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要約&書評

【要約&書評】THE POWER OF REGRET 振り返るからこそ、前に進める「後悔」には力がある

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今回は、ダニエル・ピンク氏著の『THE POWER OF REGRET 振り返るからこそ、前に進める「後悔」には力がる』を紹介していきます。

誰しもが、これまでの人生において、後悔をした経験があると思います。

仕事や人間関係、学業など、人によって様々な後悔があると思います。

もしかしたら、今まさに深く後悔しているという方もいらっしゃるかもしれません。

後悔というと、どうしてもマイナスなイメージがあると思います。

そのため、後悔をしない人生を送りたいと思っている方も多いのではないでしょうか?

本書はそういった考えや後悔に対するマイナスなイメージを払拭してくれる1冊です。

本書では、世界のトップ経営思想家を選ぶ「Thinkers50」の常連である著者によって、後悔とは何なのか、また後悔のもつ力について徹底的に解説されています。

この記事では、その本書の中から後悔とは何なのか、後悔がもたらす3つの恩恵、そして正しい後悔との向き合い方について紹介していきます。

 

The power of gritの要約

後悔とは何なのか?

自ら進んで後悔したいという人はいないと思います。

誰しもが、できる事なら後悔をしたくないと感じていると思います。

ですが、その思いとは裏腹に多くの人は後悔をしてしまいます。

では、なぜ私たちはしたくない後悔をしてしまうのか?

それは、私たちに人間には、タイムトラベルとストーリーテリングの2つの能力が備わっているからです。

まずタイムトラベルとは、過去と未来を訪ねる能力です。

もちろん現実世界でタイムトラベルをすることではなく、脳内での話です。

続いてストーリーテリングとは、実際に起きていないことをストーリーとして語る能力です。

例えば、社会人になってから大学に行っておけば良かったと後悔している人がいるとします。

この人は、現状に満足いかず、まず進学か就職かの選択をしていた過去に立ち戻ります。

そして、実際に就職を選択したことを無かったことにして、大学に進学したシナリオを頭の中で思い描いているのです。

過去のシナリオを思い描いたら、現在へと戻り、大学に進学していた場合の自分のシナリオを頭の中で思い浮かべ、「大学に行っていれば今頃もっといい仕事につけていた」と後悔するのです。

このように、人間だけが持っている超能力とも言えるタイムトラベルとストーリーテリングという2つのプロセスを経て、私たちは後悔をしているのです。

後悔はさらに2つのステップを経ることで完了します。

一つ目が比較です。

単に悲惨な状態にあるだけでは後悔はしません。

悲惨な状態にある時には、悲しみや絶望を感じます。

そこからタイムトラベルをして、過去に別の行動をとっていた場合に実現していたであろう結果と現状を比較することで、悲しみや絶望が後悔に転じます。

そして2つ目のステップが、その状況が誰の責任なのかを分析することです。

多くの場合、人は他人の行動ではなく自分の行動に後悔を感じます。

ある研究によると、人が感じる後悔の95%は自分がコントロールできる状況に関わるものだそうです。

現状に不満があったしても、だからといって株式投資をしていなかった、若い時に20年前にAmazonの株を買っておけば良かったと本気で後悔することはないと思います。

これがもし、20年前に株式投資をしていて、Amazonの株を買うか悩んでおり、買わないことを選択したのであれば、その選択を後悔すると思います。

先ほどの大学に進学しておけば良かったという例だって、進学ではなく、就職を選んだ過去の自分の選択に後悔をしているのです。

このように、今の自分が苦しんでいる原因が、過去の自分の選択と行動だった場合に、人は後悔をするのです。

これこそが、後悔が悲しみや絶望といった他のネガティブな感情と違う点であり、他のネガティブな感情よりも後悔することが辛い原因になっています。

とはいえ、後悔は辛いことばかりではありません。

後悔によって、恩恵を受けることもできるのです。

続いては、後悔がもたらす3つの恩恵について紹介していきます。

 

後悔がもたらす3つの恩恵とは?

