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行動経済学

【行動経済学】ナッジとは?具体例を使ってわかりやすく解説!

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皆さんは、「ナッジ」という言葉を聞いたとこはありますか?

「ナッジ」は、リチャード・セイラーなどの行動経済学者がノーベル経済学賞を受賞したことによって、注目されるようになってきました。

皆さんが気づいていないかもしれませんが、「ナッジ」はあらゆる場面で使われています。

というわけで今回は、「ナッジ」について、具体例や実例を使って分かりやすく紹介していきます!

この記事の内容をもとに、アニメーションを使った解説動画をYouTubeで挙げています!

よろしければこちらもご覧ください!


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ナッジとは?

 

私たちの意思決定には、様々な癖があり、合理的ではない選択をしてしまうことがあります。

ナッジとは、我々の意思決定の癖を生かして、選択の自由を残しつつも、より良い選択へと誘導することです。

ナッジとは、英語で「軽く肘をつつく」という意味を持っています。

ナッジは、ノーベル経済学賞を受賞したリチャード・セイラーとサンスティーンが、2008年に提案した考え方です。

リチャード・セイラーは、ナッジについて次のように定義しています。

 

「選択を禁じることも、経済的なインセンティブを大きく変えることもなく、人々の行動を予測可能な形で変える選択アーキテクチャーのあらゆる要素を意味する。」

 

人々の行動を変えるためには、法律を新たに作って、罰則を設けるなど、人々の選択の自由を奪う方法がありますが、ナッジでは、あくまでも選択の自由を残しつつも、より良い選択ができるように誘導することがポイントです。

例えば、人々の食生活を改善するために、食堂などで、野菜や果物を目の高さに配置して、野菜や果物を食べることを促進することはナッジですが、ジャンクフードなどの健康に悪い食べ物を排除することは、ナッジではありません。

また、ナッジは人々をより良い選択へと誘導することが目的であって、ナッジを使う側の私利私欲のために使われるものではありません。

使用する側の私利私欲のために使うことは、ナッジではなくスラッジと呼ばれます。

スラッジとは、英語でヘドロを意味します。

 

ナッジには、様々なパターンがあります。

次に、このナッジのパターンについて代表的なものを紹介していきます!

 

ナッジの主なパターン

選択肢を分かりやすくする

選択肢が多すぎると、人間は選択すること自体を辞めてしまう傾向があります。

そのため、選択肢はなるべく分かりやすくすることで、迷うことが少なくなるため、行動を促進することができます。

身近なところでいうと、スーパーのお惣菜に「店長オススメ」のようなシールが貼ってあったり、Amazonに、オススメの商品が表示されるなどが例に挙げられます。

 

初期設定を工夫する

選んで欲しい選択肢を初期設定にすることもナッジではよく使われています。

それは、人間は最初の設定から変更することをめんどくさがる傾向があるからです。

例えば、新しくスマホを買ったときに、最初から色んなアプリが入っていると思います。

中には、使わないアプリもたくさんあるはずです。

しかし、最初から入っているアプリを消していますでしょうか?

わざわざアプリを消すのがめんどくさいという理由で、ずっと放置しているアプリも多いはずです。

この後の具体例のところでも紹介する臓器提供の意思表示にも、初期設定を使ったナッジが使われています。

 

フィードバック

行動を起こした人に対して、その内容についてのフィードバックを返すこともナッジでは使われています。

フィードバックを使ったナッジは、省エネを促す実験で使われました。

この実験は、日本で行われたもので、北陸電力の管内2万世帯に対して、「家庭エネルギー報告書」というフィードバックを送ったというものでした。

「家庭エネルギー報告書」には、他の過程がどの程度、省エネに取り組んでいるかについて書かれていました。

その結果、1ヵ月で0.9%、2か月で1.2%の省エネに成功することができました。

これは、約240世帯の電力消費が削減されたことと同程度の削減です。

日本以外にも、アメリカの電力会社が行ったものでも、同様に省エネ効果が見られました。

 

 

報酬

ある行動をとった後に、報酬を与えることで、さらに行動を促すことができます。

最近では、運動をした際のカロリー消費を出してくれるスマホアプリがあります。

運動した後に、どれくらいカロリー消費ができているかを数値化して知ることで、さらに運動をする意欲を掻き立てることができます。

 

ナッジの具体例

男子トイレに張られたハエのシール

男子トイレに、ハエなどのシールが貼ってあるのを見たことはないでしょうか?

