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要約&書評

【要約&書評】お金のむこうに人がいる~経済を考えるのに専門用語はいりません!~

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皆さんは、経済について考えたことはありますか?

税金や年金、GDPなど、経済に関することについて考えたり、テレビの番組を観たり、記事を読んだりしたことが、誰しもあると思います。

しかし、経済について考えると、専門用語や難しい計算式が出てきてしまい経済に対する興味がなくなってしまっていないでしょうか?

私達が暮らしている社会は、様々な経済問題を抱えています。

先ほど挙げた、税金や年金もその中の一つです。

しかし、そんな社会で生きている私達が経済に興味を失ってしまってしまうのは、かなり深刻な問題なのではないでしょうか?

私達に関わる問題なのに、皆が経済に対する興味がなく、解決を他人に任せっきりでは、良い方向には進みません。

とはいえ、経済の話は簡単ではありません。

むしろ、眠くなるような専門用語や計算式が出てきます。

そこで今回紹介する、『お金の向こうに人がいる』が専門知識も難しい計算式もなしに、あなた自身で経済が考えられるようにしてくれます!

本書は、元ゴールドマンサックスの金利トレーダーであった田内学さんが書かれた、経済の入門書です。

早速結論ですが、本書では、経済を考えるときは「誰が働いて、誰が幸せになるのか」を考えることで本質を見抜くことが出来ると書かれています!

しかし、この説明だけでは抽象的で分かりづらいと思いますので、なぜ経済を考えるときは、「誰が働いて、誰が幸せになるのか」を考える必要があるのかについて紹介していきます!

 

Youtubeでは、アニメーションを使った解説動画を挙げています!

よろしければ、こちらもご覧ください!!


お金の向こうに人がいるの要約

 

あなたが消費しているのはお金ではなく、誰かの労働

突然ですが、ピラミッドを建設するのに、どれくらいの費用がかかったと思いますか?

参考として、新国立競技場の建設には、1250億円かかっています。

ということは、ピラミッドはそれ以上の費用でしょうか?

答えは、0円なんです!

実際に、ピラミッドを現代で、同じ規模、同じ工法で作ろうとすると、約4兆円もかかるそうです。

しかし、当時の人達は、現代の新国立競技場の時とは違って、ピラミッドを建設するときに、予算の確保をする必要はなかったんです。

そもそも、当時は貨幣もなく、金をもらっても働く人は誰もいませんでした。

そこでエジプトの王は、お金を使って働かせたのではなく、王の莫大な権力によって、多くの労働者を確保して、ピラミッドを作りました。

モノを作るためには、お金ではなく、労働を確保する必要があります。

話を現代に戻すと、私達はお金を使った生活をしています。

100~200円出せば、自動販売機でもコンビニでも飲み物を簡単に手に入れることが出来ます。

しかし、単純にお金が飲み物に代わっているわけではありません!

その裏には、必ず誰かが労働をしています。

その飲み物を作るための工場で働いている人、飲み物を運ぶ人、飲み物を売っている店員さんなど、様々な人の労働が存在しています。

モノを作るのには労働が必要なのは分かったが、原料を買うのにはお金が必要なのでは?と思われるかもしれません。

しかし本書では、「原価」は存在しないと書かれています。

本書では、食べ放題を例に解説されています。

皆さんは、食べ放題に行くときに「必ず元を取る!」と意気込んでいるでしょうか?

私はよく、しゃぶ葉というお店でしゃぶしゃぶの食べ放題を食べるのですが、毎回元を取ろうとして、食べ過ぎて後悔してしまいます(笑)

おそろく、私と同じような経験をしたことがある方は、多くいらっしゃるのではないでしょうか?

そのような方には、悲報ですが、食べ放題で元を取ることは不可能なんです。

確かに、一皿分の金額から、何皿食べれば、元が取れるという計算をすることが出来ます。

しかし、それはレストラン目線での金額です。

レストランに肉が届くまでには、その肉を卸した肉屋さん、肉屋の仕入れ先ではある食肉工場、原料となる子牛を育てている農家、肉を運ぶ運送業者など、多くの労働が裏側には存在しています。

そして、子牛は誰かによって作られたものではなく、自然界によって生み出されたものです。

そのため、原価は0円なんです。

原価0円ということは、食べ放題で元を取ることは出来ません(笑)

では、なぜあなたがレストランでお肉を食べる時には、お金がかかるのでしょうか?

