今回は山田悟さん著の『糖質疲労』を紹介してきます。
皆さんには、食後に強烈な眠気やだるさがあって、仕事に集中できない、パフォーマンスが下がってしまうという悩みはないでしょうか?
本書はそういった方に役立つ1冊です。
本書の著者である山田さんは、糖尿病専門医としてご活躍されており、糖質制限食を取り入れて、糖尿量治療を行っています。
本書ではそんな著者によって、食後の眠気を引き起こす糖質疲労について書かれています。
この記事では、本書の中から糖質疲労とは何か、実は間違っている食事法、糖質疲労を防ぐための食事法について紹介していきます!
糖質疲労の要約
糖質疲労とは?
糖質疲労は、食後高血糖および血糖値スパイクによって、食後に眠い、だるい、すぐに小腹が減る、集中力がもたない、イライラするといった症状です。
おそらく職場などでランチを食べたあとは、眠くて集中できない、パフォーマンスが下がってしまうという方が多くいると思いますが、それは糖質疲労が原因です。
まず食後高血糖とは、名前の通り食後の血糖値が高いことです。
食後の血糖値の正常値は140mg/dl未満ですので、食後に血糖値がこれ以上上がってしまうと、食後高血糖になってしまいます。
さらに食後高血糖は、遅れて分泌されるインスリンの影響で、血糖値が急激に下がってしまうことに繋がります。
この食後に血糖値が急激に上がって、急激に下がることが血糖値スパイクと呼ばれていますが、これにより食後に糖質疲労が起こってしまいます。
その結果、食後に眠くなったり、だるくなってしまい、午後からのパフォーマンスが上がらなくなってしまうのです。
もしかしたら、食後に眠くなってしまうのはしょうがないことだと考える方もいるかもしれません。
しかし、この糖質疲労は放っておくと、仕事でのパフォーマンスの低下だけでなく、糖尿病やがん、心臓病などさまざまな病気を引き起こしてしまうのです。
そのため、日々のパフォーマンスを改善するだけでなく、健康寿命を伸ばすためにも、食べ方を変えて、糖質疲労を改善することが大切なのです。
朝食にフルーツは食べるな!
健康のために朝にフルーツを食べたり、スムージを飲んだりしている方は多くいらっしゃると思います。
フルーツにはビタミンや食物繊維など栄養が豊富に含まれており、健康にいいイメージがあるかもしれません。
しかし、実はフルーツは食後高血糖と血糖値スパイクを招いてしまうため、朝食にフルーツを食べることはおすすめできません。
フルーツには、果糖をはじめとする糖質が多く含まれています。
この果糖は、体内で中性脂肪に変わり、肥満や脂肪肝を引き起こしやすくします。
さらに血糖値を下げるホルモン・インスリンの働きを弱めてしまうのです。
フルーツは食後の血糖値をあげにくい低GI食品だと、よく言われていますが、これは食べた直後の血糖値測定では、果糖ではなく、血中のブドウ糖の濃度が測られているからです。
そのため、フルーツを食べても、それほど血糖値は上昇しませんが、これは短期的な話です。
食べ続けることで、脂質異常症や脂肪肝、高血糖につながってしまいます。
また果糖はタンパク質と結合する糖化反応を起こしやすく、心臓病などさまざまな健康上の問題を引き起こす可能性があることが指摘されています。
特に朝はバイオリズムの影響で、血糖値が急激に上昇しやすい時間帯です。
そのため、朝にフルーツを食べることは避けるべきであり、朝はなるべく糖質を控えて、タンパク質と脂質を十分に摂取することが大切です。
朝食にタンパク質と脂質を十分に摂取することで、その後一日中、血糖値が上がりにくくなり、消費エネルギーが増えるという効果があり、糖質疲労を防ぐことができます。
ランチはサラダチキンよりも唐揚げマヨネーズ!
