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【要約&書評】なぜ、あの人との会話は嚙み合わないのか

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今回は、米澤創一さん著の『なぜ、あの人との会話は噛み合わないのか』を紹介していきます!

皆さんには、仕事で話が噛み合わなくて困ることがある、こちらが質問をしても、意図した回答が返ってこなくてイライラするといった悩みはないでしょうか?

本書はそういった方に役立つ1冊です。

話が噛み合わないと、うまく仕事が進められなくなってしまいますし、トラブルが起きるもとになってしまいます。

そこで本書では、慶應義塾大学院で、学生満足度97%の大人気講義を受け持ち、コンサルとしてもご活躍されていた著者によって、会話が噛み合わなくなってしまう原因と、その解消法について解説されています!

この記事では、その本書の中から、会話が噛み合わない原因とは?よくあるパターンの対処法、具体と抽象の鍛え方の3つについて紹介していきます!

 


 

なぜ、あの人との会話は嚙み合わないのかの要約

会話が噛み合わない原因とは?

本書では、コミュニケーションを噛み合うものにするためには、具体的知識と抽象化能力の両方が必要であると書かれています。

まず具体的知識とは、会話や仕事の対象についての具体的な知識や情報のことです。

この具体的知識は、解像度✖️視野で決まります。

解像度とは、対象についてどれだけ細かく知っているのか、視野とは、対象について、周辺情報など、どれだけ広く知っているのかということです。

人によって、それぞれ持っている知識や情報は異なるため、話題によって具体的知識のレベルが変わってきます。

私は趣味でポケモンカードをやっているので、ポケモンカードのことであれば、詳しく話すことができますが、他のカードゲームの話は全くわかりません。

もし、遊戯王をやっている人から、遊戯王の話をされても、全くわからないと思います。

それは、私と相手で、遊戯王に対する具体的知識のレベルが違うからです。

仕事でも、自分の専門外の話を詳細に話されて、全く話が理解できなかったという経験がある方もいると思います。

このように、お互いの具体的知識の質や量を意識せずに話してしまうと、相手を置いてけぼりにしてしまったり、相手がその話題に興味を持ち始めたタイミングで、その興味を摘み取ってしまうことになるのです。

続いて、抽象化能力は、具体的な事象や経験から共通点や本質的な特徴を見出し、より一般的な概念や原理として理解し、表現する能力のことです。

この抽象化能力は、パターン認識力、適用判断力、抽象化調整力の3つで構成されています。

まずパターン認識力とは、複数の経験から共通の特徴や法則を見出す能力です。

続いて適用判断力とは、識別されたパターンが使えるかどうかを判断する力です。

最後に抽象化調整力とは、状況に応じて臨機応変に抽象度を調整したり、抽象から具体、具体から抽象への移行ができる能力です。

例えば、相手から、直接的な問題解決や具体的な実装が求められる場合は具体的な情報を出したり、相手から広範囲に当てはまる情報が求められちる場合や、細かい理解よりも概念的な理解が求められている場合は、抽象的な情報を出すといったように、具体と抽象を使い分ける能力が抽象化調整力です。

私たちの思考スタイルは、具体的知識と抽象化能力の組み合わせによって決まります。

具体的知識のレベルが高いが、抽象化能力のレベルが低い人もいれば、反対のケース、またはどちらも低い場合もあります。

また、話題によっても、その人の具体的知識と抽象化能力のレベルが変わるので、思考スタイルも変わることがあります。

そのため、人や話題によって思考スタイルは異なるものであり、その思考スタイルの違いを意識せずに、話をしてしまうと、会話が噛み合わなくなってしまうのです。

例えば、普段ゲームをしない人から、「最近、このゲームが流行っているらしいけど、そんなに面白いの?」と聞かれば場合、細かい設定の話や、操作の話をしたところで伝わりません。

そして、相手からは「よくわからないな、話が噛み合わないな」と思われてしまいます。

操作や設定など具体的な話よりも、いつでもオンラインで他の人と一緒にできるから楽しい、ストレスの発散になるといった、抽象的な話をした方が、相手に面白さが伝わりやすいと思います。

