今回は、船川淳志さん著の『マンガでわかる 必ず伝わる!ロジカル会話術』を紹介していきます。
ビジネスパーソンには、ロジカル・シンキングが必須だと言われることが多くあります。
実際に、ロジカル・シンキングについて書かれた本を読んだことがある方もいると思います。
では、その学んだロジカル・シンキングを仕事で生かすことができているでしょうか?
きっと、うまく使えないまま、学んだことはほとんど忘れてしまったという方が多くいると思います。
本書は、そういった方に役立つ1冊です!
本書では、なぜロジカルシンキングを学んでも上手くいかないのか、またロジカルシンキングを仕事で生かすためのロジカル会話術について解説されています。
この記事では、本書中からロジカルシンキングだけでは不十分な理由と、ロジカル会話術の4ステップについて紹介していきます!
必ず伝わるロジカル会話術の要約
ロジカルシンキングだけでは足りない!
なぜロジカルシンキングを学んでも、仕事で生かすことができないのか?
それは、仕事は他の人を巻き込んで初めて成り立つものだからです。
そのため、自分の頭の中で考えるだけでは不十分です。
本当に大切なのは、ロジカルに考えて、それを相手にロジカルに伝え、納得させることです。
また相手を納得させて動かすためには、あなたの考えを一方的に伝えるだけではいけません。
相手の状況や考えを考慮しながら、お互いの前提や目的をすり合わせて、解決策を生み出していくことが必要です。
そのため、仕事においてはロジカルシンキングだけでは不十分であり、ロジカル会話術を身につけることが大切なのです。
では続いては、そのロジカル会話術の実践方法を紹介していきます!
ロジカル会話術術の4段階
本書では、ロジカル会話術には次の4つの段階があると書かれています。
①自分の頭の中で、モノゴトを組み立てることができる
②自分の頭の中で組み立てたことを、相手にわかりやすく伝えることができる
③相手の話を聞きながら、相手の頭の中で組み立てたことを理解することができる
④複数の人間と、それぞれの考え方を交換・共有しながら問題解決や新たな考えを共創することができる
まずはステップ1です。
自分の頭の中でモノゴトを組み立てるために役立つのが、演繹法と帰納法です。
演繹法は別名アリストテレスの三段論法として知られています。
演繹法は、大前提・小前提・結論の三段論法で構成されています。
例えば、有名なのが、大前提が全ての人間は死ぬ、小前提がソクラテスは人間だ、結論がソクラテスは死ぬです。
演繹法には2つの注意点があります。
まず一つめが、正しい前提を使うことです。
全ての人間は死なないという間違った前提を立ててしまうと、ソクラテスは死なないという間違った結論が出てしまいます。
2つめの注意点が、大前提・小前提・結論の組み合わ方です。
大前提が全ての犬は死ぬで、小前提をソクラテスは死ぬにしてしまうと、結論がソクラテスは犬であるになってしまいます。
このように、大前提を小前提はそれぞれは正しかったとしても、組み合わせを間違えると、間違った結論が出てしまいます。
以上が演繹の紹介です。
続いてが帰納法です。
帰納法は個別の事例、事象に基づいて、そこから共通点を見出して結論とするものです。
例えば、日本のウイスキーで有名な、山﨑・白州・響・与市・宮城峡は美味しいという事例あれば、日本のウイスキーは美味しいという結論を出すことができます。
帰納法の注意点も2つあります。
一つめが、共通点を的確に見出して結論とすることです。
本書に載っている例ですが、シャンパン・ビール・ジンフィズを飲むとよっぱらう、3つに共通しているのは炭酸であり、炭酸を含むソーダを飲むと酔っ払う。
この3つの共通点には、炭酸以外にもアルコールがあります。
ですが、炭酸を抽出してしまったが故に、間違った結論を導き出してしまっています。
2つめの注意点が、事象が結論を支えるだけに十分なのかです。
事象が少なすぎたり、的確なデータでないと、結論も間違ったものになってしまいます。
ここまでステップ1で大切な、演繹法と帰納法について紹介してきました。
