今回は、榊巻亮さん著の『世界で一番やさしい考え方の教科書』を紹介していきます!
皆さんは、仕事などで「もっとよく考えてこい!」と言われてしまったことはないでしょうか?
また「もっとよく考えてこい!」と言われたけど、具体的にどうすればいいか分からないと悩んでしまうことはないでしょうか?
それもそのはずです。
学校では考え方なんて教えてくれませんし、社会に出ても考え方を教えてくれる人は、ごく稀です。
ですが、ビジネスでは学校のテストのように、100パーセント合っている解答が用意されているわけではありません。
そのため、考える力が必要になるのです!
そこで本書では、考え方の極意について、わかりやすく解説してくれています!
この記事では、本書で紹介されている考え方の循環サイクルと、循環サイクルの各ステップの大切なポイントを紹介していきます!
世界で一番やさしい考え方の教科書の要約
考え方の循環サイクル
皆さんは、考えるとは、どういうことか説明できるでしょうか?
考えるとはどういうことなのか、言葉にして説明することは難しいですよね。
そこで本書では、考えるとは、認知する→思考する→行動する乗り出しながらサイクルで回っていると書かれています。
まず認知するとは、思考するために事象を正確に捉えることです。
起こっていることが正確に把握できなければ、いくら思考したところで、良いアイデアは思い浮かべません。
思考では、認知した情報をもとに、問いをたて、その答えを考えていきます。
行動では、思考が止まった時に、それを打破するためのステップです。
思考を続けていると煮詰まってしまうことがあります。
その時に、いくら考え続けていたとしても、脳が疲れており、良いアイデアが思い浮かびません。
それでは、ただ時間を無駄にしてしまいます。
そこで行動することによって、止まった思考を動かします。
おそらく、多くの人は考えるというと、真ん中の思考することを指していると考えると思います。
しかし、考えるという行為は、思考するという単発の活動ではなく、認知→思考→行動のサイクルを循環させていくものなのです。
そして、優秀な人ほど、このサイクルを回しています。
そのため、いくら「もっと考えてこい」と注意されたからといって、思考の部分ばかり頑張っていても効果は薄いです。
そこで、循環のサイクルを回していく必要があります。
それでは、続いてはこの思考の循環サイクルについて、それぞれのステップごとに重要なことを紹介していきます。
認知する
認知するでは、思考のために事象を把握していきます。
とはいえ、なんとなく相手の話を聞くだけではダメです。
そこで認知では、言葉、状況、意図の3つを軸に状況を捉えていきます。
言葉の認知では、単語、文章を捉えていきます。
まず単語は、あやふやな単語や抽象的な単語が表している意味を考えます。
コミュニケーションという単語一つをとっても、直接話すことを指しているのか、メールやチャットなど間接的な方法も含まれているのかなど、使う人によって意味が変わってきます。
そういった、人によって捉え方が異なりそうな単語の意味を確認して、正しく認識を擦り合していきましょう。
続いて文章です。
私たちは、聞こえてきたワードによって、勝手に相手の意見を決めつけてしまうことがあります。
例えば、あなたの発表した計画案に対して、上司から「この計画は達成するまでに時間がかかりそうだな」と言われた場合、あなたは、上司があなたの計画に反対していると感じてしまうと思います。
しかし、時間がかかることは懸念しているが、計画には賛成していることもあるわけです。
このように、聞こえてきたワードから勝手に自己解釈をしてしまうと、相手との認識にずれが生じてしまいます。
そのため、相手が言ったことを文章として捉えて理解することが大切です。
そこで本書では、一言一句、発言されたことをそのまま書く「ありのまま議事録」という方法がオススメされています。
相手の言ったことを全て文字にして、眺めることによって、勝手に自己解釈をしてしまうことを防ぐことができます。
言葉の認知の次は、状況の認知です。
状況の認知では、相手が話していることを疑似体験できるくらい、状況や情景をイメージしていきましょう。
状況を認知するためのコツとして、本書では主語と目的語を明らかにする、事実と思いを切り分けるという方法が紹介されています。
特に日本語では、主語と目的語が省略されやすいです。
省略されてしまっているということは、相手との認識がズレてしまう可能性があります。
そのため、主語と目的語を明確にしていきましょう。
また、事実と思いを切り分けることも大切です。
先輩から、上司が計画に賛成してくれたか?と聞かれたとします。
事実と思いを切り分けることができていないと、上司は反対しているようですと答えてしまいます。
実際に上司は反対だと一言も言っていないのに、反対している気がしてしまい、事実ではないことを答えてしまうのです。
そのため、事実と思いを切り分けることで正確に状況を把握することができるようになります。
最後に意図の認知です。
相手の言葉や状況を認知したとしても、相手が何を言おうとしているのか、何を考えているのかを理解できていなければ意味がありません。
そこで、意図を認知するためには、自分の言葉で確認していきましょう。
「あなたが言っていることは、こういうことですよね?」と、自分なりの言葉で相手に確認することによって、相手の意図を確認することができます。
そして、意図を確認する上で大切なのが、自分の主張を一旦忘れるということです。
自分の主張が入ってしまうと、相手の意図を正確に把握することはできません。
そのため、まずは自分の主張を忘れ、相手の意図を理解することに徹しましょう。
言葉、状況、意図の認知を意識することによって、何となく話を聞く段階から抜け出すことができます。
正しく認知できているか意識しながら話を聞いていると、正しく認知するために、自然と質問が出てくるからです。
そして認知したことが、この後の思考にいきていきます。
では続いては、その思考するについて紹介していきます。
思考する
思考するは、次の4つのステップで進んでいきます。
①問いを書き出す
②考えるべきことに順番をつける
③問いに対する答えを出す
④具体的には?なぜ?で思考を深める
『世界で一番やさしい考え方の教科書』より
皆さんは、なんとなく考え始めていないでしょうか?
