今回は、犬塚壮志さん著の『「よい説明」には型がある』を紹介していきます。
皆さんには、一生懸命説明をしているのに相手が話を聞いてくれない、話は聞いてくれたけど、思うように行動してくれない、、、
といった悩みはないでしょうか?
本書はそういった方に役立つ1冊です!
本書の著者である犬塚さんは、元駿台予備校で人気日本一のカリスマ講師であり、これまで2万人を超えるビジネスマンへ話し方を指導されてきました。
本書ではそんな著者によって、1000人声の説明を分析して見出した、良い説明の型について書かれています。
この記事では、その本書の中から話がつまらない原因、説明の型の土台となるもの、そして本書で紹介されている型を一つ紹介していきます!
「よい説明」には型があるの要約
話がつまらない原因とは?
なぜ聞き手は相手の話を聞いてくれないのか?
それは、あなたの話が聞き手にとってつまらないものだからです。
あなたの話が面白ければ、聞き手は興味を持って話を聞いてくれます。
では、なぜ話がつまらなくなってしまうのか?
本書では、話がつまらなくなってしまうパターンには次の4つがあると書かれています。
①話の内容がまったくわからない
②その話は自分には関係ない
③自分に関係する話だけれど、今は不要・自分には無理そう
④すでに知っていること、できていることで、もう当たり前
『「よい説明」には型がある』
それぞれのパターンについて、これから詳しくみていきます。
まず一つ目が、①話の内容がまったくわからないです。
当たり前ですが、話す側は話の内容を理解しています。
ですが相手は、話の内容を理解できているとは限りません。
特に夢中になって話している時に、自分の知っていることは、相手も当然知っていると勝手に決めつけてしまっていることがあると思います。
また自分が普段何気なく使っている専門用語や業界用語なども、相手が知っているとは限りません。
このように、自分の話している内容が相手にとってよくわからないものになってしまうと、相手は話を聞いてくれなくなってしまうのです。
続いて2つ目のパターンが②その話は自分には関係ないです。
皆さんも、自分には全く関係のない話をされても、聞き流してしまうと思います。
人が最も関心があることは、自分に関わることです。
誰々があなたの悪口を言っていたなど、よくない話であったとしても、人は自分に関わるいことであれば、聞きたくなります。
そのため、相手に話を聞いてもらうためには、どう聴き手と関係しているのかをイメージさせられるかが重要です。
続いて3つ目のパターンが③自分に関係する話だけれど、今は不要・自分には無理そうです。
個人的に、収入を増やしたいという友達に、副業の話をすると、あまり真剣に聞いてもらえなかったという経験があります。
おそらく、友人の中に「副業で稼ぐなんて自分には無理だよ」という気持ちがあったのだと思います。
この場合、いくら話し手が熱意を持って話したとしても、相手にを動かすことができません。
そのため、取り入れる必要性や緊急性を理解させられるような説明をすることが大切です。
そして、4つ目のパターンが④すでに知っていること、できていることで、もう当たり前です。
皆さんも、私が今から足し算と引き算の解説を始めたら、記事を読むのをやめてしまうと思います笑
すでに知っていることを話されることは、聞き手にとって苦痛なことなのです。
聴き手の理解度が事前にわかっているのであれば、それに合わせて話をすることが大切です。
またどうしても、わかっていることを話さなければいけない時には、背景や周辺情報を付け足して、面白さを演出することが大切です。
以上、ここまで話がつまらなくなってしまう4つのパターンを紹介しました。
本書で紹介されている、よい説明の型を使うことで、この4つのパターンを回避することができ、相手にとって面白い話をすることができるようになります。
ですが、説明の型には、絶対に押さえておかなければいけない土台があります。
この土台がない状態で型だけを使おうとしても、うまく効果を発揮することができず、結局つまらない話に戻ってしまいます。
そのため、続いてはその説明の型の土台について紹介していきます。
まずは聞き手を知ることから始めよ!
あなたの話が面白いかつまらないかを決めるのは誰でしょうか?
もちろん、聴き手ですよね?
