自分の生きたい人生が送れていないと感じる
毎日、不安やストレスを感じてつらい
このような経験や悩みはないでしょうか?
コロナ禍による自粛やリモートワークにより、自分と向き合う時間が増えた方もいらっしゃると思います。
その時に、自分と向き合ったが、結局「人生の目的」が分からない、人生の目的を探すための本を読んだが、なんかパッとしないということはなかったでしょうか?
人生の目的が見つからず、モヤモヤする。この先、どうすればいいのか不安。ネガティブなことばかり考えてしまう。
そういった方は、モンク(僧侶)に習ってみて下さい!
モンクは、心を鍛えて平穏と落ち着きを手に入れ、人生の目的を見つけるプロです。
とはいえ、いきなり修業をするというのは無理な話ですよね(笑)
そこで今回紹介する、「モンク思考: 自分に集中する技術」が、あなたの心を落ち着かせ、本当になりたい自分を見つけるための方法を教えてくれます!
本書は、著者のジェイ・シェティ氏が、僧侶になるための修業を重ねた経験をもとに、自分に集中することで自分の価値観を見極め、「本当の自分」を見つけるための実践的テクニックが書かれています!
Youtubeでは、アニメーションを使った解説動画を挙げています!
よろしければ、こちらもご覧ください!!
モンク思考の要約
モンク思考とは?
皆さんは、今の現状に不満があるでしょうか?
おそらく、ほとんどの人が「今よりもお金があれば」「もっと権力があったら」など、何かしらの不満を持っていると思います。
しかし残念ながら、お金や名声など、現代人が追いかけている多くのものは、私達を満たしてくれません。
それどころか、さらなる欲望を生み、新たな不満へとつながる悪循環が生まれます。
そして、現代人の多くが、モンキーマインドに陥っています。
モンキーマインドとは、脳が雑念で入り乱れているカオスな状態です。
皆さんにも、悩みや不安が頭から離れず、色んなことを考えてしまい、仕事や作業に集中できなかったという経験があると思います。
過去や未来のことばかりが頭に浮かんでしまい、今に集中できていない状態です。
そこで、モンキーマインドをモンクマインドに変える必要があります!
モンキーマインドとモンクマインドの違いについて、本書では次のように書かれています。
モンキーマインド | モンクマインド |
ものごとの枝葉末節にとらわれている | ものごとの根っこの部分を見据えている |
人生という車の助手席に乗っていて自分で運転していない | 意図と自覚をもって生きている |
愚痴をこぼす、比較する、批判する | 優しくて思いやりがあり、協力的 |
こまごまとしたことに気を取られている | 整然としている |
目先の満足を重視する | 先々の利益を考える |
ネガティブな感情や恐怖を増幅させる | ネガティブな感情や恐怖を分析する |
マルチタスキング | シングルタスキング |
快楽を求める | 意味を求める |
一時的にしのげれば良しとする | 根本的な解決策を探す |
『モンク思考』より
モンクマインドでは、ものごとの根っこの部分を掘り下げます。
あなたが本当に求めているものの根っこの部分を掘り下げることによって、世間やメディアが掲げている理想に惑わされない、あなたが今、本当にやりたいこと、なりたい人間を見極めることを出来ます。
そのため、あなたの脳にある雑念を消し去り、今に集中することが出来るようになります。
モンクマインドは、現代の騒々しい世界の中でも、あなたの生きる目的、方向性を見失わないために必要なスキルです。
モンク・マインドに至るためには、「手放す」「成長する」「与える」の3つのステージがあると、本書で書かれています。
この記事では、それぞれのステップについて分かりやすく解説していきます!
