今回は、アリ・ウィッテン氏、アレックス・リーフ氏著の『回復人 体中の細胞が疲れにつよくなる』を紹介していきます!
皆さんには、ここ最近疲れが抜けなくてつらい、毎晩よく眠れずにしんどいといった悩みはないでしょうか?
本書はそういった方に役立つ1冊です。
本書は発売後、すぐに全米アマゾン3部門で1位を獲得し、世界的に話題となった1冊です。
この記事では本書の中から疲労の原因はミトコンドリアにあるということと、ミトコンドリアの劣化を防ぐ方法を紹介していきます!
回復人の要約
疲労の原因はミトコンドリアにある!
人間の体がもつ数億個の細胞には、ほぼ全てに500個から2000個のミトコンドリが含まれています。
そして、ミトコンドリアは私たちが吸い込んだ空気や食べたものを利用して、ATPという細胞が働くために必要なエネルギーを作り上げているのです。
このミトコンドリアが正常に働かないと、私たちの細胞はエネルギー不足になってしまうのです。
そのため、疲労とは人間の筋肉や臓器など、体を作り上げる細胞の中にあるミトコンドリアが細胞が必要なエネルギーを作り出せていない状態なのです。
実際の研究でも、慢性疲労に悩む人や、疲労を伴いことが多い病気を患う人は、ミトコンドリの機能不全に陥ってしまっていることが確認させています。
ということは、機能不全に陥ってしまったミトコンドリアを回復させることができれば、疲労もなくすことができるということです。
では、そもそもミトコンドリアはなぜ十分なエネルギーを作り出せなくなってしまうのか?
それはミトコンドリアの第2の働きが関連しています。
実はミトコンドリアには、細胞が働くためのエネルギーを作り出すことに加えて、ストレスのセンサーとして働き、細胞を守っているのです。
そして、ミトコンドリアは残念ながらエネルギー産生と細胞を守ることを同時に行うことができません。
そのため、もしミトコンドリアがストレスを検知したら、ミトコンドリアは細胞を守ることに徹します。
その結果、エネルギーを作ることができず、細胞が活動するのに必要なエネルギーが足りなくなってしまうのです。
ミトコンドリアを機能不全にしてしまうストレスは、炎症、酸化ストレス、細胞破壊の3つに集約されます。
この3つのストレスは、不健康な食事や乱れた生活リズム、体脂肪過多など、様々な要因によって起こります。
疲労を改善するためには、それらのストレス要因を取り除き、ミトコンドリアに、もう安全だからエネルギーの産生をオンにして大丈夫だと思わせればいいのです。
本書では、そのための方法が数多く解説されています。
この記事では、ミトコンドリアに大きく影響を与える概日リズムと睡眠について紹介していきます。
ミトコンドリアの劣化を防ぐ方法
概日リズムとは、わかりやすくいうと体内時計です。
この体内時計には、脳の体内時計と体の体内時計の2種類があります。
この2つの体内時計は、光、気温、運動、食事などの外的要因によって、セットされます。
そして人間の体は、日の出とともに目覚め、日没とともに眠るように設計されています。
そのため、日が出ているうちに食事を食べて、暗くなったら食事をやめて、寝るというのが、元々の体の設計なのです。
ですが実際には人間の体の元々の設計通りに生活できているという人は、少ないのではないかと思います。
夜になったら電気をつけて、テレビを見たり、ゲームをしたり、人によってはパソコンで仕事をする人もいます。
また夜遅くにご飯を食べたり、夜中に夜食を食べる人もいると思います。
当然、そういった生活は元の設計とはかけ離れたものですので、脳と体の体内時計はズレていってしまいます。
こうして概日リズムが崩れてしまうと、睡眠の質も低下してしまいます。
そして、概日リズムの乱れと睡眠の質の低下によって、ミトコンドリアが劣化してしまい、疲労を招いてしまうのです。
また睡眠の質が悪いとマイトファジーの減少にもつながります。
マイトファジーとは、損傷を受けて正常に働かなくなったミトコンドリアを排除して、健康で丈夫なミトコンドリアから新しいミトコンドリアを再生するものです。
マイトファジーは睡眠中に起こるため、十分な睡眠がとれないと、損傷したミトコンドリアが溜まってしまい、次の日も正常に働かなくなったミトコンドリアで活動することになってしまいます。
それが長い間続くと、慢性的なエネルギー不足になってしまい、慢性的な疲労に繋がってしまうのです。
では概日リズムを整え、睡眠の質を上げるためにどうすればいいのか?
