今回は、アン・デマレイス氏、バレリー・ホワイト氏著の『「第一印象」の魔法 あらゆる出会いがチャンスに変わる』を紹介していきます。
本書は、世界21ヵ国で刊行されている、印象のバイブルです。
皆さんには、「相手にもっとよく思われたい」という願望や、「初対面の人と仲を深めることが苦手」といった悩みはないでしょうか?
本書に書いてあることを実践することによって、あなたの第一印象を格段によくすることができ、これからの出会いをより良いものにすることができます!
この記事では、本書の中から、人が第一印象を形成するステップと、あなたの第一印象をよくするための方法を紹介していきます!
「第一印象」の魔法の要約
第一印象はどのように形成されるのか?
本書では、次の3ステップで人が第一印象のイメージを作っていると書かれています。
①ボディランゲージ、発言、反応に注目し、最初の情報を取り込む
②その情報に基づいて、人物像をつくり上げ、将来どのような行動を取るのかを予測する
③第一印象という「フィルター」を通して相手をみるようになる。
『第一印象の魔法』より
心理学の研究から、我々には、他人を評価する時に、「あとから得た情報」よりも「最初の情報」を重視することが分かっています。
そのため、最初にボディランゲージや発言が温かい人であれば、「良い人そうだ」と感じることができます。
実際に職場でも、最初に温かく接してくれた上司には、「質問しても優しく教えてくれそう」という予測ができ、質問がしやすいと思います。
もしその上司の回答が少しそっけなく感じだとしても、「今日は体調が悪いのかな?」「忙しいのかな?」と自分の中でその上司をフォローすると思います。
このように私たちには、最初に作り上げた第一印象のフィルターをもとに、その後の行動も評価していきます。
では、初対面の印象がネガティブな場合は、どうなるでしょうか?
実は、ネガティブな第一印象は特にその後に大きな影響を与えます。
私たちには、第一印象がネガティブだった人が、のちに温かい態度で接してきたとしても、そのことを長期間にわたって無視してしまう傾向があるのです。
初対面で不機嫌だったり、怒っていた人に対しては「なんだか怖い人だな」という印象を抱くと思います。
もし、仮にその人が気さくに話しかけてきたとしても、「話しかけられちゃった」「機嫌を損ねないようにしなきゃ」と少し緊張感があると思います。
また、その人が手助けをしてくれたとしても、「今日は機嫌が良かっただけ」と感じてしまうようになります。
そのため、最初にネガティブな第一印象を与えてしまうと、あなたの評価を良くするためには、多くのポジティブな行動を積み重ねる必要があります。
さらに、私たちには自身が作った第一印象のフィルターを過信しすぎる傾向があります。
例えば、第一印象で「この人は頭がいいな」「仕事ができそうだな」というイメージがあった場合、他のことに対してもポジティブなイメージがないでしょうか?
逆に第一印象で「頼りない人だな」と感じると、「この人は仕事ができなさそう」「この人に頼み事をしてもダメそうだ」のように、別の側面に対してもネガティブイメージを持ってしまうと思います。
このように第一印象は、私たちが考えていること以上に重要なものなのです。
そのため、第一印象がその後の人間関係にかかっているといっても過言ではありません。
では、第一印象を良くするためには、どうすればいいのか?
まずは、第一印象を良くするために意識すべきことについて紹介していきます!
第一印象で最も大切なこととは?
ズバリ、第一印象で最も大切なことは、「相手の気分を良くすること」です。
もしかしたら、そんなの当たり前じゃんと思ってしまうかもしれません。
ですが、皆さんは相手と初めて会話する時に、相手の気分を良くすることを意識できているでしょうか?
おそらく、「自分が話すことに精一杯になってしまっている」「緊張からあまり喋れない」という方もいると思います。
しかし、私たちは相手と話した時の気分の良し悪しと、相手の印象を結びつける傾向があります。
あなたは初対面の人でも、緊張せず楽しく話すことができるかもしれません。
しかし、楽しく話しているのはあなただけで、相手は「この人はおしゃべりでウザいな」と感じてしまっている可能性もあるわけです。
良い第一印象を与えたいなら、考えるべきなのは、あなたが気持ち良くなることではなく、会話の後、相手が良い気分を持ってくれるかです。
では、どうすれば初対面の人の気分を上げることができるのか?
