今回は、梶野真さん著の『仕事も人生もうまくいく実践アドラー心理学』を紹介していきます。
皆さんには、仕事が上手くいかない、部下との関係に困っているといった仕事や人生の悩みはないでしょうか?
本書はそういった方にオススメの1冊です!
本書では、仕事や人生に悩みにどのように対処すればいいのか、アドラー心理学の視点から書かれています。
この記事では、本書の中から不完全である勇気を持つ、部下が育たないのは教える側の課題、そしてイライラするのは相手のせいではないということについて紹介していきます!
仕事も人生もうまくいく実践アドラー心理学の要約
不完全である勇気を持とう
中には、自分は仕事ができない、自分はだめな人間だと悩んでいる方がいると思います。
そういった方に持っていただきたいのが、不完全である勇気です。
最初から完全な人はいません。
どんなに優秀な人だって、同じようにできないところから、自身の課題に向き合って克服していっています。
そのため、今自分ができない部分、不足している部分は、素直に自分の課題であると受け止めて、課題を克服することで、完全を目指していきましょう。
とはいえ、どうしても自分に自信が持てない、人と比べて自分はできないと考えて、動き出せないという方もいると思います。
そういった方は、入社時はできなかったけど、今はできるようになったことを1つずつ考えてみてください。
メールが早くかけるようになった、電話対応で緊張しなくなったなど、小さなことでもいいのです。
小さなことでも、できるようになったことを考えることで、自分はダメな人間だという考えから、一つ一つ積み重ねることで成長していけるという考えに変えることができ、不完全である勇気を持つことができます。
また自分以外にも、職場の他のメンバーに自分はダメだと感じてしまてっている人がいるかもしれません。
本書では、そういった人が多いのは、できない部分を見る減点主義が強く残ってしまっている組織風土が問題であると書かれています。
そこで必要になるのが、アドラー心理学の勇気づけという考え方です。
相手の存在自体を認め、感謝とともに長所や強みに注目して関わることで、勇気づけが組織全体に広がります。
そうすることで、減点主義が消えていき、自分はだめだと落ち込み、力を発揮することができなくなる人が減っていくのです。
続いては、この勇気づけについて詳しく紹介していきます。
部下が育たないのは教える側のせい?
皆さんは、部下や後輩の指導に悩みを持っていないでしょうか?
なかなか仕事ができるようにならない、何度せ説明しても同じミスをするなど、さまざまな悩みがあると思います。
もしかしたら、最近の新入社員はできないやつばかりだと思われているかもしれません。
ですが本書では、部下や後輩が育たないのは、教える側の課題であると書かれています。
部下や後輩が本来の力を発揮することができていないのは、勇気が不足しているからです。
勇気とは、進んでリスクを受け入れて、新たな領域に一歩踏み出すことです。
適切に勇気づけをしてあげることができれば、部下や後輩も動き出すことができ、本来の力を発揮することができます。
しかし中には、その勇気をくじく言葉かけをしてしまう上司もいます。
例えば、「何度言ったらわかるんだ」「本当にやる気あるのか?」など、もしかしたら皆さんも言われた経験があるかもしれません。
もしかしたら、叱咤激励しているつもりかもしれませんが、その言葉を受け取った部下は自分が無能で無価値であるという感覚を強めてしまいます。
その結果、勇気がくじかれてしまい、本来の力を発揮することができず、また失敗を繰り返してしまうのです。
そこで部下や後輩を勇気づけるためには、ありがとう、嬉しい、助かる3大ワードを口癖にするといいと本書では書かれています。
日頃から、この3つのワードを伝えることで、部下や後輩が勇気づけられ、本来の力を発揮することができます。
とはいえ、言葉だけかけていればいいというわけではありません。
言葉以上に、関係性が大切です。
いくら、ありがとうや嬉しいと伝えたとしても、関係性が悪ければ、相手には届きません。
そこで相手との関係性で基礎となるのが、相互尊敬、相互信頼です。
アドラーは、年齢や性別、立場など、全ての属性に関係なく、人は対等な存在だと考えました。
