今回は、ジム・ハンデハイ、マイク・アレン、ロイ・シュウォーツ著の『Simple 簡潔さは最強の武器である』を紹介していきます。
皆さんには、簡潔に伝わりやすい文章を書くことが苦手、メールや資料などせっかく書いても読んでもらえないといった悩みはないでしょうか?
本書はそういった方に役立つ1冊です。
本書の著者たちは、この10年の全米で最も成功したデジタルメディアの1つである「AXIOS」の創業者の3人です。
本書では、その3人によって、文章を簡潔にしつつ、読み手を惹きつけるためのコツが書かれています。
この記事では、その本書の中から、ほとんどの文書は読まれていない、スマートシンプルの4原則、いちばん大事なことの3つについて紹介していきます。
Simple「簡潔さ」は最強の武器である
ほとんどの文章は読まれていない
私たちの日常は、多くの言葉で溢れています。
チャット、メール、SNS、ニュース記事など、私たちは今人類史上最も多くの言葉に触れながら生きています。
しかし、その大量の言葉により、私たちの脳は疲れてしまい、集中力と忍耐力が低下してしまっています。
さらに私たちの脳は注意散漫であり、分刻みで気を散らすものが、周りに増えてしまったことで、脳が余計に混乱してしまっているのです。
実際に皆さんも、一つの記事や動画を見終わる前に、次のものへ移ってしまったり、文章を読んでいる途中で集中力が途切れてしまって、別のことをしてしまうことが日々あるのではないでしょうか?
そして、一度途切れてしまった集中力が元に戻るまでには、20分以上かかります。
このように私たちの生活の中に言葉が溢れるようになったのには、インターネットとスマートフォンの登場が関係しています。
この2つの登場により、私たちは、いつでもすぐに、情報を閲覧したり、発信することができるようになりました。
それにより、私たちは必要な時に必要な情報を得ることができます。
しかし、問題は私たちがメールや論文、記事など、あらゆる文章を1980年代と同じように書いてしまっていることです。
日々多くの選択肢があり、一つ一つにかける時間が短く、絶えず集中力が乱されているのにも関わらず、私たちは昔のように、冗長な文章を書いてしまっているのです。
その結果、仕事では読むべきメールが未読のままになっていたり、世の中に出回っている記事のほとんどは読まれていなかったりなど、あらゆるところで言葉の浪費が起こってしまっています。
実際に皆さんも仕事でメールを送信したのに相手が読んでくれていなかった、せっかく資料を作ったのに、相手が読んでくれず、自分の案が却下されてしまったといった経験があると思います。
そこで、私たちは、伝えたいことをちゃんと伝えるために、現代の言葉の消費のされ方に合わせて、伝え方を変える必要があります。
そして、そのための方法こそが、本書で紹介されているスマート・シンプルなのです。
スマートシンプルの4つの原則
スマートシンプルとは、その名の通り、物事をスマートに短く表現することです。
多くの人は、言いたいことがあると、それをストレートに言わず、くどくどした補足や無意味な雑談で台無しにしてしまいます。
そこで、物事をスマートに短く表現するためには、スマートシンプルの4つの原則を実践していきましょう。
①タイトルで心をつかむ
②リード文でいちばん大事なことを伝える
③なぜそれが重要か?文脈で示す
④さらに知るで詳細を伝える
『Simple』より
ある研究によると、クリックした情報が気になるかどうかを、脳は0.017秒で判断していることがわかっています。
そのため、メールの件名や記事など、誰かの注目を引くためには、強い言葉を使って、タイトルで心をつかむことが大切です。
タイトルの次には、リード文(最初の1文)で相手の知らないことや、知りたいであろうことを、短く簡潔に書いていきます。
そうすることで、強いタイトルによって惹きつけた読み手に、もっと先を読みたいと感じてもらえるようにします。
そして、リード文の次には、なぜそれが重要なのかを書いていきます。
日々忙しい中で、何が重要で、なぜそれが重要なのかを理解せずに、文章を読んでしまうことがあると思います。
それでは、せっかくタイトルやリード文で惹きつけて、続きを読んでもらったとしても、伝えたいことがちゃんと伝わらなくなってしまいます。
だからこそ、なぜそれが重要なのかを、文脈の中で伝えることが大切です。
最後に、詳細な情報や補足情報を続けていきます。
こういった情報は、最初から中盤に入れるべきではなく、最後に入れることで、読み手に知りたいかどうかを判断させましょう。
ウェブ記事の場合は、詳細な情報が書かれたサイトのリンクを張ることも効果的です。
以上が、スマートシンプルの4原則です。
本書では、この4原則を使った事例が数多く紹介されておりますので、ぜひ参考にしてみてください!
いちばん大事なこと
本書では、本書から一つ学ぶことがあるとすれば、「相手に知ってほしいことを1つだけ抽出し、それをはっきりと伝えるようにすること」であると書かれています。
そして、その相手に知ってほしいことを力強い言葉で、リード文に書かなければいけません。
人々は、メールにしろ、記事にしろ、一語一句読むことはなく、ざっと目を通して、何が書かれているのか?時間を割くに値することなのか?の2つを判断します。
だからこそ、書き出しの1文であるリード文でその2つについて、力強い言葉で伝える必要があります。
とはいえ、力強いリード文をつくることは簡単なことではありません。
実際に、多くのジャーナリストでさえも、引き締まったリード文を書くのに苦労しています。
そこで、力強いリード文を書くためには、次の5つのポイントを考えてみましょう。
①いちばん大事なポイントを突きつめる
②エピソードは省く
③1文でメッセージを言い切る
④「副詞」「弱い言葉」「あいまいな言葉」をそぎ落とす
⑤最後に自問する
『Simple』より
弱い言葉とは、もったいぶった言葉や新聞などでよく使われている誰も口にしない言葉などのことを指しています。
こういった言葉を使ってしまうと、短い一文で、伝えたいことが伝えられなくなってしまいます。
そしてリード文を作ったら、最後に「相手がこの1文しか読まない、あるいは聞かないとしたら、これが本当に自分の訴えたいことか?」を考えるようにしましょう。
以上が、力強いリード文を作るためのコツです。
普段なんとなく文章を作ってしまっていたという人は、ぜひ5つのポイントを意識してリード文を作ってみてください!
本書では、この記事では紹介しきれていない、短く簡潔に文章を作るための方法がまだまだ紹介されています。
そのため、簡潔な文章が書けるようになりたい、伝わりやすい文章を書くことが苦手だという方は、ぜひ本書を読んでみてください!
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ではでは。