今回は、辻秀一さん著の『機嫌がいいというのは最強のビジネススキル』を紹介していきます。
皆さんは、日々イライラしたり、心が乱れて仕事に集中てきない、パフォーマンスが上がらないといった悩みはないでしょうか?
本書はそういった方に役立つ1冊です。
心の状態や機嫌は、私たちのパフォーマンスに大きな影響を与えます。
機嫌がいいと、仕事に集中できたり、普段よりも速いスピードで仕事をこなすことができます。
逆に機嫌が悪いと、仕事とは関係のないことにとらわれてしまい、仕事のパフォーマンスが落ちたり、人間関係を悪化させてしまいます。
そのため、ビジネスにおいて、機嫌をマネジメントすることは、とても大切なことなのです。
そこで本書では、スポーツDr.、産業医としてご活躍されている著者によって、機嫌をマネジメントする方法が解説されています。
この記事では、その本書の中から、なぜ機嫌が悪くなるのか、偽のご機嫌に要注意、機嫌をマネジメントする方法の3つを紹介していきます!
「機嫌がいい」というのは最強のビジネススキルの要約
なぜ機嫌が悪くなるのか?
本書では、機嫌が悪い状態とは、何かに揺らぎ、何かに囚われている状態であると書かれています。
家族と喧嘩をした、仕事でうまくいかなかったなど、何か要因となるものがあり、それに影響されて、イライラしたり、心が乱れることで、機嫌が悪くなるのです。
その結果、人間関係が悪くなる、仕事に集中できなくなる、毎日を楽しめなくなるといったことにつながってしまいます。
では、私たちはなぜ機嫌が悪くなってしまうのか?
それは私たちの認知脳が暴走状態になってしまうからです。
動物は、生きるためだけに何をするのかを考えますが、人間の脳機能は優れており、生きる以上のために何をするのかを考えます。
そして、私たちは結果のために行動を選択しているのです。
例えば、多くの人が毎朝目覚ましが鳴るようにアラームをセットしていると思います。
これは、明日の仕事に遅れないようにするという結果を手に入れるための行動です。
他にも、仕事で頑張るのは、昇進するという結果を手に入れるため、お金を手に入れるという結果を手に入れるためだと思います。
このように、私たちの脳は、生きる以上の結果のために、行動を選択しているのです。
そして私たちの脳は、結果を手に入れるために何をしなければいけないのかを決定するために、環境、出来事、他人の3つの外界の情報を仕入れて、認知しています。
さらに、最近はスマホなどの登場により、情報化社会と言われるほど、日々大量の情報を浴びながら、私たちは生きています。
そのため、結果を出すために外界から情報を仕入れながら、一方では四六時中、大量の情報を取り入れている状態になってしまい、認知脳のキャパを超えてしまいます。
その結果、認知脳が暴走状態になってしまい、自分の心を無くしたマインドレスな状態になり、不機嫌になってしまうのです。
もちろん、大量な情報を取り入れることが認知脳の暴走を引き起こしてしまうのであれば、スマホの使用頻度を減らすなど、意図的に情報をシャットアウトすることで対策できます。
しかし、私たちの認知脳は、外界の環境、出来事、他人の情報だけではなく、過去や未来にまで情報を探しに行ってしまいます。
それは、自分の行動の内容のレベルを上げて、より高い結果を得ようとするからです。
過去を振り返り、未来の計画を立てることは、より高い結果を得るためには、効果的な方法だと思います。
ですが、過去や未来にまで情報を探しに行ってしまうと、「あのときこうしていればよかった」など、変えられない過去でクヨクヨ悩んでしまったり、「これが起こったらどうしよう」と、わからない未来に不安を抱えるようになってしまいます。
そういったことを考えてしまうと、ますます認知脳がフル活動してしまい、認知脳の暴走につながってしまいます。
その結果、不機嫌になってしまい、最悪はうつ病などの病気につながってしまいます。
そこで不機嫌な状態から抜け出すためには、外界からの情報をマネジメントするよりも、自分自身をマネジメントする必要があります。
自分自身をマネジメントするためには、認知脳ではなく、非認知脳を使う必要があります。
非認知脳を使って、セルフマネジメントをする方法は、後ほど本書をもとに紹介していきます。
続いては、多くの人が機嫌を良くするためにやっているけど、実は効果がないことについて紹介していきます。
偽のご機嫌に要注意!