それは、労働に対しての人件費や利益が、原価0円の子牛に加算されていくからです!

ここには、牛を運ぶためにかかるガソリン代、工場で使われる設備や電気代などのコストもかかっています。

しかし、ガソリンや設備も細かくたどっていくと、ガソリンや設備の原料となる鉄鉱石など、自然界が生み出した原価0円の原料に行きつきます。

このように、あなたが食べている100g500円のお肉をたどると、原価0円の自然資源と500円の人件費と利益にたどりつきます。

ここで大切なのが、「すべてのモノは労働によって作られる」ということです。

お金によってモノが作られているわけではありません!

だからこそ、経済を考える時には「誰が働いて」を考えることが大切なんです!

ということは、それを買っている私達は、お金ではなく、労働を使ってモノを手に入れていると考えることが出来ます。

そのように考えると、本書のタイトルでもある、お金の向こうに人がいるという意味が分かってくると思います。

 

モノの効用が、誰かを幸せにする

①100g500円のお肉と、②100g5000円のお肉の、どちらが美味しいでしょうか?

②の方が10倍もするのだから美味しいに決まっている!と思われるかもしれません。

しかし、答えは人によるです(笑)

人によって、①の肉の方が美味しいと感じる人もいれば、②の方が美味しいと感じる人もいます。

このように、価値を決めるのはあなたであるため、効用は人によって異なります。

この効用は目に見える形で表すことが出来ません。

そこで価格というモノサシで、とりあえず代用しています。

しかし、この価格が効用とイコールになっていると錯覚してしまってはいないでしょうか?

先ほどのお肉の問題のように、価値を決めるのはあなたなのに、値段が高い方が効用も高い気がしてきてしまいます。

本書に載っていることですが、1本、1000円のワインと10万円のワインについて、あるソムリエが次のように言っています。

 

「1本10万円のワインは、いいワインです。いいところを100個も200個も持っています。1本1000円のワインも、いいワインです。1個か2個はいいところがあります。1000円のワインが美味しいと感じる人は、味が分からない人ではありません。その逆です。たった1個か2個しかない、いいところに気づくことが出来る幸せな人です。いいワインかどうかは、あなたが決めればいいのです。」

『お金の向こうに人がいる』より

 

1000円のワインの価値は、モノサシで代用された1000円ではありません。

あなたを幸せにする効用なんです!

ほとんどの方が、お金をもらって働いています。

モノを作ったり、サービスを提供したりしながら働いています。

そして、あなたが作ったモノやサービスによって、誰かが幸せになっています。

単に労働=お金ではなく、お金の向こうには人がいて、幸せになっている人が必ず存在しています。

幸せの度合いは、価格によって変わるのではなく、その人によって変わります。

そのため、経済を考えるときは、単にモノの値段を考えるのではなく、誰が幸せになっているのかを考える必要があるのです!

 

ここまで、全てのモノは労働によって作られている、モノの効用が、誰かを幸せにすることについて紹介してきました。

では、まとめとして、この2つのポイントをもとに「誰が働いて、誰が幸せになるのか」を考えることが、なぜ大切なのかについて紹介していきます!

 

お金中心の経済学から人中心の経済学へ

本書では、私達は異なる2つの軸から経済を眺めていると書かれています。

その2つの軸とは、空間軸と時間軸です!

先ほど紹介した経済の眺め方は、社会の中には誰かが働いていて、誰かを幸せにしているという空間軸でした。

そして、もう一方の時間軸とは、私達がこれまでしてきた経済の眺め方です。

あなたが、大学または高校で勉強することが出来たのは誰のおかげでしょうか?

多くの方は、両親や保護者が真っ先に浮かんだと思います。

両親が働いてお金を稼ぎ、貯金してくれたからこそ、高校、大学に進学して勉強することが出来たと思います。

それに対して、空間的な見方をすると、あなたが高校、大学で勉強することが出来たのは、教えてくれる先生や、学校の事務員の方、バスの運転手など、皆が働いてくれるから、あなたが勉強できていたと考えることが出来ます。

あなたが幸せになっている、豊かになっているのは、その裏で誰かが働いてくれているからだというように、人を中心に経済を捉えることが出来ます。

社会はあなたの財布の外に広がっています。

皆が財布の中ばかりに目が行ってしまうと、あなたを幸せにしてくれている他人の存在に気づくことが出来ません。

他人の存在に気づくことが出来ず、自分のことだけを考えるようになってしまうと、社会全体で支え合うことが出来ず、最終的には皆が困ってしまいます。

だからこそ、経済を考えるときは、財布の中ではなく、財布の外に広がる社会、「誰が働いて、誰が幸せになるのか」を考えることが大切なんです!