本書では、我々は後悔によって次の3つの恩恵を受けることができると書かれています。

 

①意思決定の質が改善する

②課題に対するパフォーマンスが向上する

③人生の充実感が高まる

『The power of regret』より

 

それぞれの恩恵について詳しく紹介していきます。

まずは①意思決定の質が改善するです。

実際に後悔によって意思決定の質が改善することを調べた調査があります。

コロンビア大学のアダム・ガリンスキーと三人の社会心理学者が、交渉で最初の提案が受け入れられた人たちを対象に調査をしました。

この調査で、もしもっと強気の提案をしたいたとしたら、どれほどいい結果を得られていたと思うかと尋ねたところ、この質問に対して深い後悔を抱いた人ほど、その後の交渉に向けて時間をかけて準備をする傾向が見られたそうです。

また他の研究では、過去の交渉を振り返り、どのような行動を取らなかったことを後悔しているかを考えた人は、その後の交渉でより良い意思決定をすることができたという結果があります。

これは、後悔によるマイナスの感情の痛みにより、意思決定のスピードが減速することで起こります。

結論を出す前に、より多くの情報を集めたり、幅広い選択肢を検討するようになるため、意思決定の質が向上するのです。

続いて2つの目の恩恵が課題に対するパフォーマンスが向上するです。

いくつかの言葉やフレーズを示し、それを並び替えて別の言葉やフレーズを作るアナグラムを用いた研究では、後悔によって課題に対するパフォーマンスが向上する結果が見られました。

この研究では、被験者にアナグラムを10問解かせたあと、正答率が半分にとどまったと伝えました。

その上で一部の被験者に、自分の成績ともっとよい成績をあげることができた可能性を比較するよう促し、被験者に後悔するように仕向けました。

後悔するように仕向けられた被験者の頭の中には、「もっと〜していれば」という思考が頭の中で生まれます。

その結果、もう一度アナグラムを解かせたところ、後悔するように仕向けられた被験者の方が、そうではない被験者よりも粘り強く問題に取り組み、多くの問題を正解することができました。

他にも、国立衛生研究所の助成金に応募した若手科学者のデータを15年間調査した結果、助成金を受給できた科学者よりも、あと一歩で受給できなかった科学者の方が、その後のパフォーマンスが良かったことがわかりました。

これは、助成金をあと一歩のところで逃したことで、「もっと〜していれば」と内省し、その後の戦略を見つめ直したことで、パフォーマンスを上げることができたと考えられます。

このように、後悔することによって、頭の中で「もっと〜していれば良かった」と考えるようになり、その後のパフォーマンスを上げることができるのです。

続いて3つ目の恩恵が、人生の充実感が高まるです。

おそらく、中には家族や友人など大切な人をなくし、生きている間にもっと話しておけば良かった、もっといろんな話を聞いておけば良かったと後悔している人もいると思います。

もちろん、後悔をしたところで、亡くなった人が生き返って、お話できるようになるなんてことはありません。

しかしそういった後悔をしたことで、家族や友人との時間を大切にしようと思うことができます。

私も祖父を亡くした際に、もっと話しておけば良かったと後悔しました。

その結果、今まで以上に祖母と会う回数を増やしたり、一緒に食事をする回数が自然と増えていき、充実した時間を過ごせています。

このように、もっと〜しておけば良かったと後悔することで、過去の後悔は解消することはできないかもしれませんが、その後の人生をより充実したものにすることができるのです。

これまで紹介してきた通り、後悔することにはネガティブなことだけでなく、我々の人生にポジティブな影響も与えてくれるのです。

問題なのは、後悔することではなく、私たちが後悔をうまく扱えずに、後悔から恩恵を受けることができていないことなのです。

では、続いてはどのように後悔と向き合っていけばいいのかについて紹介していきます。

 

正しい後悔との向き合い方

後悔には、やってしまった後悔とやらなかった後悔の2つがあります。

本書では、後悔との向き合い方について複数紹介されていますが、この記事ではやってしまった後悔とやらなかった後悔の両方に対応できる方法を紹介していきます。

その方法は、次の3つのステップで進めていきます。

 

ステップ1:セルフディスクロージャー

ステップ2:セルフコンパッション

ステップ3:セルフディスタンシング

『The power of regret』より

 

