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要約&書評

【要約&書評】勉強脳: 知らずしらずのうちに結果が出せる「脳の使い方」

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今回はダニエル・T・ウィリンガム氏著の『勉強脳:知らずしらずのうちに結果が出せる「脳の使い方」』を紹介していきます。

著者のダニエル・T・ウィリンガム氏は、アメリカを代表する心理学者です。

長年学習と記憶に焦点を当てた研究を行い、現在は、学校教育への心理学の応用を専門とされています。

本書はその著者によって、本当に効果がある、知っているだけで周りと差がつく勉強法について書かれています。

本書で書かれている勉強法の多くは、授業の受け方、ノートの取り方、試験の対策法など、主に大学生に役立つ情報がのっています。

ですが私のyoutubeチャンネルの視聴者の多くは社会人や高校、大学を卒業されている方ですので、今回は個人学習でも実践しやすい、脳に残る読み方と勉強と気が散りそうなときの対処法を紹介していきます!


勉強脳の要約

脳に残る読み方

皆さんは、本や参考書など、どのように読んでいるでしょうか?

なんとなく最初から読んで、なんとなく重要そうな部分にマーカーを引いて終わりになっていないでしょうか?

本を読んで、マーカーを引くことは、勉強の鉄板ですが、当然マーカーを引いただけで記憶に定着しやすくなるわけではありません。

そもそも、初めて読む文章なのにも関わらず、最初から大事な部分が分からないと思います。

読みながら線を引いたけど、見返したときに、なんで引いたんだっけ?となぜ大事なのか後で分からなくなってしまうこともあると思います。

また、線を引くことで満足してしまい、読み終わった本は本棚で眠ってしまっているなんてことも、ざらにあると思います。

それでは残念ながら、脳に定着しません。

そこで、なんとなく読んで、線を引て終わりにしないためには、SQ3R法という読み方を実施していきましょう。

SQ3R法は、次の順で本を読んでいきます。

 

①Survey(ざっとながめる)

②Question(質問を立てる)

③Read(読む)

④Recite(暗唱する)

⑤Review(復習する)

『勉強脳』より

 

まず①Survey(ざっとながめる)では、見出しや小見出し、図などをざっとながめて、何が書かれているのかをおおまかにつかみます。

そして、おおまかに内容をつかんだら、②Question(質問を立てる)です。

ここでは、そこに回答が書かれていると予想される質問を立てていきます。

見出しから質問を立てると簡単に実践することができます。

例えば、「頭に残る本の文章の読み方」という見出しがあったら、「頭に残る本の読み方とは何か?」という問いを立てることができます。

問いを立てることができたら、③Read(読む)です。

この時は、何となく文章を読んではいけません。

②で自分で立てた質問の答えを探しながら読んでいくことが大切です。

そして、節を読み終えるたびに、④Recite(暗唱する)をしていきましょう。

ここでは、誰かに説明するつもりで、読んだ内容を暗唱していきます。

内容を要約して、②で立てた質問を答えられているかをチェックしていきます。

本を読んでいると、実は正しく理解できていないのに分かった気になってしまっているところがあると思います。

暗唱をすることで、そういった誤解してしまっている部分に気がつくことができます。

また、ご存知の方も多いかもしれませんが、人に教えることを前提に勉強をするだけで、記憶の定着率が上がることが実際の研究からも分かっています。

もちろん、自分が読んだ本の内容をシェアする相手がいないという方もいるかもしれませんが、目の前に架空の相手がいると想定して、実際に説明してみることで、同じような効果を得ることができると思います。

そして最後は、⑤Review(復習する)です。

一度読んだだけで内容を完璧に覚えられるなんてことはありません。

読んだ直後は覚えていられるかもしれませんが、次の日や次の週にはほとんど忘れてしまっていると思います。

だからこそ、継続的に再読をして復習することが大切です。

一見、SQ3R法はめんどくさく感じるかもしれません。

一冊をじっくり何度も読むことは、あまり面白みが感じられないかもしれません。

ですが、せっかく読んでも、読んで終わりでは、すぐに記憶に定着せず、読んだ時間や労力がムダになってしまいます。

そのため、勉強は長期的に考えて、じっくりと学んでいく方がいいとい思います。

これまで、何となく本や参考書を読んでいたという方は、ぜひSQ3R法を試してみて下さい!

