今回は、竹内薫さん著の『スーパーAIが人間を超える日 汎用人工知能AGI時代の生き方』を紹介していきます!
皆さんは、AGIが何かを知っているでしょうか?
おそらく、AGIという言葉自体を聞いたことがないという方も多いかもしれません。
ソフトバンクの孫正義さんが、2023年に開催された「SoftBank World 2023」の特別公演で、AGIが何かを知っているか問いかけたところ、会場にいるほとんどの人の手が上がらず、孫正義さんはAGIを知らないということがヤバいということを知ってくださいと警鐘を鳴らしたそうです。
そして、孫正義さんは、AGIの世界が今後10年以内にやってきて、全ての産業が変わると話しています。
今私たちの生活の中にも、AIが浸透してきていますが、AGIの時代になると、働き方や生き方がさらにガラリと変わるのです。
そのため、このままAGIのことを知らずに、AGI時代を迎えてしまうと、変化に追いつけず、取り残されてしまうのです。
そこで本書では、AGIとは何なのか?また私たちの生活や仕事はどのように変わるのか?について詳しく解説されています。
この記事では、その本書の中から、従来のAIを超えるAGIとは?現時点で私たちが知っておくべきこと、AI時代に仕事がなくなる人の3つについて紹介していきます!
スーパーAIが人間を超える日 汎用人工知能AGI時代の生き方の要約
従来のAIを超えるAGIとは?
まず、AGIとは、artificial general intelligence のことで、人間のような高度で幅広い知識を持つ、汎用性の高い人口知能のことです。
このAGIは、現段階ではまだ実現には至っておりませんが、今特に注目を集めているAIです。
少し前から大きな注目を集めている Chat GPTなどの従来のAIと大きく異なるのは、AGIはまるで人間のように熟考し、人間の感情を理解する能力を持っているという点です。
そのため、AGIが実現すると、私たちは、AIとより人間同士に近いコミュニケーションをとることが可能になるのです。
それにより、コールセンターやカスタマーサポートでは、人に変わって、AGIがお客様対応をしてくれるようになったり、私たち人間の意思決定をサポートしてくれるなど、仕事や日常において幅広く活用されるようになります。
また、これまでのAIとAGIの違いをする上で大切なのが、弱いAIと強いAIという2種類のAIです。
まず弱いAIとは、現在のビジネスで多く使われているAIで、機械学習やディープラーニングなど、ある分野に特化した高度な学習が可能なAIです。
例としては、画像認識や映像認識、対話型チャットボットなどが挙げられます。
最近では、チャットボットによってAIに相談しながら知りたい情報が聞けるWEBサイトが出てきたり、電話でも最初の受付はAI自動音声応答システムを取り入れている企業もあります。
このように、徐々に私たちの生活に浸透してきているAIですが、ある分野に特化した高度な学習が可能である一方で、感情を理解せず、人間と同じように行動や思考をするのが難しいのです。
また、人間のように、複数のタスクを柔軟にこなしたり、自ら考えて未知の問題を解決するということはできないため、弱いAIと呼ばれているのです。
一方で、強いAIとは、AI自身が多くの情報を処理して、人間に近い思考回路や感情を持っているAIのことです。
さらに、人間のような幅広いタスクを柔軟にこなし、未知の課題や状況にも莫大なデータに基づいて自ら学習することで、状況に応じた適切な判断ができます。
そのため、これまで人間が担っていた仕事の多くは、AGIでも人間と同じように行うことができるようになるのです。
先ほど紹介したAGIは、強いAIに属しています。
このように、これから実現が大きく期待されているAGIは、これまで私たちが仕事や日常生活で使ってきたAIとは大きく異なるものであり、私たちの働き方や生き方をガラリと変える可能性があります。
そして、このAGIが、今世の中から求められているのには、次の3つの理由があると、本書では書かれています。
①汎用性が高い
②労働力不足の解消
③新たな技術革新
まず、一つ目の汎用性が高いですが、AGIは先ほども紹介したように、AI自らが学習して、人間のように、状況判断をしたり意思決定をしてくれます。
それにより、仕事や日常など、あらゆることに活用することができ、より私たちの暮らしを便利なものにしてくれるのです。
続いて2つ目の理由である労働力不足の解消ですが、今日本では、あらゆる業界で人手不足が叫ばれています。
特に介護や教育は、人が足りないと、以前から言われています。
そこで、AGIが実現すれば、そういった仕事を人間の代わりにやってくれるため、人手不足を解消することができるのです。
さらに、AGIは人間の感情を理解する能力があるため、その人に合わせたサービスを提供することも可能なのです。
そのため、今まで人手不足で悩まされてきた業界や職場は、AGIの実現によって、一気に改善されることが予想されます。
最後に3つ目の新たな技術革新ですが、AGIが莫大なデータを学習し、自らアウトプットをしてくれることで、今までになかったビジネスモデルやサービスが生まれていく可能性があります。
また、新薬など、これまでなかなか開発が進んでいなかった分野も、AGIを活用することで、一気に開発が進み、どんどんと新しいものが生まれていくようになるのです。
以上が、今AGIが世の中から強く求められている理由です。
この記事では、本書で書かれていることから、内容を抜粋して紹介しておりますが、これだけでもAGIがこれまでのAIとは大きく異なること、そして、私たちの暮らしを大きく変えてくれることがわかると思います。
では、私たちはAGIが実現する社会に向けて、どのような準備をすればいいのか?
