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【要約&書評】がんになってわかった人生とお金の本質

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今回は、山崎元さん著の『がんになってわかった人生とお金の本質』を紹介していきます。

著者の山崎さんは、2022年の夏に喉頭がんを食道がんが発症し、2024年に亡くなられました。

本書では、山崎さんががんになってから分かった、幸福に生きるための人生とお金の本質について書かれています。

多くの人は、自分の死や自分ががんになったときのことについて、あまり深く考えようとはしません。

むしろ、他人事のように考えてしまいます。

そして、いざ自分の寿命があまり長くないことを知った時、「ああしておけばよかった」「もっとこうしておけばよかった」と後悔することになる可能性があります。

そこで本書で書かれている、山崎さんが考える、人生とお金の本質を、元気な今のうちに知っておくことで、悔いのない人生にするためにはどうすればいいのか考えることができます。

この記事では、その本書の中から、お金は増やし方より使い方が大切、お金より大事なものに気づく方法、やっぱりがん保険はいらないの3つについて紹介していきます。


がんになってわかった人生とお金の本質の要約

お金は増やし方より使い方が大切

以前より若いうちから資産形成を始めて、FIREを目指す生き方が注目を集めています。

実際に本屋さんにいくと、FIREをするための方法について書かれた本がたくさんおいてありますし、このチャンネルでもいくつか紹介してきました。

しかし、山﨑さんは、若いうちから資産形成をして、FIREを目指す生き方に疑問を持たれています。

例えば、年間の手取りが500万円あるとして、半分で生活をして、もう半分を年率4%で回すとします。

そうすると約17年で金融資産は6250万円を突破します。

6250万円を突破すれば、年間250万円のリターンを得ることができ、毎年の生活費を働かずとも賄うことができます。

もちろん、資産形成をすることで、経済的自由を手に入れることができれば、その先に幸せな人生を手に入れることができるかもしれません。

しかし、そこまでに到達するまでにかかった10数年間は、毎日が倹約の繰り返しで、20代、30代と若い期間が終わってしまいます。

また年間250万円ですと、月に使えるお金は20万円ほどです。

それでは、知識や経験、人間関係などへの投資に使えるお金が過小になってしまい、将来稼げる力がより小さくなってしまいます。

さらに、若いうちから年間手取り500万円をもらうことができる人は、あまりおらず、年間250万円を投資に回そうとしたら、もっと少ない生活費でやりくりする必要が出てきます。

そういった生活で貴重な若い時代を過ごしてしまって、本当に幸せな人生になるのでしょうか?

もちろん、FIREを目指すことも選択の一つではありますが、お金には使いどきがあり、そのタイミングを逃して、貯蓄することばかりに専念してしまうと、あとで後悔してしまう可能性があります。

実際に本書では、もし山﨑さんが若いサラリーマンに戻れるとしたら、就職後の2、3年はお金を蓄えることよりも、自分が仕事のスキルを得ることや、人材価値を高めることに時間とお金を使いたいと書かれています。

そして、25歳くらいから収入の1〜2割を貯めて、経済的な備えを作り、毎月5千円ずつiDeCoと新NISAで投資を始めます。

当然そこから、20代、30代と少額でも投資を続けてはいきますが、「自分の人的資本への投資」になるような使い道と、「この時期にしかできない経験」に対する支出はNISAを解約してでも行うと本書で書かれています。

よく日本人の多くは死ぬときに1番お金を多く持っていると言われますが、いざ年をとって病気になり、自分の命が長くないことを知ったときに、なるべく後悔をしないように、若いうちは資産形成だけでなく、お金の使い方についても考えることが大切だと思います。

 

