今回は高松 智史さん著の『「暗記する」戦略思考』を紹介していきます!
皆さんの職場には天才はいないでしょうか?
感覚的に仕事をしているのに、なぜか結果が出せる人。
そういった人にどうやって仕事をしているのか?と聞いても、あまり明確な答えは得られないと思います。
おそらく、そういった人が職場にいると、「天才っていいな」「自分は天才じゃないからな」と考えてしまうと思います。
しかし、凡才が天才に勝つ方法があります。
それが暗記することです。
本書に書かれている戦略思考を暗記することができれば、天才に勝つことができるのです。
戦略思考とは、「解、答え、意見、メッセージ」を作り出す考える技術です。
その戦略思考を使いこなすことができれば、お客様から依頼があったときや、アイデアを提案しなければいけない時、あなたが天才よりも良い答えを出すことができ勝つことができます。
そこで本書では、前半部分で暗記するべき戦略思考が12個、ワーク形式で解説されています。
後半部分では、前半で解説されていた戦略思考のまとめと、戦略思考の使いどころなどについて書かれています。
この記事では、本書で紹介されている戦略思考から3つを厳選して紹介していきます!
暗記する戦略思考の要約
リアリティスウィッチイズキング
リアリティスウィッチイズキングとは、その名の通りリアルに考えることです。
例えば皆さんは、大学一年生にとって相応しい英語留学先はどこか?と聞かれたら何と答えますか?
ここで、何となく「アメリカやイギリスなどの英語圏がいいのでは?」と考えてしまっては、思考が浅いです。
この問いで重要なのは、大学2年生でも、3年生でも、4年生でもなく1年生ということです。
そのため、この問いの答えを考えるためには、大学1年生についてリアルにイメージする必要があります。
例えば、入学してからしばらくは、色んなサークルの新歓に参加する。
サークルでは毎週のように飲み会があったり、夏休みには合宿がある。
また1年生は取らなければいけない単位も多い上に、サボり方もよくわからないため、とにかく全ての授業に出席する。
サークルと授業で忙しい中でも、遊ぶためのお金を稼ぐために週2〜3日くらいの頻度でバイトをする。
留学のための費用も貯めなければいけない、そして大学生活にもなれる期間が必要だということを踏まえると、留学は春休みがベスト。
そして予算は、4月から毎月3万円を貯金するしたら、3月までに33万円。
親から援助してもらえれば50万円くらい用意できるかもしれない。
このように大学1年生にとって相応しい留学先を考えるためには、大学1年生を具体的に想像していく必要があります。
この時に大切なのが、もし間違っていたら?と考えずに、とにかく自分勝手に状況を置いていきます。
とにかく状況を置いていかないことには、どういったことを意識して答えを考えればいいのか導き出せないからです。
この大学1年生の例だと、3月でも過ごしやすい気候の国、予算50万円で行ける留学先、親が安心して送り出せる治安のいい国といった条件を出すことできます。
その結果、本書にも書かれていますが、オーストラリアが大学1年生にはオススメの留学先としてあげることができます。
もし、親からの援助がなく30万円が用意できる費用の限界であれば、フィリピンが選択肢に入ってくるかもしれません。
ちなみに、私は大学時代にフィリピンに1ヶ月間語学留学に行きましたが、お風呂やトイレが不便だったことを除けば、とても楽しい1ヶ月でした。
このように、考える時には対象の人がどんな人なのかを具体的に考えることが大切です。
人に何かをプレゼントするとき、提案をする時など、相手をできるだけリアルに想像することで、その人にとってベストなものを渡すことができます。
フチドリ思考
続いては、先ほど紹介したリアリティ・スウィッチイズキングと相性抜群のフチドリ思考を紹介していきます。
フチドリ思考では、何が問われているのか?を考えていきます。
例えば、新幹線の車内のコーヒー販売の売り上げを伸ばしてくださいと言われたら、あなたはどう考えるでしょうか?
何が問われているのかを考えると、まず今回は利益ではなく売り上げを伸ばす方法が問われている問いうことに気づく必要があります。
利益を伸ばす方法と売り上げを伸ばす方法では、取るべき手法も変わってきます。
続いては、在来線ではなく新幹線ということです。
新幹線に乗る人はどういう人なのか、また時間帯によって変わるのかといったことを考える必要があります。
朝は出張にいくサラリーマンが乗っている、家族の帰省や旅行にいく家族が乗っている、夜は旅行の帰り、出張の帰りなどのように考えることができると思います。
このように時間帯ごとに乗る人を大まかに分けることができたら、リアリティ・スウィッチ イズ キングの出番です。
彼ら彼女らをリアルにイメージして、なぜコーヒーを買わないのかを考えることで、売り上げを伸ばすヒントを掴むことができるかもしれません。
このように、問われていることに対して、何を問われているのかをフチドリ思考で詳らかにしていきましょう。
調査はフランススーパーっぽく考えよう
最後に調査をする前に役立つ思考戦略を紹介していきます。
それがフランススーパーっぽく考えるです。
戦略を立てる上で必ず必要になるのが調査です。
もしかしたら、調査は雑用だと考えている方もいるかもしれません。
私がよく見るSuitsという海外ドラマでも、よく上司が部下に調べ物をやらせているシーンがあります。
しかし本書では、調査は決して雑用ではなく、最高の付加価値を出す、答えのないゲームであり、アタマの使いどころであると書かれています。
何かを調べる際には、目的がなく何となく情報を集めるということはないと思います。
調べるのは、今後どういった方向へ進むかを考えるためです。
そのため、調べる上で大事なのが、あっちに進むか、こっちに進むかを見極めるためには、何を調べるべきなのかを考えることです。
特に、○○VS○○のように、行動の分岐を考えることが大切です。
例えば、フランスの大手スーパーマーケットがネットスーパー事業に進出するべきかという問いを考える際、本書では次のようなので行動の分岐が考えられると書かれています。
①ネットスーパーに参入すべき VS 参入すべきではない
②リアル店舗とネットスーパーの関係は主従関係 VS 独立関係
③展開範囲がフランスのみ VS 欧州全般
これらの行動の分岐を考えることができたら、どちらに進むべきかを考えるための情報を集めればいいのです。
ネットスーパーに参入すべきかを考えるためだからといって、何となく市場調査をして、多くの情報を集めればいいというわけではありません。
ただ情報を集めて、それを相手にぶつけたとしても、「そんなの知ってるよ」で終わってしまったり、「だから何なの?」と言われてしまいます。
そのため、何となく情報を集めるのは非効率的であり、相手にとっても意味のないことになってしまいます。
だからこそ調査をする前に、今後起こりそうな○○VS○○のような行動の分岐を考えて、その判断に必要な情報を集める大切なのです。
これまで何となく情報を集めていたという方は、ぜひフランススーパーっぽく考えるを試してみて下さい!
本書ではこの記事では紹介しきれていない戦略思考が9つもあります。
また冒頭でも紹介した通り、第一章では実践を通して解説されており、後半部分ではどういったときに使えるのかについても書かれています。
そのため、戦略思考を暗記して天才を超えたいと考えている方は、ぜひ本書を読んでみて下さい!
ではでは。