずパッシブ・レストは、睡眠やマッサージ、深呼吸といったように、体や心を完全に休ませる休息です。

一方でアクティブ・レストとは、軽い運動や、読書などの学習、創作活動といった、日常的なルーティンから離れて、気分転換の機会にもなる休息です。

このように、休息とっても、それが指し示す範囲は非常に広く、戦略的暇だからといって、何もせずに、ぼーっとしていようという訳ではないのです。

むしろ、今のあなたの趣味やライフワークも包括して休息として捉えることができるのです。

そして、このパッシブ・レストとアクティブ・レストを日常に取り入れることができれば、良質な暇を得ることができ、心身ともに回復させることができるのです。

これまで多くの技術革新によって、働き方や生活様式がアップデートされてきました。

その結果、以前よりも便利で豊かな生活を送ることができています。

しかし、休み方はどうでしょうか?

以前よりも、より疲れが取れるようになったり、元気が取り戻せるといったように、より良い方向へと休み方をアップデートできているでしょうか?

おそらく、疲れがずっと抜けない、常に頭がぼーっとすると感じる方が多くいるのではないでしょうか?

幸せな人生を送るためには、今こそ戦略的暇によって、休み方をアップデートする必要があるのです。

では最後に、戦略的暇のステップ1として、まず始めるべきであるデジタルデトックスについて紹介していきます。

 

デジタルデドックスで脳疲労を癒そう

デジタルデトックスという言葉を聞いたことがある方は多くいると思います。

もしかしたら、デジタルデトックスというと、全てのデジタル機器から離れて、電波の届かないところで生活をするといったような、ストイックなものを思い浮かべる方もいるかもしれません。

しかし、本書で紹介されているデジタル・デトックスは、そういったデジタル機器を生活から全て排除するといったものではありません。

本書のデジタル・デトックスは、デジタルと共存することを目的としています。

現代人の多くは、スマホに依存しています。

常にスマホが近くにないと不安を感じる、無意識にスマホをいじっているという方が多くいると思います。

もちろん、現代で生きていく上で、スマホを持たないというのは、不便であり、スマホを手放して生活することはできません。

ですが、依存状態が続いては、デジタル疲れからくる、脳疲労を癒すことができません。

だからこそ、デジタル・デトックスによって、デジタルに依存する状態から、共存する状態にすることが大切なのです。

そこで、デジタルと共存するためのデジタル・デトックスには、次の2つのポイントがあります。

 

①一定期間デジタル機器と距離を置くことで、脳疲労など心身にかかわるストレスを軽減し、現実世界でのコミュニケーションや自然とのつながりにフォーカスすること

②デジタル機器利用時には、できるだけ心身への負荷がかからないような使い方をすること

『戦略的暇』より

 

まず一つ目のポイントは、一定期間デジタル機器と距離を置くというものです。

本書のデジタル・デトックスでは、デジタル機器と共存することを目指しています。

依存ではなく、共存をするためには、デジタル機器から離れて休息をとって、脳疲労を軽減することが大切です。

そのためには、例えば、先ほど紹介したパッシブ・レストやアクティブ・レストの時間は、スマホを使わずに、過ごすといったことが効果的になると思います。

私も趣味で始めたテニスや筋トレ中は、スマホを使わないようにして、スマホから離れる時間にしています。

テニスや筋トレといった激しい運動ではなくても、スマホを持たずに、緑豊かな公園を散歩するといったことでも、十分に休息の効果があると思います。

また、仕事の日でも取り入れることができるデジタル・デトックスもあります。

それが、三上にスマホを持ち込まないというものです。

三上とは、昔アイデアが浮かぶ場所とされていた、馬上、枕上(寝室)、厠上(トイレ)の3つを指しています。

この3つの場所は、特定のタスクから離れて、ぼーっとすることができる時間です。

ぼーっとしているといっても、脳は全く働いていないわけではなく、脳内ではデフォルト・モード・ネットワークが活性化します。

デフォルト・モード・ネットワークが活性化すると、脳内では、自分自身のことを考えたり、過去の出来事を思い出す、未来を想像するなどの内省的な活動を活発に行います。

そのため、様々な情報が整理されたり、結びついたりすることで、アイデアが思い浮かびやすくなるのです。

ですが、多くの人はこの三上にスマホを持ち込んでしまっているのではないでしょうか?

馬上は、今でいうと、移動中と捉えることができますが、電車やバスの中では、スマホでゲームをしたり、SNSを見ている人がたくさんいると思います。

またトイレに行くたびに、スマホをいじっている、寝る前にスマホをベットの上でダラダラ見ているなど、今では三上はスマホを持ち込む場所になっており、アイデアが思い浮かぶ場所では無くなってしまっています。

そのため、軽いデジタル・デトックスとして、まずはこの三上にスマホを持ち込まない、またはスマホを使わないようにすることを試してみてください。

続いて2つ目のポイントである、デジタル機器は、できるだけ心身への負荷がかからないような使い方ですが、ここでは情報の栄養バランスに注意していきましょう。

現代人の食生活の問題として、カロリーは十分に足りているのに、ビタミンやミネラルなどの必要な栄養が足りていないという、新型栄養失調が指摘されていますが、本書ではそれと同じことが、情報の消費にも当てはまると書かれています。

私たちは、日々スマホから大量の情報を消費していますが、その情報のバランスが偏っていたり、メンタルヘルスを損なうものばかりを消費してしまっています。

特にSNSでは、アルゴリズムによって、自分が関心を持つと思われる情報が優先的に流れてきます。

私も一時的、政治家の裏金問題や不正について発信されている動画を見ていた時がありましたが、short動画では、それに関連した情報ばかり流れてきました。

中には、正しい情報もあると思いますが、再生回数を伸ばすために、わざと誇張したり、人の怒りを湧き立てるような動画も多くあると思います。

そして、怒りを感じるような情報ばかりが流れてきてしまい、スキマ時間にスマホを触るたびに、イライラを感じていました。

今振り返ると、当時は情報を消費することで、自分のメンタルヘルスを損なってしまっていたんだなと感じます。

おそらく、自分がどんな情報を消費しているのか、あまり意識していないという方もいるかもしれませんが、無意識なままでいると、かつての私のように、気付かぬうちに、自分のメンタルを破壊してしまうようになります。

そのため、自分がどんな情報を消費しているのかについて、もっと意識的になることが大切ですし、なんとなくSNSから情報を消費するのではなく、ちゃんとファクトチェックがされているメディアや信頼性のあるところから、必要な情報をとることも大切です。

本書では、デジタル・デトックスのやり方が、まだまだ解説されていますが、まずは今回紹介した2つのポイントを意識して、デジタル機器から離れる時間を作るようにしてみてください!

 

 

本書では、この記事では紹介しきれていない、戦略的暇のポイントについてまだまだ解説されています。

そのため、常に疲労やストレスを感じる、不安や心配事が絶えないという方は、ぜひ本書を読んでみてください!

 

戦略的暇』の購入はこちらから!

 

ではでは。

 

 

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