手放す
僕らの成長を押しとどめている外的要因、自分の内側にある障害物、恐怖などをそぎ落としていく段階だ。大掃除のようなものだと思ってほしい。成長するためには、まず手足を伸ばすスペースを作る必要がある。
『モンク思考』より
まずは、あなたの成長を押しとどめている外的要因の手放し方について紹介していきます。
多くの人は、幼いころから「こうあるべき」というプレッシャーにさらされていると思います。
両親から、「こんな大人になりなさい」「こんな仕事をしなさい」など、散々言われてきたと思います。
「こうあるべき」というプレッシャーは、両親以外にも、社会やメディアによっても作られています。
高校を出たら大学に行け。大学を卒業したら働け。結婚をして子供をつくれ。マイホームを買え。など、あたかも、人生のおける正解がそれしかないかのようなメッセージを発しています。
もちろん、その通りにして幸せな人生を送れている人もいると思います。
しかし、今あなたが現状に不満を抱えているということは、これまで、あなたが持っていた「こうあるべき姿」は、あなたにとって本当になりたいものではないということです。
本当になりたい自分を見つけるためには、周囲の雑音にフィルターをかけて、自分の内面を見つめる必要があります。
自分の内面を見つめることによって、あなたの成長を押しとどめている外的要因を手放すことが出来ます。
そのために、まずはあなたの価値観がどこからきているのかを特定する必要があります。
次の表にしたがって、あなたを形作っている価値観、出所、本当に重要だと思っているかを書き出していきます。
本当に重要だと思っている場合は、✅をつけましょう。
価値観 | 出所 | 本当に重要だと思っている |
優しさ | おばあちゃん | ✅ |
外見 | メディア | 考え方が違う |
裕福さ | 両親 | お金だけが全てじゃない |
良い大学に入る | 世間 | 学歴ですべてが決まるわけではない |
会社員として働き続ける | 世間、両親 | 会社員だけが働き方じゃない |
家族との時間を大切にする | 妻 | ✅ |
あなたが持っている価値観は、外的要因からくるものなのか、あなたが本当に大切に思っているものなのかを見極めたら、それを元に、日常の行動を見直していきましょう。
家族との時間を大切だと思っているのに、休みの日はスマホをいじってばかりではないか?世間が押し付ける外見の理想は自分の考えとは離れているのに、見栄を張るためだけにブランド物ばかりにお金を使っていないか?
このように時間やお金の使い方を見直していくと、いかに外的要因からくる価値観によって影響を受けていたかを実感することが出来ます。
実感することが出来たら、次にあなたの本当の価値観と、時間とお金の使い方を、その価値観と一致させていきます。
まずは、あなたの本当の価値観を見つけるために過去の選択を振り返っていきます。
具体的なやり方は、次の通りです。
今までに行った最良の選択と最悪の選択をそれぞれ3つずつ選んで、振り返ってみよう。なぜ君はそれを選択したの。その経験で何を学んだのか。別の選択をしていたら、どう行動していたか。
『モンク思考』より
このワークで出した答えを見つめることによって、今まで隠れていた本当の価値観を見つけることが出来ます!
もし、最高の選択が今の会社に入ったことだとします。
なぜその会社に入ったのかは、給料が良く家族に不自由させないだろうと考えたかもしれません。
ということは、あなたには家族を大切にするという価値観があります。
このように、あなたの本当の価値観を見つけることが出来たら、次は日常の行動を一致させていきます。
1週間、生活に必要なモノ以外を買う時や、時間を使う時に、行動に移る前に少し立ち止まって、その選択の背景にはどんな価値観があるのかを考えてみて下さい。
立ち止まって考えることが習慣になれば、あなたにとって重要なものは何か、その行動にどれだけのエネルギーを注ぐのかを、意識的に選択することが出来るようになります。
これが出来るようになれば、外的要因に影響されず、あなたの本当の価値観に従って生きることが出来るようになります!
外的要因を取り除くことが出来たら、次はあなたの内側にある障害物です。
この記事では、特にネガティブな思考を取り除く方法について紹介していきます。
ネガティブな思考を手放す方法とはズバリ、「見つける、止まる、切り替える」の3ステップです!
私達は、全ての行動や感情に意識的になれているわけではありません。
一説によると、一日の半分以上は無意識のうちに行動してしまっているとも言われています。
ということは、無意識のうちにネガティブな思考に陥ってしまっていることもあります。
そのため、まずはあなたのネガティブがどこから来るのかを見つける必要があります。
そこで、1週間、ネガティブなコメントをしたら記録していきましょう!