このように、相手とのコミュニケーションを噛み合わせるためには、相手の具体的知識と抽象化能力のレベルを意識することが大切なのです。

また、その会話の目的や質問の意図に合わせて、具体と抽象を使い分ける必要があります。

そのため、具体的知識と抽象化能力が低いと、話が噛み合わなくなってしまうのです。

そこで続いては、よくいる話が噛み合わない人のパターンの例と、その対処法を紹介していきます。

 

よくあるパターンの対処法

本書では、具体的知識と抽象化能力のレベル別に、様々なパターンが解説されていますが、この記事では、その中から、よくあるパターンを3つ厳選して紹介していきます。

まず1つ目が、あいまいな答えしか返せない人です。

あいまいな答えしか返せない人は、具体的知識も抽象化能力のレベルも低いですが、特に具体的知識においては解像度が不十分です。

そのため、正確な情報を聞き出そうとしても、「だいたい〜」「なんとなく」といったような、あいまいな回答しか返ってきません。

それにより、正確な情報が必要な業務の場面で支障をきたしたり、具体的な指示や報告が必要な状況で、曖昧な返事しかできないことで、混乱を招いたりしてしまいます。

曖昧な答えしか返せない人には、抽象的な指示や説明は適していません。

「わかりました!」とリアクションが返ってきたとしても、実際には理解できていないことが多々あるからです。

そのため、指示をする時には、最初にその作業の目的を伝えた上で、具体的な作業内容を伝え、相手の言葉でそれを確認させる必要があります。

また、解像度が高く見えているとは、どんな状態なのかを気づかせてあげることも大切です。

続いて2つ目のパターンが、ふわふわした話をする人です。

ふわふわした話をする人は、抽象化能力は少しありますが、具体的知識のレベルが低い段階にいます。

そのため、抽象的な概念を理解し操ることができるが、物事の詳細を正確に把握できておらず、曖昧な理解のまま、抽象的な話をしてきます。

よく、一般論や理論を語ったり、それっぽい専門用語を多用して話してくることが多いのですが、具体的な話を求めても、抽象的な話に持っていってしまいます。

本書では、このタイプが上司にいる場合は注意が必要だと書かれています。

その理由は、指示が抽象的なことが多く、完成品を提出しても、「なんか違うんだよな」と感覚的なフィードバックしかもらえずに、やり直しが何回も発生してしまうからです。

そのため、上司がふわふわした話をする人の場合、抽象的な指示に対し、具体的にどうするべきかを確認することが大切です。

そして、具体的な実行計画や目標数値を提案して合意を得ておくことで、後から抽象的な指示によって混乱することを防ぐことができます。

また、部下や同僚にふわふわした話をする人がいる場合は、「それは具体的にどういうことですか?」と、掘り下げる質問を投げることが大切です。

最後に3つ目のパターンが、自分だけの理想にのめりこむ人です。

自分だけの理想にのめりこむ人は、具体的知識のうち、特に視野が狭いパターンです。

視野が狭いため、自分の見ている範囲だけは詳しく見えていても、それが全体のごく一部に過ぎないという認識が欠けてしまっています。

そして、自分の成功体験を異なる状況であっても同じように通用すると考えてしまいます。

また、視野が狭いので、重要な要素を見落としたまま話しを進めてしまいます。

そのため、こういった人にアドバイスを求めても、「あなたの状況と今の状況は異なるんだけどな」「今の状況には当てはまらないな」といった回答しか返ってきません。

そこで、自分だけの理想にのめりこむ人からの提案に対しては、多角的な質問をしてあげることが大切です。

「他のチームへはどのような影響を与えるのか?」「上司の立場から考えたらどうか?」といったような、別の角度から考えるための質問をすることによって、狭まっている視野を広げて、考えを促すことができます。

また、他部門や関係者との接点を増やすことによっても、その人の視野を広げることができます。

以上が、今回したよくある3つのパターンです。

本書では、話が通じないパターンがまだまだ紹介されておりますので、ぜひ参考にしてみてください!