そのためには、お金中心の経済学から人中心の経済学へ移行していく必要があります。

本書では、人中心の経済学の見方から、なぜ日本は大量の借金をしていても潰れないのか、年金問題についてなど、日本の問題として取り上げられる話題について書かれています。

この記事では、「誰が働いて、誰が幸せになるのか」をもとに、オリンピック・パラリンピックのために 1500億円かけて立て直された新国立競技場について考えていきます!

 

新国立競技場は損なのか?

「1500億円も払って、税金の無駄遣いだ!」「新国立競技場を作るために税金を納めてるんじゃない!」と、怒りを持っている方もいると思います。

私もニュースで見たときは、「ふざけんな」って思いました(笑)

しかし、これはお金中心の経済学の見方なんです。

新国立競技場を立て直すために1500億円を国が借金する→借金を返すために、将来1500億円分の増税が必要になる。→将来の私達の負担になる

このように、新国立競技場に怒っている人の多くが、お金中心の経済学で経済を眺めていると思います。

そこで、「誰が働いて、誰が幸せになるのか」を考えていきましょう!

まず、政府が借金した1500億円は、日本から消えるわけではありません。

その1500億円は、新国立競技場の工事に関連する、あらゆる会社や従業員、工事現場に配達されるお弁当を作っている会社、さらに、そのお弁当の材料を作っている農家の人といったように、お金はどんどん移動していきます。

さらにたどっていくと、工事現場で働いている人が貰った給料から買い物をすれば、そのお店にお金が移動します。

日本が借金をした結果、日本にいる人が働いている以上、日本から消えるわけではなく、私達のところに巡り巡って移動しているのです。

またオリンピックが開催されたことによって、テレビでオリンピックを楽しんだという方も多くいると思います。

全ての人が楽しめたというわけではないと思いますが、確実に幸せになった人の存在があります。

もちろん、政府が借金1500億円は、将来の私達に税金という形で負担になります。

しかし、同時に政府から移動している1500億円も、将来の私達に受け継がれているのです。

さらに、将来の私達は新国立競技場を使い続けることが出来ます。

将来の私達からすると、昔の国民のおかげで新国立競技場を使うことができ、その効用分、得していると考えることが出来ます。

このように、「誰が働いて、誰が幸せになるのか」という、人中心の経済学で眺めてみると、考え方がガラリと変わりませんか?

人中心の経済学で日本の借金を眺めると、なぜ日本が潰れないのかも見えてきます。

その理由については、本書で分かりやすく解説されていますので、興味のある方はぜひ読んでみて下さい!

 

 

お金の向こうに人がいるを読んだ感想

 

本書は、冒頭でも紹介しましたが、本当に専門用語や計算式を知らなくても、経済のことが考えられる本でした。

数学が苦手な私にとっては、とてもありがたい1冊です(笑)

専門用語や計算式を知らなくても経済のことが考えることを可能にしているのが、この記事でも度々書いている「誰が働いて、誰が幸せになるのか」を考えること、人を中心として経済を考えることです。

経済というと、どうしてもお金のことばかりに目が行ってしまい、最終的には自分の年収や貯金といった、自分の世界に行きついてしまいます。

本書でも書いてある通り、皆が自分のことしか考えられなくなってしまっては、皆で支え合うことが出来なくなってしまい、最終的に困るのは自分たちだと思います。

本書では、そういったことにならないように、またこれまで経済に対して興味がなかった人が興味を持てるように、視点を広げてくれる本だと思います。

経済について全く学んだことがなく、数学にも疎い私でも、「なるほど!」と声に出しながら最後まで読むことが出来ました!

そして、経済について、もっと考えたいと思うようになりました!

そのため、本書は誰でも最後まで読み通せて、経済に興味を持てる本だと思います。

興味のある方は、ぜひ『お金のむこうに人がいる』を読んでみて下さい!

 

ではでは。

 

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