記録することで、あなたがどれだけのネガティブに陥っているのかを把握することが出来ます。
あなたのネガティブの根っこを見つけることが出来たら、それを解決するための段階に移ります。
そこでまずは、一旦止まりましょう。
止まって、あなたの頭の中で繰り広げられるネガティブな無駄話を黙らせましょう。
本書でオススメされているのは、呼吸です。
4秒吸って、4秒息を止め、4秒かけて息を吐いていきましょう。
これは、本書で紹介されている落ち着きとリラクゼーションをもたらす呼吸法です。
一度止まることによって、そのネガティブがどこから来るものなのかを冷静に見極めることが出来ます。
ネガティブな思考を突き止めて、その流れを止めることが出来たら、最後は切り替えます。
ネガティブになったとき、愚痴や不平不満を垂れ流すことはあると思います。
しかし、愚痴や不平不満をいう時に、「怒っている」「悲しい」など、漫然と表現していては、あなたの思考と感情に向き合うことは出来ません。
あなたの思考や感情をより具体的に表現する必要があります。
「怒っている」「悲しい」という代わりに「悩まされている」「恨んでいる」など、よりあなたの感情に近い表現を探すようにしましょう。
そうすることで、あなたは自分の感情を上手く付き合うことが出来るようになります。
またネガティブな言葉をそのまま愚痴にするのではなく修正していきましょう。
例えば、あなたのパートナーの帰りがいつも遅いとします。
その時に、ただ帰りが遅いと愚痴を言うのではなく、「最近、仕事が大変そうだね。でも聞いていた時間よりも帰りが遅いと心配になるんだ。帰りが遅くなる時はlineをしてくれないか」と伝えることで、あなたのネガティブを解決に向かわせることが出来ます。
僧侶が物静かだと言われるのは、言葉を慎重に選んでいて時間がかかるからだそうです。
そのため、ネガティブな感情を言葉にするときは、慎重に言葉を選んで、より具体的に表現するようにしましょう!
成長する
きみが人生で様々な決定を下すときに、意図、目的、自信をもって行えるように、生活を見直していこう。
『モンク思考』より
成長するステージでは、あなたの核となる価値観と意図をもとに、生き方をどう仕切り直し、どう成長していくのかを考えていきます。
そして、その成長とは、”自分のダルマ”を生きることから始まります。
ダルマを生きるとはどういうことなのかについて、本書では次のように書かれています。
きみが得意で好きなこと(ヴァルナ)が普遍的なニーズ(セーヴァ)と結びついて、人生の目的になったとき、きみは自分のダルマを生きていることになる。
『モンク思考』より
あなたのダルマを見つけるためには、まずは現状を把握しましょう。
あなたが毎日行っている活動、主に仕事は、次のポテンシャルの4区分のどこに位置しているかを考えていきましょう。
おそらく感づいているかと思いますが、区分1の得意であり、なおかつ好きに当てはまる活動に時間を多く費やすことが理想です。
しかし、多くの方が、得意だから嫌いなことを職業にしているのではないでしょうか?
そこで、区分2から区分1に移動させる必要があるのですが、これが難しいんですよね。
そのため、まずは「得意だが好きではない」理由について考えていきましょう!
そこから、好きになれる方法はないかを考えていきます。
また、今の仕事の経験が、今後の自分にどのように役立つのかを考えることも効果的です。
「もっと、グローバルな企業では働くため」「起業するために必要な経験やスキルを身につけるため」など、目的を見つけることで、仕事への情熱を生むことが出来ます。
もし、あなたが得意で好きなことが何か見つけられていない場合は、本書で紹介されている4つのヴァルナを参考にしてみて下さい!
その4つのヴァルナとは、ガイド、リーダー、クリエイター、メーカーの4つのタイプです。
それぞれのタイプの特徴は次の通りです。
タイプ | 特徴 |
ガイド | 学ぶことと知識をシェアすることが好き |
リーダー | 他人に影響を与えることが好きな親分肌 |
クリエイター | ものごとを実現することが好き |
メーカー | 物事が着実に構築されていくところを見ることが好き |
本書では、それぞれのタイプの特徴や向いてる職業について詳しく紹介されています。
加えて、巻末では、あなたがどのタイプに当てはまるのかが分かる20個の質問も用意されています。
自分が何のタイプなのか分からないという方は、ぜひ活用してみて下さい!
あなたのヴァルナを見つけ、人の役に立てるとき、それはあなたのダルマとなります。
具体的には、次の5つのステップであなたのダルマを見つけていきましょう!