皆さんは、お酒を飲む、甘いものを食べるなど、自分の機嫌を良くするための方法を持っていると思います。
そのため、中には自分はお酒を飲んだり、甘いものを食べることで、ご機嫌になれるから、機嫌をマネジメントできるていると考える方もいるかもしれません。
しかし、本書では、それらは偽のご機嫌であると書かれています。
私たちは、認知脳と非認知脳を使って生きています。
認知脳とは、先ほども紹介したように、結果のためにどんな行動をするか決定するために、外界から情報を集める働きをしています。
一方で非認知脳は、心の状態や機嫌、自分を大事にできているかなど、内側について考える働きをしています。
縦軸を認知脳、横軸を非認知脳にして、4現象に分類したときに、まず多くの人は左上に当てはまると思います。
これは認知的な脳しか使わずに生きており、結果を得るために、自分が辛くても、気合いや根性で乗り切ろうとする状態です。
もちろん結果は手に入れることができるかもしれませんが、心は不機嫌な状態になってしまいます。
結果が出ているうちはいいかもしれませんが、結果が出なくなってしまったり、不機嫌によってパフォーマンスが落ちてしまうと、徐々に下に落ちていってしまいます。
その結果、認知脳も非認知脳もダメな状態になってしまう、左下に下がってしまうのです。
一方で、ビールを飲んだり、甘いものを食べるといった行為は、右下の位置に分類されます。
結果は出ていないけど、機嫌はいいという状態です。
この状態は、いわば結果から逃げて、機嫌を保っている状態であり、偽のご機嫌なのです。
本書で書かれている機嫌がいい状態とは、認知脳を最大限働かせて、やるべきことにコミットしつつ、非認知脳を働かせて、質や機嫌、心も大切にしているということです。
そのため、この4現象でいうところの、右上にあたります。
もちろん、無理に結果を求めずに、機嫌のいい生き方をするのもありです。
しかし、本書に興味を持っている方の多くは、仕事の結果にも結びつけたいと考えている方だと思います。
そのためには、認知脳も非認知脳も働かせている、右上の状態を目指していきましょう。
では、最後に非認知脳を働かせて、自分の機嫌をマネジメントする方法を紹介していきます。
機嫌をマネジメントする方法
本書では、機嫌をマネジメントする方法がいくつか紹介されていますが、この記事では、まず最初に取り組むべきことを紹介していきます。
自分の機嫌をマネジメントするためには、まずは自分の心の状態に気づく必要があります。
そして、自分の心の状態に気づくためには、感情にアクセスしていきましょう。
皆さんは、普段どれほど自分の感情に気づくことができているでしょうか?
もしかしたら、自分の感情なんてほとんど考えたことがなかった、意識していなかったという方も多くいるかもしれません。
特にそういった方には、自分の感情にアクセスすることを試してほしいです。
自分の感情にアクセスすることで、外界ではなく、自分の内側に目を向けることができます。
さらに、ネガティブな感情が起こることを防ぐことはできませんが、ネガティブな感情に気づくことで、それを軽減させることができるのです。
逆にポジティブな感情に気づくことで、それを増加させることができます。
そのため、自分の機嫌をマネジメントするためには、まずは自分の感情にアクセスして、心の状態に気づくことが大切なのです。
そこで、自分の感情に気づくためには、まずは人にはどんな感情があるのかを考えて、リストアップしていきましょう。
嬉しい、不安など様々出てくると思いますが、ここでは50個を目標にリストアップしていきます。
そして、感情のリストアップが終わったら、実際に自分の中にどんな感情が生まれているのかを考える習慣を作っていきましょう。
朝、昼、晩と三回に分けて記録していってもいいですし、忙しい方は寝る前などにまとめてやってもいいと思います。
自分の中にどんな感情が生まれたのかを書き出して、それぞれ機嫌がいい状態なのか、機嫌が悪い状態なのかに分類していきましょう。
ここで重要なのが、機嫌が悪い状態が多いからといって、ダメだったと評価しないことです。
自分の感情にアクセスする目的は、自分を評価することではなく、自分の感情に気づくことなのです。
このように、自分が日々感じている感情について考えてみることで、非認知脳を働かせることができるようになるのです。
そのため、自分の機嫌をマネジメントできるようになりたいという方は、ぜひ自分の日々の感情にアクセスするところから始めてみてください!
本書では、この動画では紹介しきれていない、機嫌をマネジメントする方法が、まだまだ紹介されています。
そのため、これまで認知脳ばかり使っていたなという方や、機嫌をよくして、仕事のパフォーマンスを上げたいという方は、ぜひ本書を読んでみてください!
『機嫌がいいというのは最強のビジネススキル』はこちらから!
ではでは。