それぞれのステップについて詳しく紹介していきます。

まずはステップ1のセルフディスクロージャーです。

セルフディスクロージャーとは自己開示です。

自分が後悔したことを他人に話したり、誰にも見せない前提で文章に書き出していきます。

ネガティブなことを自己開示することは、恥ずかしいと感じるかもしれません。

しかし他人に自己開示をしたり、単に文章にするだけでも、肉体的にも精神的にもいい影響があるのです。

自分の中で後悔を強く抱え込みすぎてしまうと、肉体的にも精神的にも重い負荷がかかってしまいます。

そのためセルフディスクロージャーによって、言葉によって経験を再現し、心の重荷を軽くすることができます。

また文章でも口頭でも、言葉にすることによって、頭の中でぼんやりとしていた自分の思考を筋道立てて整理することが出来きます。

もしかしたら中には、後悔したことを他人に話すと、その人からよく思われない、嫌われてしまうと思ってしまう方もいるかもしれません。

もちろん、相手が引くほど自己開示してしまっては、相手にマイナスの印象を与えてしまいます。

しかし多くの場合は、自己開示によってマイナスな評価よりも、親近感が湧きやすいことが様々な研究からわかっています。

そのため、開示のしすぎに気をつければ、むしろ自己開示することで、相手とより親密な関係になれるのです。

もちろん、人に話すことがどうしても嫌だという場合であれば、誰にも見せないノートなどに書き出すことでセルフディスクロージャーをしても大丈夫です。

続いて2つ目のステップがセルフコンパッションです。

セルフディスクロージャーによって、自分がどのような後悔を抱いているのかが明確になったら、次は後悔にどのように対処していくかを選択します。

そこで効果的な方法なのがセルフコンパッションです。

セルフコンパッションでは、後悔を抱いている友人に接するように、自分にも優しく接して、自分自身と向き合っていきます。

そして、人は誰でも人生に失敗して困難にぶつかるものだと、後悔を当たり前のことと位置付けて、マイナスなイメージを取り除いていきます。

3つ目の最後のステップがセルフ・ディスタンシングです。

最後のステップでは、その経験について分析をして戦略を立てていきます。

ここでは、その経験について当事者として再体験するのではなく、後悔とは距離を置いて、客観的に見つめ直していきます。

距離を置くための方法は3つあります。

一つ目が、空間的に距離を置く方法です。

壁のハエという古典的な手法があります。

壁のハエでは、自分の視点ではなく、壁に止まったハエが部屋を観察するように、第三者の視点から自分の後悔を分析していきます。

私たちは多くの場合、自分の問題よりも他人の問題の方がうまく解決することができます。

そのため、壁のハエになり、自分を他人と考えることで、経験をよりよく分析することができ、戦略を立てることができるのです。

二つ目の方法が時間的に距離をとるです。

後悔とは何かのところでも紹介したように、私たちには脳内でタイムトラベルをする能力が備わっています。

その能力を活用して、後悔について考えていきます。

実際にある研究では、ネガティブな経験について、10年後にどう感じるかを想像した方が、1週間後にどう感じるかを想像するよりも、ストレスが弱まり、問題解決能力が高まるという結果が出ています。

未来から振り返ることによって、客観的にその経験を振り返ることができる上に、その問題が小さく、一時的なものであるように思えてくるのです。

そのため、ネガティブな経験に対してのストレスが弱まり、問題解決能力を高めることができるのです。

そして3つ目の方法は、言葉によって距離をとるです。

その経験について振り返る際に、私などの一人称を使うのをやめて、あなたという二人称、彼、彼女などの三人称、自分の名前に置き換えることで距離をとっていきます。

実際に2014年にエボラウイルスが流行した際には、感染症について、自分の名前を主語にして考えるように言われたグループは、一人称を主語にして考えるように言われたグループよりも、事実に基づいて行動して、理性的思考をする傾向が見られたそうです。

このように、主語を一人称から変えるという単純な方法でも、距離をとることができ、客観的に経験を分析することができ、より良い答えを出すことができるのです。

 

本書では、この記事では紹介しきれていない後悔にまつわる様々なことが解説されています。

特に人が感じる主要な後悔の種類や、どういったことにより後悔を感じるのかについては、とても興味深いものでした。

そのため、我々がよく感じる後悔についてや、後悔の対処法についてもっとよく知りたいという方は、ぜひ本書を読んでみてください!

 


ではでは。

 

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