続いてはステップ2について紹介していきます。
ステップ2は②自分の頭の中で組み立てたことを、相手にわかりやすく伝えることができるです。
本書では色んなポイントが解説されていますが、この記事では抽象のはしごに絞って解説していきます。
私たちはモノゴトを頭の中でまとめたり、相手に伝える時に抽象度を上げます。
簡単な例を挙げると、人参、トマト、キャベツは抽象度を上げると野菜になります。
しかし、抽象度の高い表現を使いすぎると、お互いのイメージがずれてしまう可能性があります。
野菜が食べたいといっても、人によって、人参が食べたいのか、トマトが食べたいのか変わってきます。
お互いのイメージがずれてしまうことを防ぐためには、まずお互いのイメージが共有されているかを意識してみましょう。
イメージが共有されていなければ、ステーキに合う野菜など、抽象度を下げてイメージを共有することが大切です。
その際に、抽象度を上げる「つまり」「まとめると」や抽象度を下げる「具体的には」「例えば」といった表現を使い分けると効果的です。
このように、抽象度を上げたり下げたりすることで、相手に自分の考えを伝えやすくなります。
では続いてはステップ3について紹介していきます。
ステップ3は、相手の話を聞きながら、相手の頭の中で組み立てたことを理解することができる。
先ほども紹介した通り、相手を納得させて動かすためには、自分の考えを一方的に伝えるだけではいけません。
人は論理だけでは動きません。
論理+感情によって納得して動かすことができます。
感情は私たちの思考プロセスに大きな影響を与えます。
皆さんも、嫌いの人がいくらいいことをいったとしても、聞き入れないと思います。
そこで、相手との心理的な距離を縮める必要があり、そのためには相手に対する共感が必要です。
人は自分に共感してくれる人を好きになります。
そして、相手との心理的な距離を縮め、相手の心を開くためには、リフレクティブ・リスニングを実践していきましょう。
リフレクティブ・リスニングとは、相手の言葉を反射させるように、そのまま返しながら聴くテクニックです。
リフレクティブ・リスニングには、ミラーリングとパラフレージングの2種類があります。
ミラーリングは、相手がいった言葉をそのまま繰り返す方法です。
続いてパラフレージングは、相手の言葉を要約したり、ちょっと変えながら返す方法です。
この2つを使いながら、相手の話を聞くことで、相手は「ちゃんと自分の話を聞いてくれている」と感じ、心理的距離を縮めることができます。
そして心理的距離を縮めることができれば、相手の本音を引き出すことができます。
相手の本音を引き出すことができたら、それを元に提案することで、相手を納得させることができるのです。
ではロジカル会話術の最後のステップについて紹介していきます。
ステップ4は、複数の人間と、それぞれの考え方を交換・共有しながら問題解決や新たな考えを共創することができるです。
ここでは、本書の中から前提交換について紹介していきます。
よく会議などで意見交換をすることは多くあると思います。
しかし、各々が好き勝手に意見を言っていては、まとまらなくなってしまいます。
そこで意見交換をする前に、前提交換をすることが大切です。
会議の目的や最終的な ゴールは、人によってバラバラなことが多いですから。
そのため、まずは目の前の課題に対してどう思っているのか、どうしたいのか、どうあって欲しいのかといった前提を共有することが大切です。
出てきた前提を元に、会議を進めていくことで、意見がまとまらなくなってしまうことを防ぐことができます。
そのため、最初の5分間だけでもいいので前提交換を行なっていきましょう!
この記事では、それぞれのステップのポイントからいくつかを厳選して紹介してきました。
本書では、この記事では紹介できていないポイントも書かれていますので、ぜひ参考にしてみてください!
また、本書はタイトルの通りマンガで解説されています。
そのため、楽しく学ぶことができると思いますので、これまでロジカルシンキングの勉強に挫折したことがある方は、ぜひ本書を読んでみてください!
ではでは。