本書では、次の4つの贈り物を与えることで相手の気分を良くすることができると書かれています。
①相手を評価する
②つながりを示す
③ポジティブな空気をつくる
④好奇心を満たす
『第一印象の魔法』より
まず相手のスゴいところ、「面白い」「才能がある」などを褒めることによって、相手の自己肯定感を上げることができます。
相手に自分のスゴいところを知ってもらいたく、自分の自慢ばかりしてしまう人がいますが、相手はスゴいと思うばかりか、自慢ばかりでウザいと感じてしまいます。
そのため、自分の良いところばかりを押し出すのではなく、相手のスゴいところを見つけ、それを誉めていきましょう。
続いて、相手との共通点を見つけていきましょう。
人は、共通点があると、相手に理解された感じ、仲間意識を持つことができます。
相手の話にしっかりと耳を傾けて、共感できる部分はないか、また「私も同じです」と言えるポイントがないかを探してみましょう。
そして、ポジティブな空気をつくることも大切です。
ポジティブな空気をつくるためには、決して面白いことが言わなければいけないわけではありません。
あなたが笑顔で相手の話を聞く、相手の話にしっかりとリアクションをするといったことで、ポジティブな空気をつくることができます。
最後に、好奇心を満たすです。
人は誰にでも好奇心があり、何か新しいことを学びたいと思っています。
そのため、ちょっとした雑学でも良いので、面白い事実やアイデアを話すことは効果的です。
他にも、最近見た映画や本についてなど、相手の好奇心を満たすことができそうなことを話していきましょう。
これまで、相手の気分を良くするための4つの贈り物について解説してきました。
大切なのは、この4つの贈り物をバランス良く与えることです。
どれか1つだけが極端に多くては、逆に悪い印象を与えてしまいます。
いくら誉められるのが嬉しかったとしても、会話中にずっと誉められていては、少し鬱陶しく感じます。
また、好奇心を満たそうと、雑学ばかり話していては、相手から「うんちく野郎」と思われてしまいます。
そのため、この4つはバランス良く与えることが大切なのです。
では最後に、あなたの第一印象をさらに良くするための魔法メソッドを紹介していきます!
最高の第一印象が一生続く魔法のメソッドとは?
本書では、最高の第一印象が一生続く魔法のメソッドとして、次の7つが解説されています。
①親しみやすさ
②相手に興味を示せているか
③相手を啓発できているか
④自己開示のうまさ
⑤会話のエネルギー
⑥人柄
⑦セックスアピール
『第一印象の魔法』より
この記事では、この7つのメソッドの中から、会話前に大切な①親しみやすさと相手の気分を良くするために大切な②相手に興味を示せているかについて紹介しています。
まずは親しみやすさです。
人は、話しかける人をランダムに選んでいるわけではありません。
目の前に、あなたが道に迷って、道を聞こうとしたとき、刺青の入ったイカツイ人と、優しそうな雰囲気の人がいたら、後者の人に話しかけると思います。
あなたが刺青の入ったイカツイ人でなくても、話かけづらいオーラを発していれば、相手はそれを感じ取り、あなたに話しかけるのをためらってしまいます。
そのため、会話をする以前に、あなたが親しみやすくなることが大切なのです。
では、どうすれば親しみやすさを出すことができるのか?
やることは簡単です。
笑顔でリラックスした姿勢でいれば、自然と話かけやすい存在になることができます。
笑顔でいると、相手は「好意を持たれている」「魅力を感じてくれている」と感じることができます。
また、リラックスした体勢でいることで、相手は自然と心地よくなり、話かけやすくなります。
逆に、微笑まなかったり、座ったまま足を伸ばすといった体勢をとっていると、相手から冷たい人だと感じられてしまいます。
そのため、第一印象を上げるためには、まずはボディランゲージで親しみやすさを出していきましょう。
しかし、相手から話しかけてくれるのを待っているだけではダメです。
多くの人は、初対面で話しかけてきてくれる人を好みます。
話しかけてきてくれることで、「自分から話しかける負担」を肩代わりしてもらえるからです。
とはいえ、自分から話しかけるのは簡単なことではありませんよね?