あなたがいくら、「この話は面白い」と思って話していたとしても、相手がつまらないと感じてしまったら、つまらない話なのです。
だからこそ、よい説明の型を使う前に、まずは聞き手を知ることから始める必要があります。
そこで次の3つの視点から、聞き手について考えていきましょう。
①現在地
②到達点
③価値観
『「よい説明」には型がある』
まずは現在地です。
現在地とは、自分が話そうとしている内容について、聞き手がどれくらいの情報を持っているのか、どれほど理解しているのかということです。
社内の人のように、実際に聞くことが可能な場合は、質問をしたり、事前にアンケートをとるなどして、聴き手の現在地を調べていきます。
もし事前に接点を持つことができない場合は、聴き手の現在地を推測していきます。
事前に聴き手がどんな業界や会社に属しているのかが分かれば、これまでの自分の経験をすり合わして現在地を推測していきます。
もし過去の経験にない業界や会社の場合、その会社のホームページを見たり、その人のSNSを確認するなどして情報を集めることが推測をする上で役に立ちます。
続いて2つ目の視点が到達点です。
到達点とは、説明をすることで聞き手にどうなって欲しいかということです。
大切なのは、あなたがどう話したいかではく、聞き手にどう変わって欲しいのかを明確にすることです。
例えば、自分の話の内容について、聞き手が興味や関心を持てればいいのか、それとも話たことをもとに何か行動を起こして欲しいのかなど、到達点によって説明が変わってきます。
このように到達点を明確にすることで、どの説明の型を使うべきかが決まってくるのです。
最後に3つ目の視点が価値観です。
話を面白いと感じてくれるかどうかは、相手の価値観やその時の心情によっても左右されます。
聞き手が話の内容に対して肯定的なのか、否定的なのか、またどういったことにポジティブに感じるのか、ネガティブに感じるのかなどを、事前に調べていきましょう。
相手の価値観を知る上で役に立つのが、言葉を投げかけた時の相手の表情です。
どういった言葉をかけた時に、相手の表情が曇るのか、また明るくなるのかといったことを観察していきましょう。
またもし可能であれば、どういった人なのかを知るために、普段どんな本を読んでいるのか、休日は何をしているのかなど質問をして、その人がどんなことに喜びを得ているのかを探っていきましょう。
以上、3つの視点でまずは聞いてを知るところから始めていきましょう。
そして、聞き手がどんな人なのか、どういった状態にあるのかを知ることができたら、使うべき型を選んでいきます。
本書では、11個の型が紹介されていますが、この記事では話の第一関門である聞き手に興味を持ってもらうための型を紹介していきます!
メリット訴求で聞き手を前のめりにできる!
メリット訴求は、相手に説明を聞くことのメリットを伝えるための型です。
誰だって、自分にメリットがある話であれば、自然と聴きたくなると思います。
そのため、説明を聞くと聞き手にとってどんなよいことがあるのかを伝えることが大切です。
このメリット訴求の型には、次の4つのステップがあります。
①聴き手の問題点をあぶり出し、メリットの存在に気づかせる
②成功事例を紹介し、頭の中に絵を描かせる
③自分がそのメリットを提示できる理由を伝える
④メリットを享受できる具体的なステップを説明する
『「よい説明」には方がある』より
それぞれのステップについて、これから詳しく紹介していきます。
まずはステップ1の聴き手の問題点をあぶり出し、メリットの存在に気づかせるです。
ステップ1のポイントは、次の3つです。
①聴き手が「まだ、できていない」ことを言語化して教えてあげる
②聴き手の痛いところをつく
③それを回避するための具体的な解決策の存在を提示する
『「よい説明」には型がある』より
聞き手が自分の問題点を自覚できていなことは多々あります。
そのため、まずは気づいていない問題点を言語化してあげることで、聞き手は「確かにまずいかもな」と話に興味を持ってくれます。
中には、聞き手自身もうすうす気がついているものもあると思います。
毎週会議をしているが、わざわざ集まって話すほどでもない、研修をしてもそれが実務に生かされていないなど、色々とあると思います。
そういったことも、はっきりと言葉にして伝えることで、聞き手は「改善しなくちゃいけない」と感じるようになり、説明を聞くメリットを感じやすくなります。
そこに対して、具体的な解決策を提示してあげることで、相手は前のめりになって提案を聞いてくれるようになります。
例えば、無駄な会議をなくしたいのであれば、Slackなどのコミュニケーションツールを使って、みんなが報告を書き込むことで、集まって会議を開く必要がなくなるかもしれません。
このように、単にツールを導入したいと話すよりも、今の問題点を明確にしてあげて、このツールならその問題が解決できると伝える方が、相手が前のめりになって話を聞いてくれるようになります。
続いて、2つ目のステップが成功事例を紹介し、頭の中に絵を描かせるです。
実際にそのツールを導入した会社の成功事例などを話すことで、聞き手がイメージしやすくなります。
特に、固有名詞と数値を使って説明することで、聞き手が「自分たちにもできるかも」と感じてもらえるようになります。
そして3つ目のステップが自分がそのメリットを提示できる理由を伝えるです。
このステップの目的は、聞き手に安心感や信頼感を持ってもらうことです。
話し手の実績などをもとに、なぜ自分でなければいけないのかを説明することができれば、聞き手に「この人の説明をちゃんと聞きたい」と思ってもらえるようになります。
最後のステップがメリットを享受できる具体的なステップを説明するです。
このステップでは、聴き手の行動を促していきます。
よく話は聞いてくれたけど、実際に行動に移してもらえないということがあると思います。
その場では、聴き手も熱心に聞いているが、話が終わった後、具体的な行動が輪からなければ、聴き手の熱意は冷めてしまいます。
そのため、必ずステップ4まで実施することが大切なのです。
どこのサイトから申し込みをすればいいのか、どんな情報を入力すればいいのかなど、聞き手がすぐに行動に移せるように、具体的なステップを説明していきましょう。
以上、ここまでメリット訴求の型を紹介していきました 。
聞き手があまり自分の話を聞いてくれないなと感じる時は、ぜひメリット訴求の型を使ってみてください!
本書では、この記事では紹介しきれていないよい説明の型がまだまだ解説されています。
またそれぞれの型ごとに使えるフレーズも載っておりますので、読んだ後すぐに実践に移すことができます。
そのため、自分の説明力を上げたい、もっと聞き手に聞いてもらえるような説明ができるようになりたいという方は、ぜひ本書を読んでみてください!
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ではでは。