今回は、佐藤悠希さんの著の『不毛な時間をゼロにする』を紹介していきます!
皆さんには、気がついたら1時間もダラダラとスマホを見ていた、頑張っているはずなのに残業ばかりといったように、不毛な時間に悩んでいないでしょうか?
本書はそういった方に役立つ1冊です!
本書の著者である、佐藤さんは、アドラー心理学をベースにした組織開発、人材育成で、3万人以上をコーチングして、ムダな行動を改善してきました。
そして、3万人のムダな行動を変えてきたアドラー式問いかけは、上場企業や大手企業でも続々と導入されています。
本書では、そんな著者によって、不毛な時間を生産的な時間に変えるためのアプローチについて解説されています。
この記事では、その本書の中から、不毛な時間は3つの問いでなくなる!不毛な努力をなくす方法、不毛な習慣をなくす方法の3つについて紹介していきます!
不毛な時間をゼロにするの要約
不毛な時間は3つの問いでなくなる!
楽しくない仕事をずっとやっている、常に家族とは喧嘩ばかり、休みの日はスマホをだらだらみて終わってしまうなど、人によってやってしまっている不毛な時間は様々あると思います。
では、なぜこのような不毛な時間が生まれてしまうのか?
本書では、不毛な時間を過ごしてしまうのは、心のズレが原因であると書かれています。
心のズレとは、心のど真ん中で思っていることと、違う生活を送ってしまっている状態です。
そして、不毛な時間は、心のズレに加えて、そこにかけた時間と、情熱の量によって、大きくなっていきます。
単にだらだらしているだけなら、「時間を無駄にしたな〜」と軽い後悔で終わるかもしれません。
しかし、頑張って仕事をしているのに残業ばかり、子供のことを思って言っているのに、子供は全く聞く耳を持ってくれないなど、かけた時間や情熱の量が多いほど、そこに感じる不毛さは大きくなってしまうのです。
そのため本書では、「不毛な時間=費やした時間×心のズレの角度×情熱をかけた量」であると書かれています。
この公式のうち、不毛な時間を産む根本的な原因は、心のズレの角度です。
心のズレがなくなれば、時間をかけた分だけ、情熱を注いだ分だけ、良い結果が生まれ、不毛な時間を生産的な時間に変えることができるのです。
では、心のズレを取り除くためにはどうすれば良いのか?
本書では、次の3つの問いかけを自分に問うことで、心のズレを解消することができると書かれています。
①主体性を問う
②未来を問う
③多様性を問う
『不毛な時間をゼロにする』より
この3つの問いかけを自分に問うことで、主人公としての解像度を高めることができます。
アドラー心理学では、誰もがその人生の主人公という大原則があり、人間は誰しも本能的に、自分で生き方を決めたいという欲求を持っていると考えられています。
そのため、自分で自分の人生や行動を決めることができる、自己決定性を持っているかどうかで、自分を豊かにできるかどうかが決まるのです。
そして、主人公としての解像度が高く、主体的に行動が選べる人は、不毛な時間を過ごすことがなく、生産的な時間を過ごすことができるのです。
ですが、不毛な時間を多く過ごしてしまっている人は、「仕事は楽しくないけど、自分がどんな仕事をしたいのかわかっていない」といったように、主人公としての解像度が低い状態になってしまっているのではないでしょうか?