そこで続いては、私たちが現時点で知っておくべきことを紹介していきます!
現時点で知っておくべきこと
これからの時代に備えて、AIについて勉強しようと考えているビジネスパーソンや、AIを取り入れようとしている企業は、だんだんと増えています。
皆さんの中には、「もしかしたら、自分もAIについて学ばないとヤバいのでは?」と感じている人もいるかもしれません。
では、これからくるAI時代に備えるために、私たちは今何を知るべきなのか?
そこで本書では、今現時点で私たちが知っておくべき、AIのキホンが2つあると書かれています。
まず一つ目が、ディープラーニングです。
ディープラーニングとは、AIの機械学習の方法の一つで、身近なところでは、IPhoneの顔認証、SiriやAlexaなどの音声認識、セキュリティ監視や品質管理といったところで活用されています。
このディープラーニングには、人間の脳の神経回路にヒントを得たニューラルネットワークという仕組みが使われています。
そして、ニューラルネットワークは、学習データを入力する入力層と、データの分析処理を行う隠れ層、分析結果をアウトプットする出力層の3つの層で構成されています。
一般的なデータ分析では、入力データと出力データを分析するのみですが、ニューラルネットワークにより、データ分析の階層が増え、複雑なデータ処理ができるようになりました。
それにより、従来ではデジタル化するのが難しかった自然言語や画像、音声といった複雑な非構造かデータをAIが学習できるようになったのです。
先ほど例に挙げたように、さまざまな分野でディープラーニングは活用されています。
続いて知ってくべきAIのキホンの2つ目が、生成AIです。
ChatGPTの登場により、大きな注目を集めている生成AIですが、生成AIは学習済みのデータを活用してオリジナルデータを生成するAIのことです。
生成AIは、ChatGPT以外にも、様々な画像生成AIや音声生成AI、動画生成AIに活用されています。
これほどまでに、今生成AIが注目を集めているのは、これまで人間にしかできなかった、新しい何かを生み出すというクリエイティブな作業をAIができるようになったからです。
そして、生成AIが新しいコンテンツを生み出すためには、大量の学習データを与える必要があり、そのデータ分析に使われているのがディープラーニングなのです。
ディープラーニングのおかげで、生成AIは自ら学習を重ねられるようになり、我々が学習データをAIにインプットしなくても、生成AI自身がオリジナルのコンテンツを生み出すことができるようになりました。
とはいえ、生成AIは、人間のように感情を理解する力を持っていません。
そこで次に注目をされているのが、人間の感情を理解する力を持つ、AGIなのです。
では、最後にこのAGIが実現すると、私たちの働き方は、どのように変わるのか、またどんな人がAIに仕事を奪われてしまうのかを紹介していきます。
AI時代に仕事がなくなる人
従来のAIは人間をサポートする役割がありました。
実際に今では、わからないことがあると、ChatGPTに質問をして仕事を進めているという人もいると思います。
AIがAGIへと進化していくと、サポートする役割から、パートナーというレベルにまで到達するのです。
現在、多くの日本企業では、ピラミッド型の組織を採用しています。
ピラミッド型の組織では、組織の最上位に、最も権力が大きい人(社長や経営者)をおき、その下に部長や課長など役職のある人、さらにその下に一般従業員を配置していきます。
しかし、現代は変化が激しく、迅速かつ柔軟な意思決定が求められるため、トップからの指示がないと動けないピラミッド型の組織から、変化に柔軟に対応できるフラット型の組織に変える企業も増えていきています。
このピラミッド型の組織からフラット型の組織への動きを強めるのがAGIであると本書では書かれています。
これまで人間が担ってきた作業の多くをAIが代わりにやってくれるようになることで、より少ない人材で業務を回すことができるようになるため、組織構造が見直されるようになるのです。
そして、AGIが実現することによって、究極のフラット型組織である、一人部隊のプロジェクトチームが当たり前の組織になるのではないか?と著者は予想しています。
1人部隊のプロジェクトチームでは、すべての人間がマネージャーとしての肩書を持ち、部下の代わりにAGIをマネジメントしながらプロジェクトを進めていきます。
そうなると、我々人間の仕事は、単純作業はなくなり、新しくプロジェクトを立ち上げることや、AGIをマネジメントしながらプロジェクトを進めていくことになります。
このような環境では、指示待ち人間は間違いなく、AGIに仕事を奪われてしまいます。
言われたことだけをやるような人材は、AGIで十分なので、わざわざ人を雇ってまでやらせる必要はないのです。
これまでめんどくさいと思っていた作業をAGIが代わりにやってくれるのは、夢のように感じるかもしれませんが、それは決して人間が何もしなくてはよくなるわけではなく、AGIができるようなことしかやってこなかった人にとっては、危機的な状況になるわけです。
そのため、これからのAI時代、生き残るためには、AIについて学ぶことはもちろん、指示待ち人間から脱却するために、主体的に新しいことをはじめる力や、課題発見力といった力も鍛えていく必要があると思います。
本書では、この記事では紹介しきれていない、AGIについてまだまだ書かれています。
そのため、AGIを知らなかったという方や、これからくるAI時代にどのように備えていけばいいのかを知りたいという方は、ぜひ本書を読んでみてください!
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ではでは。