①一緒に仕事をしている人、家族、友人など、あなたが良く知っている人を様々なタイプから選ぶ。最低でも3人、できれば10~20人
②その人達からみて、あなたが最高に本領を発揮していたのはどんな時か具体的に書く
③書き出したものから、共通のパターンやテーマを探し出す。
④それらをもとに、客観的に自分のプロフィールを書く
⑤自分の能力を最大限活用するための方法を考える。
『モンク思考』より
⑤で出した答えが、あなたのダルマになります。
そのため、ダルマが見つかったら、それを実践してきましょう。
そして、実践した後は、「そのプロセスを楽しめたか」「そのプロセスの結果を他者が喜んでくれたか」の2つについて考えましょう。
この2つについて考えることで、本当のダルマかどうかを見極めることが出来ます!
与える
自分自身という枠を超えて世界に目を向ける。感謝の気持ちを広げ、分かち合い、人間関係を深めていく段階だ。僕らは、ギフトと愛を他者と共有したとき、奉仕することのほんとうの喜びと驚くべきメリットに気づく。
『モンク思考』より
これまでのステップで、あなたの内側に目を向けられるようになりました。
次は、外側に目を向け、他者との関わり方を考える段階です。
この記事では、特に感謝に絞って紹介していきます!
皆さんは、毎日の生活の中で、どれだけの感謝をしているでしょうか?
忙しい日々を過ごしていると、感謝をすることを忘れてしまうこともあるかもしれません。
しかし、感謝には心の健康、自己認識、人間関係を改善し充実感を高めることが、研究から判明されています!
そこでオススメの方法が感謝の日記をつけることです。
毎晩、5分間だけでいいので、あなたが感謝したいものごとを書き出していきましょう。
カルフォルニア大学の神経学者、アレックス・コープ氏によると、感謝をしているときは脳からドーパミンが放出され、脳はその状態を何度も繰り返したくなるそうです。
そのため、日記をつけるとき以外にも、感謝できることはないかと勝手に探し始めるようになります。
その結果、好循環が生まれるようになります!
感謝の気持ちが大きく育ってきたら、次はそれを外側に発信していきます。
一番簡単な方法は、「ありがとう」と言うことです。
単にありがとうと言うだけでも良いですが、あなたの感謝の気持ちを具体的に表現することよって、より効果的になります。
「あなたが○○の仕事を手伝ってくれて、とても助かった。本当にありがとう!」のように、具体的に感謝を伝えられた方が、相手はより嬉しくなるはずです!
「ありがとう」を伝える以外にも、奉仕をすることによって、ありがたみを知ることが出来ると本書では書かれています。
ボランティアや奉仕活動は、受け取る側だけでなく、与える側にも利益をもたらします。
ボランティアや奉仕活動をすることによって、あなたにないものではなく、今あるもののありがたみを感じられるようになります。
奉仕をする側の怒り、ストレスといったネガティブな感情を感謝に生まれ変わらせることが出来ます!
そして、人生の最高の目的は奉仕に生きることだと、著者は書かれています。
僧侶は奉仕を人生の中心に捉えてます。
そのため、モンク・マインドを持って生きるということは、究極的には奉仕を意味します。
実際に著者が修業をしていたアシュラムでは、「今日の仕事はどうだった?」と聞く代わりに「今日の奉仕はどうだった?」と尋ねるそうです。
とはいえ、忙しくてボランティア活動に参加する余裕がないという方もいると思います。
しかし、ボランティア活動だけが奉仕ではありません!
仕事だって、あなたの得意なことを活かして、誰かを助けているのであれば奉仕になります。
他にも、仕事で困っている部下や同僚がいたら助けてあげるなど、奉仕する方法は無限大にあります。
ぜひ、奉仕をあなたの日常に一部にしてみて下さい!
モンク思考を読んだ感想
もしかしたら、『モンク思考』は、宗教の勧誘なんじゃないか?と思われたかもしれません(笑)
著者が本書で書いてある通り、本書は宗教の勧誘が目的ではなく、著者がこれまで生きてきて学んだことについて書かれている本です。
特に日本人は無宗教の人が多く、宗教に触れる経験が少ないため、少し抵抗があるかもしれません。
しかし、本書で書かれていることは、儀式やお祈りの方法といったことではなく、自分自身と向き合う方法といった、現代に必要なスキルです。
本書は合計570ページと、かなり厚い本です。
この記事では、モンク思考に至るためのステップを紹介してきましたが、全ての内容を紹介出来ているわけではありません。
全てを紹介していたら、とんでもなく長くなってしまいます(笑)
そのため、この記事を読んで、モンク思考に興味が出てきたら、本書を読んでみて下さい!
そして、本書で書かれていることを1つずつ実践してみて下さい!
ではでは。