挨拶をした後、何を話せばいいか、話題を考えるのも大変です。
そこで本書では、初対面で最も自然で安全な話題として、「今いる場所」と「そこにいる人」がおすすめされています。
お店にいれば、そこで流れている曲であったり、子供のサッカースクールであれば、サッカーについてだったり、「今」に関連した話題から入ることで、相手も反応しやすくなります。
とはいえ、「今」に関連していれば何でもいいわけではありません。
特に初対面の場合は、ネガティブな話題は避けましょう。
「あの人のこんなところがダメだよね」「ここの料理はまずいよね」など、いきなりネガティブな会話から初めてしまうと、あなたの第一印象も悪くなってしまいます。
そのため、ポジティブな話題から話しかけることを心がけましょう。
では続いては、相手に興味を示せているかについて紹介していきます。
人は、自分に向けられた関心に敏感です。
あなたが相手に興味を持っていないそぶりを見せると、相手はすぐにそれを感じ取ります。
逆に、あなたが相手に興味を持っていることを示すことができれば、相手は自分を理解してくれたと感じることができます。
では、どのようにすれば、相手に興味を持っていることを感じさせることができるのか?
まず意識したいのが、体です。
話している相手の方を向き、相手の話に頷き、身を乗り出しながら聞くことによって、相手に興味を持っていることを伝えることができます。
また、アイコンタクトも重要です。
自分が話している時に、相手が目を逸らしていたら、「話を聞いてないのでは?」と不安になると思います
そのため、話している相手の目を見ることが大切です。
とはいえ、ずっと見続けられるのも気持ち悪く感じられてしまいます。
目安として、会話の半分くらいは相手と目を見るようにしましょう。
そして、質問をすることも大切です。
相手に質問のすることによって、会話を盛り上げることもできますし、相手に興味があることも伝えることができます。
もちろん、質問の仕方にも気をつけましょう。
質問はクローズド・クエスチョンではなく、オープン・クエスチョンを心がけましょう。
クローズド・クエスチョンとは、一言で答えられるようない質問です。
「仕事は?」「趣味は?」など、一言で答えられるような質問ばかりしていると、相手は尋問されているような気分になります。
そのため、「その趣味のどんなところが好きですか?」のような、オープン・クエスチョンをするようにしましょう。
オープン・クエスチョンをすることによって、会話を広げることができますし、相手のことを引き出すことができます。
これまで、初対面の人と会話があまり続かなかったという方は、まずは今回紹介した、親しみやすさと相手に興味を示せているかを意識してみてください!
会話や雑談に苦手意識を持っている方には、私が以前に紹介した『超トーク力』という本がおすすめです。
こちらの動画では、科学的に正しい、会話を盛り上げるテクニックを紹介していますので、よろしければ、参考にしてみてください!
「第一印象」の魔法を読んだ感想
私も初対面の人との会話があまり得意ではなく、無口になってしまうことが多かったです。
ですが、今の会社に転職をしたとき、人間関係で失敗をしたくなかったため、勇気を振り絞って同期に話しかけてみました。
そうしたら、相手の反応は良く、自分が思っているよりも、楽に会話を進めることができました。
相手と仲良くなるために、自分から話しかけるなんて当たり前のように聞こえるかもしれません。
それでも、実際に実践できているでしょうか?
本書に書いてあることや、動画で書いてあることも同じですが、知っていることと、できることは違います。
本書に書いてあることは、難しいテクニックや会話術ではありません。
あなたの意識次第ですぐに実践することができることです。
すぐに実践できることだからこそ、すぐに効果を実感することができると思います。
これまで、初対面の人との交流に苦手意識があったという方は、ぜひ本書を読んでみてください。
ではでは。