タンパク質をとるために、昼はコンビニでサラダチキンを買って食べているという方もいると思います。
私も出社がメインの仕事だった時は、毎回昼はセブンのサラダチキンを食べていました。
確かにサラダチキンを食べることで、手軽にタンパク質をとることができます。
しかしサラダチキンには欠点があります。
それは、脂質が足りていないということです。
タンパク質をとることは大切ですが、タンパク質をとっても、エネルギーが十分に取れていないと、食べたタンパク質が破壊されてエネルギー供給に回されてしまい、筋肉や内臓の新陳代謝に利用することができなくなってしまいます。
またタンパク質と脂質には、それぞれ独立した仕組みで、食後高血糖を予防したり是正する力があります。
そのため、サラダチキンだけだと、食後高血糖を予防する力がタンパク質だけになてしまい、脂質の分が力不足になってしまいます。
そのため、ランチにサラダチキンを食べることは不十分なのです。
そこで、ランチはサラダチキンだけ食べるよりも唐揚げマヨネーズを食べましょう!
実はマヨネーズを加えることで、血糖値が劇的に上がりにくくなるのです!
実際に日本人を対象にした研究でも、食事にマヨネーズを加えることで、血糖値が上がりにくくなることがわかっています。
マヨネーズを加えることで油脂を摂取することができます。
この油脂がGIP(血糖依存性インスリン分泌刺激ペプチド)の分泌を増やすことができます。
GIPは脂質やタンパク質を摂取することで分泌される、GLP-1と合わせて、インクレチンホルモンと呼ばれており、このホルモンはインスリンの分泌を高めつつ、低血糖を起こしません。
そのため、食後の糖質疲労を防ぐことができるのです。
もしかしたら中には、ダイエットをしているから脂質や脂は避けたいという方もいるかもしれません。
しかし、脂質を控えると一日の消費カロリーが300kcalも減少してしまうという研究結果がでています。
さらに脂質とタンパク質をしっかりと摂取することで満腹感を作るホルモンの数値が高く、そして長く分泌されます。
そのため、ダイエットをしている人にこそ、タンパク質に加えて、脂質もしっかりととることがおすすめです!
糖質疲労を改善する7つのルール
本書では糖質疲労を防ぐための食べ方として、ロカボを推奨しています。
ロカボとはローカーボハイドレートからの造語で、緩やかな糖質制限を目指す食事法です。
本書で紹介されているロカボな食べ方には、次の7つのルールがあります。
①一日にとる糖質の量は70〜130g以内(1食20〜40g×3回+間食で10g)
②お腹がいっぱいになるまで食べる
③カロリーは気にしない
④タンパク質、脂質、食物繊維をしっかりとる
⑤糖質とタンパク質、脂質のバランスも気にしない
⑥糖質ぬきにしてストイックになるのはNG
⑦早食いをせず、カーボラストでとる
『糖質疲労』より
おそらくこれまでダイエットに失敗したことがある人の多くが、糖質を完全にカットしたことがあると思います。
糖質を控えることは大切ですが、いきなり完全にゼロにしてしまうと、続けることが辛く、リバウンドにつながってしまいます。
そのため、ロカボな食べ方では、糖質はゼロにするのではなく、70~130g以内に収めることを目標にします。
糖質の量を控えて、タンパク質と脂質がしっかりと摂れているのであれば、カロリーを気にする必要はありませんし、お腹いっぱいになるまで食べてもいいのです。
また糖質疲労を解消するためには、食べる順番に気をつけることも大切です。
食べる順番には、ご飯とおかずと汁物を順番に食べる三角たべや、野菜を最初に食べるベジファーストなどがありますが、糖質疲労を解消するためには、糖質を最後に食べるカーボラストが効果的です。
ご飯やパンなどの糖質を食べるのは、早くても一口目をたべてから20分後がおすすめです。
タンパク質や脂質を摂ることでインクレチンというホルモンが分泌され、血糖値の上昇を抑制してくれます。
このインクレチンは食事をはじめてから20~30分後に分泌が始まるため、糖質を食べるのは、早くてもたべはじめてから20分後がよく、早食いは避けるべきなのです。
これまで、食後に眠気やだるさを感じていたという方は、ぜひ今回紹介した7つのルールに沿って、食事を摂ってみてください!
本書では、この記事では紹介しきれていない糖質疲労について、また糖質疲労を防ぐための食事法が書かれています。
そのため、自分は糖質疲労によってパフォーマンスが下がってしまっているかもしれないと感じる方や、食後にくる眠気やだるさを解消したいという方は、ぜひ本書を読んでみてください!
『糖質疲労』の購入はこちらから!
ではでは。