 

気が散りそうなときの対処法

勉強をしていると、スマホの通知が気になったり、勉強の内容とは別のことが頭に浮かんできてしまうなど、気が散ってしまうことがあると思います。

集中していない状態では、当然学習効率が下がり、記憶の定着も悪くなってしまいます。

人は、状況を用意する、注意が移る、認識する、反応するの4つの過程を経て注意が散漫になります。

まず状況を用意します。

勉強するための状況を作ります。

おそらく、机の上やズボンのポケットの中にスマホがあるということが多いと思います。

そして、スマホの通知音が鳴り注意が勉強からスマホへ移ります。

そこでスマホをみて、スマホの通知が重要だと認識して、スマホを開くことで反応します。

この4つの過程を経た結果、勉強が中断されてしまいます。

最悪の場合は、そのままスマホをだらだらと使い続けてしまい、勉強に戻ってこられなくなってしまいます。

そこで、注意が散漫してしまうことを防ぐためには、この4つの過程のどこかで断ち切る必要があります。

一番簡単なのは、状況を用意する段階です。

この段階で、スマホを含む、あなたの注意を散漫させる危険性のあるものを、近くから排除しておくことで、注意が散漫してしまうことを防ぐことができます。

とはいえ、あなたの集中力をそいでしまうのは、スマホだけではないと思います。

その日に嫌なことがあったり、悩み事があったりして、勉強に集中することができないということもあると思います。

また他にも、今日の夜ご飯には何にしようかな?など、まったく関係のないことが頭に浮かんでくることもあるでしょう。

そういったときの対処法はとても簡単です。

「それ本当に重要?」と、実際に口に出して自分に聞いてみましょう。

今勉強中だけど、本当に夕ご飯のことを考えることが重要なのか?と自問することで、勉強に意識を戻すことができます。

この方法はとても単純ですが、感情が絡むことに対しては効果が薄くなってしまいます。

皆さんにも、悲しい出来事があったときに、頭では集中しなければいけないのは分かっていても、つい考えてしまうことがあると思います。

そういったときに、単に「それ本当に重要?」と自問しても、なかなか集中することができません。

そこで感情が絡むような問題には、心理的距離を置くテクニックを使っていきましょう。

具体的には、第三者の視点に立って自分のことを語っていきます。

今○○(自分の名前)は恋人に振られてしまって悲しい、どうすれば悲しみを晴らすことができるか分からない、だが今は来月の試験に向けて勉強をする必要がある

このように、第三者の視点から自分をみて、今悩んでいることが本当に重要かを考えることで、勉強に意識を戻すことができるようになります。

また心理的距離の置き方は、私が以前に紹介した『The power of regret』で紹介されていた方法も役に立つと思います。

本書では、後悔との向き合い方で3つの心理的距離の置き方が紹介されています。

一つは、先ほど紹介した主語を自分の名前など、一人称以外に置き換えて考える方法です。

残り二つは、空間的距離を置く、時間的距離を置くです。

まず空間的距離を置く方法には、壁のハエという古典的な手法があります。

壁のハエでは、自分の視点ではなく、壁に止まったハエが部屋を観察するように、第三者の視点から自分の後悔を分析していきます。

続いて時間的距離の置き方は、10年後の自分がどう思うかを考えていきます。

勉強に応用すると、今回の失恋を10年後の自分はどう感じているか、また失恋によって勉強を辞めてしまったことを10年後の自分はどう思うかを考えることで、勉強しなくはと集中することができると思います。

勉強に集中できずに困っているという方は、ぜひ今回紹介した方法を試してみて下さい!

 

私のチャンネルでは、勉強法について書かれた本を多数紹介しています。

海外塾講師ヒラさん著の『勉強嫌いでもドハマりする勉強麻薬』の紹介動画では、勉強をしないと気持ち悪くなるほど、勉強に依存する方法を紹介しています。

勉強に対するモチベーションがなかなか上がらないという方は、ぜひこちらの動画も参考にしてみて下さい!

 


 

この動画では、社会人の方をメインに個人学習でも実践しやすいものを厳選して紹介してきました。

ですが、本書では学生の方向けの授業の受け方、ノートの取り方、テストの対策法など、成績上位者が実践している勉強法がたくさん紹介されています。

そのため、成績を上げたいけどどうすればいいか分からない、試験勉強を成功させたいという方は、ぜひ本書を読んでみて下さい!

 


ではでは。

 

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