これもナッジです。

トイレをしているときに、注意散漫になってしまい、便器が汚れてしまうという問題がありました。

しかし、トイレにハエなどのシールを貼ることで、的があったら狙いたくなるという人間の特性を活かすことができ、トイレが汚れにくくなったそうです。

 

思わず昇りたくなる階段!

 

こちらの画像は、ストックホルムの地下鉄駅で行われた、階段をピアノにする実験です!

この実験は、人々に体を動かしてもらうために、エレベーターではなく、階段を使ってもらうとしたものでした。

階段をピアノの鍵盤のようにデザインして、階段を上り下りするたびに、スピーカーからピアノの音が出てくる仕掛けになっています。

階段を上り下りする、めんどくさい行為を楽しい行為に変えたことで、階段を利用する人が66%も増加したそうです。

 

臓器提供の意思表示

皆さんは、臓器提供の意思は記入しているでしょうか?

日本人の中で、臓器提供の意思を記入しているのは、内閣府の調査によると、12.7%程だそうです。

しかし、臓器提供をしたいと考えている割合は、41.9%いるそうです。

臓器提供をしたいと考えている人は多いのに、実際に臓器提供の意思を記入している人が少ないのは、臓器を提供しないが最初の設定になっていることが原因です。

フランスやオーストリアなどの国では、「臓器を提供する」が最初の設定になっています。

そのおかげもあり、臓器提供に同意する割合は、100%に近い数字になっています。

人間には、現状を変えたくないと思ってしまう傾向があるため、最初から「臓器を提供しない」という設定だと、「臓器を提供する」に変更する人は少なくなってしまいます。

そこで、最初から「臓器を提供する」という設定にしておくことで、「臓器を提供しない」という選択を与えつつも、臓器提供に同意する人を劇的に増やすことができています。

これはナッジの種類のところで紹介した、「初期設定を工夫する」を使ったナッジです。

 

税金(イギリス)

イギリスでは、税金の滞納が社会問題となっていました。

そこで、ナッジを活用した督促文を使って、実験が行われました。

この実験では、次の5つの督促文が使われました。

 

①10人中9人が税金を期限内に支払っています。(通常バージョン)

②イギリスでは、10人中9人が税金を期限内に支払っています。

③イギリスでは、10人中9人は税金を期限に支払っています。あなたは、まだ納税していないので、非常に少数派の人になります。

④税金を支払うことは、国民健康保険や道路、学校など、必須の社会的サービスから便益を受けることを意味します。

⑤税金を支払わないと、国民が国民健康保険や道路、学校などの必須の社会的サービスを失うことを意味します。

 

その結果、③のあなたが小数派であることを強調した督促文が、最も納税率を上げることができました。

これは、人間には、他人との違いに敏感になる傾向を使ったナッジです。

 

 

今回の内容は以上です。

まず、ナッジとは「我々の意思決定の癖を生かして、選択の自由を残しつつも、より良い選択へと誘導すること」でした。

ナッジには、様々な種類があり、個人レベルから政府レベルまで、あらゆるところで使われていました。

ナッジや行動経済学についてもっと詳しく知りたい!という方は、以下に参考書籍を紹介しておりますので、よろしければチェックしてみて下さい!

 

・実践 行動経済学

・行動経済学の使い方

・スゴい!行動経済学

・今日から使える行動経済学

 

 

ではでは。

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