お金より大事なものに気づく方法

「世の中にはお金よりも大事なものがある」とは、よく聞くセリフです。

しかし、お金も大事なものであることに間違いはありません。

そのため、お金に先に意識がいっている状態で、お金よりも大事なものに気づくのは容易なことではありません。

本書では、それはお金には複数の厄介な性質があるからだと書かれています。

お金にとらわれないようにするためには、まずこの厄介な性質と向き合うことが大切です。

まず一つ目の性質が、比較尺度としての貨幣です。

モノやサービス、親切、時間など、この世のあらゆるものは、お金に換算して価値を比較することができます。

さらに、自分よりもあいつの方が稼いでいるなど、比較は、人間同士でも行われます。

もちろん、お金に換算して価値を比較できることは、便利な場合もあります。

しかし、その比較尺度としての貨幣に意識が向きすぎてしまうと、お金より大切なものに気づくことができなくなってしまうのです。

続いて2つ目の性質が貨幣の物神性です。

お金を持っていれば、ほとんどのものは買うことができます。

さらにお金がないと不安になりますし、これだけあれば安心だという基準もありません。

そのため、お金はいくらでも欲しくなりますし、足りないと感じると、不安になってしまうものなのです。

最後に3つ目の性質が貨幣愛が生む需要不足です。

人は将来が不安になると、お金をより多く保有したいと考えるようになります。

不況になると、不安がますため、貨幣保有の需要はさらに高まります。

その結果、景気が悪化してしまったり、銀行にお金が停留することで、デフレを招くようになってしまいます。

こうなると、ますますお金を保有することの需要は高まり、お金以外に大切なことへ目をむけることが難しくなってしまうのです。

以上、ここまでお金の厄介な性質を3つ紹介してきました。

では、この厄介な性質を乗り越えて、お金より大切なものに気づくためには、どうすればいいのか?

山﨑さんは、怒りがそのスイッチになると書かれています。

実際に著者が住友信託銀行に勤められていたときに、自分の経済や金銭的な損得に反するリスクがあったのにも関わらず、内部告発をしたことがあったそうです。

山﨑さんは、当時の職場を気に入ってはいたし、内部告発をすることで、生活をリスクに晒す行動ではありましたが、ファンドマネージャーとして、内部で行われていた利回り保証、パフォーマンスの誤魔化し、顧客の利益の盗み出しを許すことができなかったそうです。

このように、怒りによって、職業人としてのプライドというお金より大切なものを山﨑さんは見つけることができたのです。

当然怒りに身を任せるだけでは、適切な判断を下すことができません。

お金よりも大切なことを見つけるためには、怒りを信用や共感、プライドに変換する必要があります。

そのため、特に強く怒りを感じた際には、その怒りがなぜ生まれたのかという怒りの理由を掘り下げてみることで、自分が本当に大切にしていることは何かを考えてみてください。

 

がん保険はやっぱりいらない

山﨑さんは、2022年の夏頃に食道癌が見つかりました。

そこから癌の治療がおこなっていくわけですが、山﨑さんはガン保険に入っていなかったそうです。

しかし、がん保険に入っていなくても、全く問題がなく、がん保険に入らないという選択は、広い範囲の人にとって正しいものであると、本書で書かれています。

それは、治療費は貯金で楽に間に合うからです。

実際に山﨑さんが、2022年8月に食道癌と診断されてから、2回の抗がん剤治療、一度の手術を受けて、払った医療費は約235万円だったそうです。

このうち、160万円は入院1日あたり4万円かかるシャワー付き個室を選んだからであり、合計40泊したため、費用が余分にかかりました。

個室代を引いた金額は75万円になります。

この金額は国の高額医療費制度の上限を適応しながら払った金額です。

さらに、山崎さんが2022年時点で加入していた、東京証券業健康保険組合では、医療費一回の支払いが2万円を超えた部分を保険組合が補填してくれる機能がありました。

そのため、最終的に山崎さんがどうしても払わなければいけなかった医療費は約14万円だったそうです。

こういった制度は、著者が加入していたものに限らず、各健康保険組合で似たようなものが設定されています。

以上のことを踏まえると、がんになったからといって、かなり高額な医療費を払わなければいけないというわけではなく、貯蓄で十分まかないきれるレベルなのです。

もちろん、がん保険に入っていれば、がんになったときに受け取れるお金もあります。

しかし、がんになるまでに、本当に癌になるか分からないときから、保険料を払い続けなければいけません。

それであれば、がん保険に払え分を投資など、資産形成に回して、たとえがんになったとしても、問題なく払えるようにしたほうがいいのです。

保険については、様々な意見や考え方があると思いますが、以上のことから山崎さんは、がんにかかっても、なおがん保険はいらなかったと考えていると本書では書かれているのです。

 

本書では、この記事では紹介しきれていない、山崎さんが、がんになってわかったお金と人生の本質がまだまだ書かれています。

そのため、興味のある方はぜひ本書を読んでみてください!

 

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ではでは。

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