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行動経済学

現状維持バイアスとは?自分の考えが行動に移せない理由。

更新日:

 

現状維持バイアスは、行動経済学で使われる専門用語です。

何か新しいことを始めようと思っていも、なかなか行動に移せない。

今の環境を変えたいと思っているが、一歩踏み出すことができない。

このような経験をしたことはないでしょうか?

実は、人がなかなか行動できない理由は、現状維持バイアスが働いているからなんです!

というわけで今回は、現状維持バイアスについて例を使って解説していきます!

私のYouTubeチャンネルでは、「現状維持バイアス」について、アニメーションを使った解説動画を挙げています!

よろしければ、こちらもご覧ください!

現状維持バイアスとは?

 

現状維持バイアスとは、「今を高く評価してしまい、現状を変えることができない」ことです。

先ほども紹介した通り、この現状維持バイアスが働いくことで、新しいことを始めたり、転職をなかなか進められないといったことが起きてしまいます。

これから、現状維持バイアスに関する実験、原因、事例、抜け出し方について紹介していきます!

 

現状維持バイアスに関する実験

 

現状維持バイアスを実証する実験があります。

この実験では、被験者を2つのグループに分けました。

2つのグループに、それぞれ次のような質問をしました。

 

①あなたは今、安いが基本的な機能が備わっているスマホを持っている。値段は高いが、多くの機能が備わっているスマホに買い換えますか?

②あなたは今、高いが多くの機能が備わっているスマホを持っている。基本的な機能しか備わっていないが、安いスマホに買い換えますか?

 

多くの回答は、買い換えない、つまり現状を維持するというものでした。

確かに、私はiPhoneを使い始めてから、特に理由もなく、ずっとiPhoneを使い続けております。

iPhoneよりも安くて良いスマホはたくさんあるはずなのに、なぜか買い換えるときは、自然とiPhoneを選んでいます。

また、格安simは経済的に良いと言われているので、ずっと乗り換えようと思っているのですが、これもなかなか行動に移せていません。

他により良い選択肢があったとしても、結局、不自由していないから今のままでいいやという現状維持バイアスが働いている思います笑

 

現状維持バイアスが働く理由

 

なぜ現状維持バイアスが働いてしまうのか?

現状維持バイアスが働くのは、人には損失をひどく嫌う傾向があるからです。

人が損失をひどく嫌う傾向のことを損失回避性と呼びます。

プロスペクト理論の解説記事でも紹介しましたが、人は何かを得る喜びよりも、何かを失う苦痛の方が2倍大きく感じると言われています。

そのため、現状を変えることで得られるメリットよりも、現状を変えることで失うデメリットの方を大きく感じてしまい、現状を変えないという結果に至ってしまいます。

 

 

現状維持バイアスの事例

転職活動

これまでも挙げている通り、転職したいけど行動に移せないのも、現状維持バイアスが働いていることが原因です。

転職をすることで、今よりも労働環境がよくなったり、給料が上がったりする可能性があります。

しかし、転職をすることで失ってしまう、今の職場での地位や人間関係のことを大きく評価してしまい、転職活動が進められなくなってしまいます。

 

副業

最近は、副業が大きな話題となっております。

副業をOKとしている会社が増えてきていることで、副業を始めたという方は多くいらっしゃるのではないでしょうか?

その反面、副業をやってみようかなと考えているが、なかなか行動に移すことができていないという方も多いと思います。

ここにも、現状維持バイアスが働いている可能性があります。

副業をすることで、将来的により大きな収入を得ることができるかもしれません。

しかし、副業をするとなると、勤務時間外でやらなければいけないため、自分が自由に使える時間が減ってしまいます。

また、ブログなど、初期費用や維持費がかかったりする場合もあります。

副業をして得られるメリットよりも、副業をすることで発生するデメリットを大きく評価してしまい、副業を始められなくなってしまいます。

 

恋愛

現状維持バイアスは恋愛にも働きます。

今付き合っている人と別れようと思っているけど、なかなか別れを切り出すことが出来ないという経験があったり、今まさにその状態だという方はいらっしゃると思います。

これも、今の恋人と別れることで失ってしまうことを大きく評価してしまうことで、なかなか行動に移すことが出来なくなってしまいます。

 

 

現状維持バイアスを克服する方法

 

現状維持バイアスにかかっていないか考えてみる!

現状維持バイアスから逃れるための、一番簡単な方法が「今の自分が現状維持バイアスにかかっていないか?」を考えることだと思います。

現状維持バイアスを含め、行動経済学で提唱されている理論は、人間の思考や選択の癖です。

その人間の思考や選択の癖は、普段、我々が意識していないところで起きています。

だからこそ、まずは現所維持バイアスの存在を知り、自分が行動できていない原因に、現状維持バイアスが関わっていないかを意識的に考えることが大切です。

 

現状が招く最悪のシナリオを考える!

先ほど、現状維持バイアスが起こる原因は、「人には損失をひどく嫌う傾向があるから」だと紹介しました。

それならば、現状が続くことが招く最悪のシナリオを考えることも、現状維持バイアスから逃れるために有効な手段となります。

今転職しないと、給料がなかなか上がらないまま40歳になって、リストラされるなど、とにかく最悪のシナリオを考えます。

最悪なシナリオが考えられれば、それを避けるための行動を取るために、現状を変えることが出来るようになります。

人には損失をひどく嫌う傾向があることを逆手に取ることで、現状維持バイアスから逃れることが出来ます。

 

第3者の意見を参考にする!

第3者の意見を参考にすることも、現状維持バイアスから逃れるためには効果的です。

第3者の客観的な意見を取り入れることで、無意識のうちに起こってしまう思考や選択の癖にハマらなくて済むため、現状維持バイアスから抜け出すことが出来ます。

 

 

今回の内容は以上です!

現状維持バイアスとは、現状を大きく評価してしまい、現状を変えたくないと感じてしまうことでした。

現状維持バイアスが起こってしまう原因は、「人には損失をひどく嫌う傾向がある」ことにありました。

現状維持バイアスから抜け出すための方法には、①現状維持バイアスにかかっていないか冷静に考えてみる②現状が招く最悪のシナリオを招く③第3者意見を参考にするの3つがありました。

この記事を作成するにあたって参考にした書籍を下に載せているので、行動経済学についてもっと学びたい!という方は、ぜひ参考にしてみて下さい!

 

・経済は感情で動く

・行動経済学の使い方

・今日から使える行動経済学

 

 

上記以外の本にも、私が実際に読んだ行動経済学の本をまとめて紹介しています!

よろしければ、こちらも参考にして下さい!

 

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