 

具体と抽象を鍛える方法

まずは具体的知識の鍛え方を紹介していきます。

先ほども紹介したように、具体的知識は、解像度✖️視野で決まります。

そのため、具体的知識のレベルをあげるためには、解像度と視野の両方にアプローチする必要があるのです。

まず視野を広げるためには、今自分が見えているものは、対象物の全体なのか、部分なのかということを意識するようにしましょう。

見えているものを全体だと勘違いしてしまうと、視野が狭いままになってしまいます。

そのため、常に他に自分が見えていない部分はないかという疑問を持つことが大切です。

そして、自分が見ている範囲は全体ではなく、部分であるということを認識できたら、部下や上司など自分とは違う立場で見てみる、その対象物の前提や背景を考えてみるなど、様々な視点で考えてみることで、視野を広げることができます。

続いて解像度をあげるためには、まず多角的な情報収集が欠かせません。

私たちは、無意識のうちに、自分にとって都合のいい情報だけをピックアップしてしまったり、自分とは反対の意見を無視してしまいます。

そのため、情報収集をするときに、偏った情報の取り方をしてしまうのです。

当然これでは、解像度は低いままになってしまいます。

だからこそ、情報源を複数持ったり、反例についてなど、多角的に情報を集めることが、解像度を上げるために大切なのです。

そして、多角的に情報を集めた上で、対象物を観察していきます。

観察を行う時には、状態、変化、つながりの3つに着目しましょう。

状態とは、大きさや色など目に見える特徴や読み取れる特徴です。

続いて変化とは、観察する対象物は、時間が経過したことによっては、どのように変化しているのかをみていきます。

販売数など、特に数値化されるものは、変化に着目して観察するようにしましょう。

最後につながりは、何と何が関係しているのか、どういった原因がどのような結果を招いているのかといった、構成要素間のつながりです。

このように、多角的に集めた情報をもとに、3つのポイントを押さえて観察をすることによって、解像度を上げることができるのです。

続いて抽象化能力の高め方ですが、この記事では、まず高めるべきであるパターン認識力を高める方法を紹介していきます。

パターン認識力とは、先ほども紹介した通り、複数の経験から共通の特徴や法則を見出す能力のことです。

このパターン認識力は、一つの経験から得られた知見を他の経験に活かすためには、必須の能力です。

そこで、パターン認識力を高めるためには、パターン認識を妨げる罠に自分が陥ってしまっていないかを考えていきましょう。

本書では、パターン認識を妨げる罠には、次の3つがあると書かれています。

 

①表面的な類似性だけで判断してしまうワナ

②自分の経験則だけで判断してしまうワナ

③都合の良いパターンだけを見つけるワナ

『なぜ、あの人との会話は噛み合わないのか』より

 

では、この3つの罠から抜け出すためには、どうすればいいのか?

本書では様々な方法が紹介されていますが、この記事では1つ紹介していきます。

それが、反例を意識的に探す習慣です。

先ほども触れたように、人は自分にとって都合のいい情報ばかりをピックアップしてしまう傾向があります。

そのため、自分が見出したパターンが当てはまる事例ばかりに目がいってしまうのです。

そこで、自分が見出したパターンが当てはまらない事例はないか、反例を探すようにしましょう。

そうすることで、自分以外の様々な視点からの意見を得ることができ、パターン認識力を鍛えることができるのです。

以上が、今回紹介する具体的知識と抽象化能力の鍛え方です。

本書では、今回紹介した方法以外にも、様々な方法が解説されておりますので、ぜひ参考にしてみてください!

 

 

本書では、この記事では紹介しきれていない、話が噛み合うために大切な具体と抽象、そして話が噛み合わないパターンについて、まだまだ解説されています。

そのため、仕事で話が噛み合わない人がいて困っているという方や、自分が話が噛み合わない人になっていないか不安だという方は、ぜひ本書を読んでみてください!

 

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ではでは。

 

 

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