本書では、様々な方法が紹介されておりますが、この記事では食事について紹介していきます。
食事は何を食べるかも大切ですが、概日リズムを整えるためには、何を食べるか以上にいつ食べるかを考えることが大切です。
具体的には、次の4つのポイントがあります。
①食事の時間枠を決める
②食事を摂る時間を決める(夜のカロリーを減らす)
③1日のうち早い時間にカロリーを多めに摂る
④食事に一貫性をもたせる(同じパターンで食べる)
『回復人』より
それぞれのポイントについて紹介していきます。
まずは①食事の時間枠を決めるです。
食事はなるべく短い時間枠に限定して、夜の間に長めの絶食時間をとるようにしましょう。
朝、昼、夜の全ての食事を6〜10時間の枠内でとることで、概日リズムを整えることができます。
もし10時間の枠内に収めることが難しい場合は、最初は12時間以内におさめることから始めてみてください。
とにかく、ダラダラと長い時間食べ続けないことが大切です。
朝起きてから寝る直前まで食事をしていると、脳と体の体内時計が連絡を取り続けることになるため、脳の体内時計がまだ体が起きている必要があるという信号を受け取ってしまいます。
その結果、夜になっても眠れなくなってしまい、概日リズムが崩れてしまうのです。
続いて2つ目のポイントが②食事を摂る時間を決める(夜のカロリーを減らす)です。
皆さんは、1日の食事の中で夕食に1番多くカロリーを摂ってしまっていないでしょうか?
実は夜にとるカロリー量が多いと、エネルギーレベルを下げてしまう原因になってしまうのです。
この理由については、かなり専門的な内容なのでここでは省きますが、食べる時間が遅ければ遅いほど、脳と体の体内時計のズレに繋がってしまいます。
またマウスに肥満につながる食事を与えても、昼間の活動時間にのみ限定すれば、脂肪増加や概日リズムの乱れは起きなかったという研究結果も出ています。
そのため概日リズムを整えるためには、夕食にとるカロリーを減らすことが大切です。
続いて3つ目のポイントが、③1日のうち早い時間にカロリーを多めに摂るです。
食事の大部分を朝と昼にとることで、健全な代謝活動が進み、代謝活動が向上することで、エネルギーレベルを上げることができます。
ある研究では、1日3回均等にカロリーを摂取するよりも、朝食と昼食にしっかり食べてカロリーを摂取する方が、脂肪の酸化が大幅に進み、食欲も減ることがわかっています。
さらに、1日の早い時間に多く食事を摂取することで、体は毎朝起きた時に自然とエネルギーが高まる準備をするようになります。
その結果、概日リズムを整えることができるのです。
では最後のポイントが④食事に一貫性をもたせる(同じパターンで食べる)です。
私たちの概日リズムは、この先起こることを予測して動きます。
食事の時間を予測して、それに合わせて代謝反応やホルモンの調整をしているのです。
そのため、毎日食べる時間がバラバラだと、概日リズムが乱れてしまうのです。
もちろん日によっては、仕事が忙しかったりして、毎日同じ時間に食事をとるのが難しい場合もあると思います。
それでも、概日リズムを整えるために、なるべく同じ時間に食事を取れるように、スケジュールを考えてみてください。
この記事では、概日リズムを整えるために、どうやって食事をとるのかということについて紹介してきました。
これまで紹介した通り、いつ食事をとるのかがとても大切ですが、もちろん何を食べるのかも概日リズムを整えるためには大切です。
特に、昼食と夕食にタンパク質を摂ることで、睡眠の質を上げることができるので、たんぱく質が多く取れる食事を積極的に摂るようにしてみてください。
そのほかにも、概日リズムを整えるために何を食べるべきか、何を避けるべきかについて、本書では詳しく解説されていますので、ぜひ参考にしてみてください!
本書では、この記事では紹介しきれていない、疲労を改善して、エネルギーアップさせるための方法がまだまだ紹介されています。
そのため、ここ最近ずっと疲れが抜けなくてしんどいという方は、ぜひ本書を読んでみてください!
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ではでは。