それでは、いつまで経っても不毛な時間を減らすことができません。
そのため、3つの問いかけによって、主人公としての解像度を高め、自己決定性を取り戻すことが大切なのです。
そこで、続いては、この3つの問いかけををするための、具体的な質問について紹介していきます。
まずは主体性を問う質問ですが、次の3つが代表的なものとして挙げられます。
「本当はどうしたいのか?」→意思を引き出す
「どうしたらできそう?」→選択肢を引き出す
「そのためには何ができる?」→実際の行動を促す
『不毛な時間をゼロにする』より
状況や抱えている問題は様々あると思います。
ですが、一度全ての制約を取っ払って、この3つの質問について考えてみてください。
そうすることで、あなたが心のど真ん中で思っている、やりたいことを考えることができます。
そして、続いて未来を問うには、次の3つの質問を考えてみてください。
「どうだったら最高?」→理想像を引き出す
「⚪︎年後、どうなりたいか?」→目標を定める
「10点満点の状態は?」→より具体的な未来を描く
『不毛な時間をゼロにする』より
最初は、なかなか答えが浮かばないかもしれません。
ですが、考えていくうちに、徐々にどんな未来が自分にとって理想なのかが見えてきます。
そして、私たちの脳には空白の法則というものがあります。
例えば、次の計算式を見てください。
2×5=□
おそらく、頭の中では、2×5は10だなと、ほぼ無意識に考えていたと思います。
計算式を見てくださいと言っただけで、勝手に頭の中で計算をしてしまうのは、何か欠けているところがあったら、そこを埋めたくなってしまうという習性が人間の脳にはあるからです。
そのため、未来の問いかけによって、自分の理想の未来を考えることができると、現状との空白を認識することができ、それを埋めるための行動を自然と取ることができるようになるのです。
最後に多様性を問うためには、次の3つの質問を自分に問いかけていきましょう。
「どうしてそう思ったの?」→背景を引き出す
「何が大事なの?」→価値観を引き出す
「それは何のため?」→目的を引き出す
『不毛な時間をゼロにする』
この3つの質問によって、多様性を問うことで、自分と相手の価値観を尊重できるようになります。
お互いに自分の価値観を押し付けあってしまうと、人間関係は悪くなってしまい、言い争いが増え、不毛な時間が増えてしまいます。
そこで、多様性を問うことによって、相手も相手の人生の主人公であるという考えを持つことができ、他人への無用な争いや、過度な期待が減ります。
そして最終的には、自分の行動に意識を集中させることができるようになるのです。
以上が、3つの問いかけをするための質問です。
不毛な時間を無くしたいという方は、ぜひこの3つの問いかけを自分にしてみてください!
不毛な努力をなくす方法
頑張っているのに成果が出ない、真面目に仕事をしているのに仕事が終わらないと言ったように、努力しているのに報われないという悩みを持っている方も多いと思います。
このような、頑張っているのに成果がでない、仕事が終わらないというのは、不毛な努力をやってしまっていることが原因です。
そして、不毛な努力とは、やってる感から生まれます。
やってる感とは、それらしい理由や大義名分はあるけれど、目標に近づいているかどうか不明なタスクをこなすことです。
特に仕事が終わらない人は、人から仕事を頼まれると、「相手に申し訳ないから断れない」という気持ちから、自分のキャパを超えているのに、仕事を引き受け続けてしまっていないでしょうか?
また、あまり重要ではない資料に時間をかけたり、セミナーや講座を受けるだけで満足するといったように、時間対効果を無視して、自己満足で終わってしまっていないでしょうか?
こういったやってる感が出るタスクは、自分は行動しているという安心感を持つことができます。
ですが、安心感が持てるだけで、自分にとって本当に意味のあるものや、成果に直結することに時間と労力を割くことができていないので、いくら頑張っても、望むような成果をえることができないのです。
では、やってる感を無くして、本当にやる必要のある努力を見極めるためには、どうすれば良いのか?