部下だからといって見下すのではなく、部下は自分と対等であり、価値ある人間として敬意を持って接することが大切です。
この相互尊敬、相互信頼は、名前に相互とついておりますが、アドラー心理学では、双方向でなければいけないとは考えておりません。
双方向でも一方通行でも、相手との間に尊敬と信頼があればいいのです。
そのため、まずは自分から先に尊敬と信頼をすることが大切です。
もちろん、自分が部下や後輩に尊敬と信頼をしたとしても、必ずしも同じように尊敬と信頼が返ってくるわけではありません。
しかし、一方通行であっても、相互尊敬、相互信頼は成り立っており、それだけでも価値のあることなのです。
さらに、相手と対等な関係を築くためには、垂直関係ではなく水平関係で関わることが大切です。
上司と部下というと、どうしても垂直関係で考えてしまいがちですが、上司も部下も組織が仕事を円滑に進めて、利益を出すために用意されたポジションにすぎないのです。
そのため上司だから部下よりも価値がある、部下は上司よりも価値がないということはないのです。
垂直関係ではなく水平関係を築くためには、叱ること、褒めるをやめる必要があります。
上司が部下を叱ってばかりいると、部下は「自分はダメな人間だ」と無力感を感じてしまい、自分から動こうとしなくなってしまいます。
そして、良かれと思って部下を褒めている上司もいるかもしれませんが、褒めるという行為は、上の立場の人が下の立場の人に行うものです。
褒めることはいいことのように思われるかもしれませんが、褒めることは垂直関係の中で行われる言動なのです。
そこで「よくやった」のように褒める代わりに、助かった、ありがとう、信頼しているという勇気づける言葉をかけるようにしましょう。
そうすることで、部下や後輩と水平関係を築くことができるようになります。
これまで部下や後輩との関係に悩みを抱えていたという方は、自分が勇気をくじく言葉を使っていないか、そして相互尊敬、相互信頼、水平関係を意識して接するようにしてみてください!
イライラするのは相手のせいではない
職場や家庭など、イライラする時は誰にでもあると思います。
また職場では、上司がイライラしていると、周りにも伝染してしまい、みんなイライラしてきてしまうこともあると思います。
そして、イライラしているのは部下のせい、家族のせいだと考えてしまうこともあるかもしれません。
しかし、アドラーは人の感情を目的のための手段だと考えています。
そしてどんな目的も対人関係の中で生まれます。
例えば、上司がイライラしているのには、人を動かすという目的があるかもしれません。
イライラしていれば、部下が気を使ってくれて、動いてくれると考えているのかもしれません。
思い返すと、私が息子にイライラしている時にも、動かすことが目的になっていることがあります。
そんなイライラした状態で部下や家族と接すると、どうしても言葉が強くなってしまったり、威圧的な態度をとってしまうと思います。
またそれを受けた相手は、萎縮してしまい、勇気がくじかれてしまい、さらに動くことができなくなってしまうのです。
そのため、部下や家族などにイライラをした時は、誰に対して、何を求めてイライラしているのかを考えることが大切です。
部下に資料のミスをなくして欲しいのか、子供にちゃんと片付けをして欲しいのか、この誰に対して何を求めてイライラしているのかが分かれば、周りにイライラを撒き散らさずにすみます。
そして、相手に何を求めているのかが分かれば、イライラの感情に任せて怒鳴らなくても、「ここを改善してほしい」と冷静に依頼することができます。
そうすれば、相手の勇気をくじくことなく、相手の課題を解決する方向へ進めることができます。
ぜひ皆さんも、次にイライラしそうになったら、また感情に身を流されそうになったら、誰に何を求めているのかを考えてみてください!
本書では、この記事では紹介しきれていない、仕事や人生で役立つアドラー心理学の知識がまだまだ紹介されています。
そのため、今仕事や人生で悩みを抱えているという方や、アドラー心理学を実生活でどのように活かせばいいのかを知りたいという方は、ぜひ本書を読んでみてください!
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ではでは。