何について考えるべきか整理しておかないと、あれも考えなきゃ、これも考えなきゃと、色んなことが頭に浮かんできてしまいます。
そして、思考がまとまらないまま、ただ時間だけが過ぎてしまいます。
そのため、まずは問いを書き出す、そして考えるべきことに順番をつけて整理していくことが大切です。
この2つのステップを行うだけでも、頭の中がスッキリして、目の前の問いに集中することができるようになります。
そして、ステップ3では問いに対する答えを出していきます。
ここでは、頭に浮かんできたことを、そのまま紙に書き出していきましょう。
ここで大切なのは、いきなり100点を目指さないことです。
いきなり100点を取ろうとすると、思考が固まってしまいます。
そのため、最初は20点でも良いから、どんどん答えを出していくことが大切です。
とにかく書き出していくことで、だんだんと答えが見えてくるようになります。
最後のステップでは、書き出したものに対して、具体的には?となぜ?を使って、考えを深めていきます。
まず具体的には?という問いは、思考の解像度を上げる時に使います。
例えば私が、youtubeの登録者数を増やすための問いに対して、動画の本数を増やすという答えを書き出したとします。
そこで、具体的には?と問うことで、水曜日と土曜日に動画を投稿する、動画を作るために、月曜日と木曜日までに、1冊ずつ本を読み終える、火曜日と金曜日にナレーションを録音するのように、具体的な方法を考えることができます。
続いて、なぜ?は論理を通す時に使います。
なぜ動画の本数を増やす必要があるのか?を考えることで、動画の再生数が伸び、新しい登録者が獲得できるのように、考えを深めることができます。
このように、4つのステップを踏んで思考することで、問いに対する答えを見つけることができます。
行動する
思考するのステップを実践すると、思いのほか時間がかかってしまうことがあると思います。
これは、あなたの考える速度が遅いことが原因ではありません。
思考に時間がかかってしまうのは、悩んでいる時間が長いことが原因なのです。
本書では、この時間を思考の足踏みと表現しています。
では、この思考の足踏みを突破するためには、どうすれば良いのか?
本書では、次の3つの方法が紹介されています。
①話す
②集める
③休む
1つ目の方法は話すです。
皆さんも、友達や親に悩み事を相談しているうちに、解決法が浮かんできたということ経験はないでしょうか?
誰かに話すことで、思考が整理されたり、自分の考えを言語化することによって、新たな発見をすることができます。
2つ目は集めるです。
集めるとは、その名の通り情報収集です。
ネットで調べたり、本を読んだり、先輩に聞くなど色んな方法があります。
しかし、むやみやたらに情報を集めたら良いわけではありません。
情報収集する前に、あなたは何に詰まっていて思考が停止してしまっているのかを明確にする必要があります。
そのためには、前の思考のステップをしっかりやることが大切です。
思考のステップがぐだぐだなままでは、自分が何を解決しようとしていて、何をする必要があるのかが見えてこないからです。
そのため、思考のステップをしっかりと行なった上で、情報収集を行なっていきましょう。
最後は、休むです。
散歩をしたり、家事をしたりなど、一旦思考することから離れてみましょう。
脳の体力は長時間は続きません。
そのため、何も考えずにぼーっとする時間を作ってあげましょう。
私たちがぼーっとしている間、脳はデフォルトモードネットワークが活発に働きます。
デフォルトモードネットワークは、脳のスタンバイ状態であり、過去の経験や記憶を整理したり、統合したりしています。
何も考えない時間を作ることによって、勝手に脳が整理されていくのです。
そのため、休んでから思考に戻ると、ふといいアイデアが浮かんできます。
思考につまった時は、ぜひ今回紹介した、話す、集める、休むを実践してみてください!
世界で一番やさしい考え方の教科書を読んだ感想
本書を読んで、今ままで私は考えていなかったんだなと痛感しました。
思い返してみると、考える時は思考のパートのことばかり意識してしまい、認知すると行動するを実践できていませんでした。
それでは、不完全な情報で、なんとなく考えているだけです。
そのため、本書を読むことによって、正しい考え方を身につけることができましたし、仕事への向き合い方も変えることができました。
正しく考えることができると、仕事でもこうしたらいいんじゃないか、ああしたらいいんじゃないかと、自分で考えながら仕事が進められている感覚があり、以前よりも仕事を楽しめている感触があります。
これまで、考え方について学んでこなかったという方や、仕事で通用する考え方を身につけたいと思っている方は、ぜひ本書を読んでみてください!
ではでは。