まずは、未来を問いかけていきます。
自分自身に、「どうなったら最高か?」を問いかけて、短期(1日〜1ヶ月)、中期(3ヶ月〜1年)、長期(3年〜10年)の期間で、自分のやりたいことやタスクを書き出していきます。
そして、次にノートに3つの大きな円をかき、will, can, mustと書き込んでいきます。
willは、やりたいことで、自分がモチベーション高く取り組めることです。
Canは、できることで、自分の能力や経験があればやれることです。
最後にmustは、仕事や家庭などでどうしてもやらなくてはいけないことです。
この3つの円を書いたら、先ほど書き出した、自分のやりたいことやタスクがどこにあたるのか、配置していきます。
このうち、willとcanが重なる範囲(mustが重なる範囲も含め)は、あなたが積極的にやった方がいい領域になります。
そして、canと重ならないwillの領域は、自分の能力をさらに磨いてできるようにするか、できる人に協力をお願いした方がいい領域です。
最後にそれ以外の領域は、本当に自分がやるべきか再検討する必要がある領域です。
特にmustにしか被っていないタスクは、不毛な時間になる可能性が高いため、最優先で自分がやるべきか検討する必要があります。
中には、毎回出席しているけどよくわからない会議、誰も読んでいない報告書など、仕事だからやっているけど、実際には意味のないものもあると思います。
また家庭では、食器洗いや掃除など、やらないといけないけど、何も生まないものもあると思います。
そういったものは不毛な時間になってしまうため、そもそもやらないと決断したり、他に任せるということが大切です。
不毛な努力をなくすためにも、ぜひこの3つの円から、本当に自分がやるべきことは何かを考えて見てください。
不毛な習慣をなくす方法
少しだけみるはずだったのに、1時間近くYouTubeを見てしまった、ダイエットしているのに、スイーツを食べてしまったなど、やめたいのにやめられないことはないでしょうか?
このように、やめたいのにやめられない習慣は、1つ1つは軽いものかもしれませんが、それが積み重なると、大きな不毛な時間になってしまいます。
では、なぜやめたいのにやめられないのか?
本書は、その理由は、他人軸が強すぎるからであると書かれています。
自分の人生を生きるためには、自分軸を持つことが大切です。
しかし、自分軸を持って生きている人は、自分だけでなく、みんな同じです。
スマホのアプリの作成者、YouTuberやブログ記事の作成者なども、自分軸を持っており、ユーザーにもっと見てもらおうと魅力的なコンテンツを生み出しているのです。
アプリの作成者はYouTuberにとっての自分軸は、ユーザー側からしたら、他人軸です。
しかし、そういったコンテンツはとても魅力的であり、ついついハマってしまいます。
では、他人軸から、自分軸を持って生きるためには、どうすればいいのか?
自分軸とは、価値観(何を大切にしたいのか?)+目的(どうありたいのか?)の2つの要素で構成されています。
そのため、この2つの要素を考えることで、自分軸の解像度を高くすることができるのです。
この2つの要素を考える上で注意が必要なのが、他者からの評価や反応を自分軸と思い込んでしまわないようにすることです。
いくら、他人から喜んでもらったり、役に立つことが目的だったとしても、他人の反応をコントロールすることはできません。
コントロールできないものを自分軸にしてしまうと、見返りを求めてしまったり、他人任せになってしまいます。
そして、「頑張ったのに相手に喜んでもらえないかった」と、不毛な時間を過ごす羽目になってしまうのです。
そのため、自分軸を考える際には、自分の行動を主体に考えることが大切です。
私の場合、「クオリティの動画を作るために、時間を確保したい。だから、仕事終わりにYouTubeを見ることをやめる」のように考えました。
これを、「高評価がたくさんもらえる動画を作るため」としてしまうと、頑張って動画を作っても、高評価がもらえなかった時に、「頑張って動画を作ったのに報われなかった、、、」と、動画作成の時間が不毛な時間になってしまいます。
そのため、やめたい習慣や、始めたい習慣がある時には、自分の行動を主体に、何を大切にしたいのかという価値観と、どうありたいのかという目的を考えるようにしてみてください。
本書では、この記事では紹介しきれていない、不毛な時間をゼロにするための方法が、まだまだ紹介されています。
今回紹介したトピック以外にも、不毛な人間関係や会話をなくす方法も書かれていますので、興味のある方は、ぜひ本書を読んでみてください!
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ではでは。